昼間コース「国際マクロ経済学」(後期開講)

シラバス【詳細版】 担当:廣瀬 健一

 

 

※本科目は後期開講のため、現状の履修登録システムにおいては、開講時のオリエンテーションの段階で履修変更を行うことが不可能ですので、履修登録希望者は以下のシラバス内容を十分に認識した上で履修登録して下さい。

 

1.授業の目的・方法

 この授業では、ミクロ経済学・マクロ経済学の基礎知識を前提として、国際マクロ経済学の講義を行います。前半(Part T〜V)は標準的な学部レベルの国際マクロ経済学の知識を習得してもらい、後半(Part W・X)はミクロ経済学的基礎付けにより構築された“新しいマクロ経済学”の手法を取り入れた分析を紹介することを目的とします。したがって、後半に取り扱う内容は(学部レベルでは「上級マクロ経済学」として位置づけられるべき程度の)高度なものですが、この授業ではあくまでもミクロ経済学・マクロ経済学の基礎知識さえきちんと把握していれば理解可能なレベルで議論を展開します。

 

2.授業内容

Part T イントロダクション

 1. 為替レートの基礎概念

 2. 国際収支の基礎概念

Part U 為替レートの決定理論

1. 長期理論:購買力平価

 2. 短期理論:金利平価

 3. 外為市場介入の効果

Part V 伝統的な国際マクロ経済分析

 1. 為替レート変動による経常収支の調整

 2. マンデル・フレミング・モデル

 3. 為替レートのオーバー・シューティング

Part W 最適化に基づいた国際マクロ経済分析

 1. 異時点間取引から見た経常収支

 2. 動学的最適化に関する様々なトピックス

 3. new open economy macroeconomicsとは?

Part X 世界経済と経済成長

 1. 新古典派成長理論

 2. 世界経済における成長率の収束に関する議論

 3. 内生的成長理論

 


3.使用教材

[教科書] 特定の教科書は使用しません。

[前半部分(Part T〜V)の参考書]

Part T〜Vに関しては、以下のような学部レベルの標準的な国際金融論・国際マクロ経済学のテキストを参考にして下さい。(いずれかの1冊を持っていた方が望ましいです)

高木信二「入門国際金融(第2版)」日本評論社

Krugman and Obstfeld, “International Economics: Theory and Policy” 後半部分

(和訳:「国際経済(U)国際マクロ経済学」新世社、「国際経済学」エコノミスト社)

Caves, Frankel, and Jones, “World Trade and Payments: an Introduction” 後半部分

(和訳:「国際経済学入門(U)国際マクロ経済学編」日本経済新聞社

藤原秀夫・小川英治・地主敏樹「国際金融」有斐閣アルマ

[後半部分(Part W・X)の参考書]

Part W・Xに関しては、いずれも(学部上級〜)大学院レベルのテキストですが、以下の参考書を挙げておきます。(したがって、購入する必要はありません)

 Obstfeld and Rogoff, “Foundations of International Macroeconomics”

 (Part Wの内容に関する最も有名なテキストで、一部Part Xの内容も含んでいます)

 Barro and Sala-i-Martin, “Economic Growth”

Part Xの内容に関して非常に定評のあるテキストです)

 

4.成績評価の方法

 期末試験によって評価します。単位取得に関して、一切(たとえ卒業年次生であっても)救済措置は行いません。

 

5.履修上の注意事項

*本科目は経済学科2年次配当科目であり、ミクロ経済学・マクロ経済学の基礎知識は前提として授業を行いますので、1年次配当科目の「ミクロ経済学」・「マクロ経済学」で学ぶべき内容は(授業開講期までには)確実に理解しておいて下さい。(特に、あまり良くない成績で単位を習得した学生は、事前にしっかりと理解を深めておいて下さい。)

*授業レベルは学習意欲の高い学生に合わせて設定しております。したがって、単位取得だけが目的の人は最初から履修登録をされない方が賢明でしょう

*なお、授業に関する情報は下記のホームページに掲載する予定です。

https://www.otaru-uc.ac.jp/~hirose/