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石田 晋哉 『二人零和完全情報ゲームに関する研究』

 人工知能の研究分野の一つである、二人零和完全情報ゲームを行う人工知能について、オセロを取り上げて、その仕組みを研究する。 二人零和完全情報ゲームには、オセロや将棋、チェス、簡単なものでは○×ゲーム(三目並べ)などがある。
 しかし、現在、トッププロと呼ばれる人々に太刀打ちできるプログラムは少ない。 そうした中で、様々な工夫をして、人間の頭脳を越えるプログラムの完成を目指して、今日でも盛んに研究が行われている。

 本論文では、コンピュータ上でのオセロの実現方法からはじめ、二人零和完全情報ゲームの核となるゲーム木と、その探索方法のアルゴリズム開発、 また、盤面を評価する方法や、定石の実装法などをまとめた。
 そして、ゲーム木の探索方法の、それぞれの探索効率を比較実験や、評価関数のパラメータ調整実験などにより、より強いアルゴリズムの実現を目指した。
魚岸 剛志 『圧縮アルゴリズムの構築と分析』

 データ圧縮はパソコンを使う人にとって身近な技術である。HP上に載っている画像のほぼ全てが、圧縮画像であり、流れている動画や音楽やソフトウェアのダウンロードにも圧縮技術が使われているものばかりである。 また、複数のデータをメールに添付するときも圧縮して、1つにまとめるであろう。
 近年、HDDの容量は非常に増加しており、インターネットの通信速度もとても速くなっている。このような時代にデータ圧縮はもう必要ないと思う人もいるかもしれない。
 しかし、技術の進歩により、より一層鮮明な画像、音楽、動画データ等が登場している。 これらのデータは当然重いデータであり、無圧縮では膨大な量の容量を必要とするので、まだまだ圧縮の需要は衰えることはないだろう。

 本研究では、いくつかの圧縮技術の仕組みを学んだ。そして、それらの詳細を理解するために、ランレングス法やハフマン法に対して、実際にプログラムの構築を行ってみた。 そして、ランレングス法を基本として、オリジナルのuoアルゴリズムというものを製作した。 このuoアルゴリズムには、時間計測やドラッグ&ドロップに対応する等、様々な機能を追加した。
 また、そのアルゴリズムと別のアルゴリズムを組み合わせることによる効果を検証し、有名な圧縮手法との圧縮率比較を行い、その結果を考察するということも行ってきた。
角田 瞳 『DEAによる芸術文化産業分析』

 私たちを取り巻く社会環境は、国際化や情報化、高齢化などの進展により大きく変化し、人々の生活意識や価値観も多様化してきている。 人々はくらしの中にゆとりといった心の豊かさを求めるようになり、それにともない芸術文化への関心が高まってきている。 また文化を通じた社会貢献や経済活動において文化の果たす役割に対する関心や期待も高まりつつある。
 こうした背景のなか、芸術文化の振興を担っているのが各地域の芸術文化振興財団である。地域ごとに、財団の事業内容、経営方針は多様である。 利益性だけをみれば、自治体や振興基金などの補助に頼っている現状には問題があるが、財団の目的が単純な利益追及ではないことから、芸術文化分野の分析にあたっては多方面から見ることが必要となる。

 そこで、相対評価法であるDEAを用いて、経営の安定性や自主性を測り、且つ事業内容からも評価を行うことにより、経営面と事業面の両面からの分析をこころみる。
華 明 『商品開発手法の研究  −コンジョイント分析を中心として−』

 多くの企業ではデータは収集できているのにも関わらず、それらを有効利用していないケースがほとんどである。 本研究では、こうした中でどのようにデータを扱えばより好ましいデータとなり、ビジネスの場に限らず、人々の生活に役立てられるかを 主旨とした。この目標のもと、商品開発に対するアンケート調査法およびコンジョイント分析法を中心に研究する。

 そこで、大学バッジの開発を適用の対象とし、実際に在学生と卒業生にアンケートをとった。 それから、コンジョイント分析の手法を利用しユーザーの本来の期待を解析することで商品の仕様の企画を行った。
新城 智 『AHPと区間AHPによる集団意思決定』

 AHPとは人間の感覚的判断を重要な判断材料として、それを数値化、モデル化する意思決定手法である。 感覚的な判断を数値として表すことにより、より信頼できる結果を得ることができる。 クラブ活動等において、さまざまな意見を取り入れることが求められる場面では、「区間AHP」という手法を用いた集団意思決定を行うことが必要とされる。

 今回、集団意思決定において、感覚的判断すなわちペア比較を行う上で区間幅を持たせる区間AHPという手法に取り組んだ。 区間AHPによる集団意思決定で問題になるのが整合度と、結果と被験者の意見の差から生まれる不満値である。 整合度と不満値は、両方を最適な値にすることは困難である。
 しかし、本研究では整合度と不満値のバランスをよくする手法を考案し、それをクラブ活動における集団意思決定問題に適用した。
成田 秀明 『ユーザインターフェースを考慮したAHP計算用ウインドウプログラムの開発研究』

 現在の情報が溢れる社会において理想的な意思決定は、より困難なものとなっている。 このような意思決定問題の解決手段の一つとしてAHP(階層分析法)という手法がある。AHPでは階層構造や数値を用いる事でヒトの意思決定を明確に捉える。 しかし、多くのデータを入力する必要があるために扱いが複雑であり、且つ解析結果の解釈が容易ではない。

 そのため、本研究ではデータ入力が容易であり、且つ解析結果を支援するユーザインターフェースを考慮したAHP計算用ウインドウプログラムの開発研究を行った。
濱谷 新一 『会話プログラムによる情報検索機能の実現
  〜小樽観光用会話型譲歩検索エンジンの実用化〜』

 今、小樽の観光業にはあまり活気がない。以前のような活気を少しでも取り戻せる方法はないだろうか。

 会話プログラムのひとつに、人工無能というものがある。この人工無能に使われているテクニックを利用して、より扱いやすく、 より楽しめるだけでなく、さらに小樽の情報を詳しく知ることができたり、小樽の観光業の現状が改善できるような情報を効果的に表示できる、 実用性をもったプログラムを作成するための研究を行った。
藤澤 基也 『Simulated Annealing法によるポートフォリオ問題』

 現在日本には多数の金融資産、債権があるが、これらは単独で所有するにはあまりにもリスキーである。 この金融資産の有効なリスクテイクの一つの手段であるポートフォリオを、特に株式の値上がり益、値下がり損に注目して作成、その効果を検証する。

 ここでは、ポートフォリオを組み合わせ最適化問題として考え、作成には組合せ最適化問題の一つの解法であるSimulated Annealing法を利用し、 そのパラメータの違いによる解の質の変化にも着目してポートフォリオを検証する。