An entrance ceremony 2022
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年と異なり、式典の出席者は入学生のみとし、式典の時間を大幅に短縮して実施いたします。保護者の皆様方にお越しいただけないことは大変残念ですが、式典の様子は、令和4年4月5日(火)当日にLive配信いたしますので、こちらからご覧ください。
日 程 | 令和4年4月5日(火) | ||
開始予定時間 | 終了予定時間 | ||
【第1回】 | 10:30 | 11:00 | |
【第2回】 | 14:30 | 15:00 |
皆さんはコロナ禍で高校時代を過ごし、社会が大きく変わる姿を目の当たりにされました。
皆さんにとって、実学という言葉は普段あまり耳にしないものかもしれません。ここで言う「実学」とは、現実に即した学問というだけでなく、幅広い教養と高度な専門性に裏付けられた実践的な学問です。そのために本学では一般教育において歴史や文学、自然科学などの科目を揃えています。また、語学教育にも力を注いでいます。そのうえで、経済学科、商学科、企業法学科、社会情報学科において、より専門的な教育を行っています。さらに高度な教育は大学院において行われています。
今年4月から本学は帯広畜産大学、北見工業大学と経営統合し、新たに北海道国立大学機構が創設されました。国立三大学の経営統合は我が国でも初めての試みです。しかも、距離が離れた大学の経営統合であり、全国からも注目されています。北海道内の実学を担う三大学の経営統合により、「実学の知の拠点」となり、北海道経済の発展のため、新たな教育、研究を進めて行きます。この緑丘の地に110年の歴史を刻んだ本学も皆さんと同じように4月から新たな一歩を踏み出します。
多様性は選択の幅を広げますが、一方で迷いも生じます。自らの目標を明確に定め、選択する目を養ってほしいと思います。大学では皆さんが主体的に学ぶという姿勢が求められます。これまで皆さんが経験してきた小・中・高での勉強の方法と大学での勉強には大きな違いがあります。大学で何をどう学んで行くかは基本的に皆さん一人一人が主体的に考えて行かなければなりません。アクティブラーニングや学外での学びも用意されています。特に本学では研究指導、いわゆるゼミが必修となっています。3年生、4年生の2年間指導教員や他のゼミ生とともに専門分野について少人数で学びます。ゼミでの少人数教育も本学の教育の特徴の一つです。自らの可能性を広げるために、本学の提供する学びの機会を十分に活用して下さい。
語学の重要性についてはここで改めて強調する必要はないと思います。皆さんの中にも留学を希望されている方がいると思います。人の異動が完全に自由になってはいませんが、これまでも揺れ戻しを経験しながら、グローバル化は進んできました。大きな流れとしての経済のグローバル化自体を止めることはできません。日本にとっても、そして北海道にとっても経済のグローバル化は経済活性化のために必要です。
また、これまでの入学式の式辞でも繰り返し述べられましたが、10年前、本学のグラウンドにおいて運動クラブの学生が飲酒により死亡するという事故が起こりました。この学生は入学したばかりの1年生でした。亡くなられた学生には心からの哀悼の意を表したいと思います。一方で、私達はこの事故を教訓とし、二度とこのような不幸な事故を起こさないことを誓いました。その誓いの石碑が体育館の玄関横にあります。未成年の飲酒は法律で禁じられています。それだけでなく、飲酒は時には死につながる危険な行為でもあります。私達も皆さんにとって安全で安心できるキャンパス作りに努力していきますが、皆さん自身もルールを守り、充実した学生生活を送って頂きたいと思います。
最後になりますが、ウイズ・コロナ、アフター・コロナへと移る時代の流れ、また、ロシアによるウクライナ侵攻による世界情勢の変化などを的確に把握し、その先にある未来を思い描ける能力を是非学生時代に身に着けて下さい。そのことが皆さんの可能性をさらに広げることになります。
令和4年4月5日 国立大学法人 北海道国立大学機構
小樽商科大学長 穴沢 眞
これまで新入生を育て見守ってこられたご家族の皆様にも心からお慶びを申しあげます。
そして2022年4月、皆さんの入学に時を合わせて、小樽商科大学は新しい歴史のページを開きました。それは小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学が経営統合して国立大学法人北海道国立大学機構を設立したことです。 その目標は、小樽・後志、帯広・十勝、北見・オホーツクと北海道の広域にあって、商学、農学、工学分野の特色ある教育研究を展開してきた三国立大学が経営統合して大学の基盤を強化することにあります。それによって三大学が連携して、分野横断、分野融合型の新しい教育・研究を展開することが可能になります。また産学官連携によって北海道経済・産業の発展と国際社会の繁栄、そしてSDGsに示される持続可能な社会の実現に貢献することをめざしています。
近年、気候変動や大規模災害、食料、格差や紛争など地球規模の課題が増加してきましたが、これに加えて新型コロナウイルス感染症の蔓延を契機に、社会は大きく変化しつつあります。必要に迫られてはじめたオンライン授業ですが、実は対面とオンラインのハイブリッドな教育研究は地理的制約を超えて日本や世界の大学が連携し、教育研究のイノベーションを創出できる可能性も秘めています。 デジタルとアナログが融合する新しい学びによって、氾濫する情報の真偽を見極め、物事の本質を見抜く強靱な思考力と想定外の事態に対応する独創性を身につけることができます。それこそが学問の力であり、大学で学ぶ皆さんに期待されていることでもあります。
北海道は、18才人口の減少や産業構造の変化など解決すべき課題を抱えてはいますが、食糧自給率約220%、風力、太陽光発電など新エネルギー導入ポテンシャル日本一、都道府県魅力度ランキングも日本一であり、農林水産・観光資源に恵まれた北の大地です。大学生が豊かな学生生活を送り、研究者が世界から集う「知の拠点」にふさわしいエリアといえます。
北海道国立大学機構 理事長
長谷山 彰
小樽商科大学の同窓会組織、緑丘会を代表してお祝い申し上げます。
私は半世紀ほど前に入学しましたが、学生寮に入り、クラブ活動を満喫し、指導を受けた国際経済学ゼミでは卒業後の仕事に繋がる教えを受けることができました。また、商大での4年間に、数多くの人と出会い、今でも続く生涯の友も得ることができました。私を鍛え、大人へと成長する機会を与えてくれた母校に今でも感謝しています。
大学でどのようなことを学び巣立っていくのか、先輩から2つほど助言をしたいと思います。
第一は、常に、国際的な動向にも強い関心を持って学園生活を送ってください。
第二は、勉学に加え、これはという経験を積んで欲しいということです。
小樽商大の良さの一つは、小規模な単科大学であるがゆえに、学生、教職員、卒業生の一体感が強いということです。これからの緑丘での学園生活を通して、皆さん自身が主体的に行動し、お互いに能動的な働きかけを行うことから始め、まずは、同級生同士の絆を深める努力をしてください。商大には数多くの体育・文化のクラブがあり、活発に活動してきた歴史があります。私もそうでしたが、クラブ活動を通して友ができ、学ぶことも多かったと思います。
この緑丘で培われた絆は、全国有数の同窓会組織である小樽商大同窓会「緑丘会」を核にして、社会に出た後も続いていきます。
大学と同窓会は協力して、「母校創立110周年記念募金」活動を3年前から進め、先月、募金期間を終えたところです。募金目標1億1500万円にたいして、目標を大きく超える寄付を同窓生や教職員、関係企業から頂いております。頂いた寄付金は、皆さんの課外活動や国際交流の支援などに使っていく予定です。
公益財団法人緑丘会理事長
島崎憲明
令和4年度 小樽商科大学へ入学される皆様へ
本日、小樽商科大学の令和四年度入学式が挙行されますことは、誠に喜ばしく、心からお祝いを申し上げます。小樽商科大学は、明治四十四年に官立五番目の高等商業学校として開学以来、自由な学風と実学重視の精神に基づき、一〇〇年以上に渡って教育と研究、地域社会への貢献という使命を果たしてこられました。
小樽は、北海道で初めて鉄道が敷かれるなど、北海道開拓に重要な役割を果たした街であり、 かつての繁栄がもたらした歴史的建造物や近代文化遺産が数多く現存しております。
このコロナ渦において、制約が求められる場面もあるかと思いますが、どうか皆様には、在学中に、小樽のまちの良さを存分に味わっていただき、 商大の恵まれた教育環境の中で、思い出深い大学生活を過ごされ、将来は是非、「グローバルな視野で地域の問題を解決できるグローカル人財」として、 このまちで活躍して欲しいと思っております。
令和4年4月5日
小樽市長 迫 俊哉
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
さて、皆さんは大学に入学したばかりで「同窓会」のことも初めて知る事となります。同窓会は「緑の丘の会」と書いて「緑丘会(りょくきゅうかい)」と言います。
本日は同窓会である「緑丘会」の活動について2点説明をさせて頂きます。
2点目は、緑丘会は全国に24支部あり、卒業した同窓生に有益な各種イベントを実施しているという点です。転勤等でお住まいが変わっても、それぞれの土地で充実したネットワークに参加いただき、人脈の形成や生活の糧に活かすことができます。
そして、皆さんには同窓会報「緑丘(入学おめでとう号)」をお届けします。ぜひ目を通して頂き、先ずは緑丘会の雰囲気を味わって頂きたいと思います。
公益社団法人 緑丘会
事務局長 永井健夫
小樽商科大学校歌
時雨 音羽 作詞
杉山 長谷夫 作曲
(一) 金鱗おどる渺々の
あけぼの称う浪の唄
エルムの花に若人の
涯なきのぞみ数々秘めて
夢うるわしの緑ケ丘よ
(二) 夕陽映える白樺の
梢をわたる風の唄
慈愛の山のふところに
銀翼みがき駿足秘めて
唄ほがらかの緑ケ丘よ
(三) 蒼穹はてず道つきず
はるかに仰ぐ北斗星
栄冠迎うこの胸に
飛躍の力ひととき秘めて
花咲き匂う緑ケ丘よ
(四) 健腕拓く五大洲
凱歌はあがる我母校
感激満てる若人の
血潮に清き教えを秘めて
春永遠の緑ケ丘よ
※再生できない場合はこちら
JASRAC許諾第E1904223407号
若人逍遥の歌
高島 茂 作詞
宮内 泰 作曲
(口上) 春風颯々として山河をめぐり
百花繚乱の盛夏となりぬ
霧水来たりて百山紅を呈し
龍田の朔北(と)なれば暗雲天空を覆い嵐を呼び
紅山白山と化しその白雪の中に身を埋める
その厳しき天地のすべ我等が俗世と何の関わりが有ろうか
連山残雪に覆われし頃比の朔北の地に移りし我等なれば
何を悩み何をば求めん
俗世の安楽冥利とは大海に漂う塵の如し
我等その塵に何ぞ命を託さんや
今こそ悪夢より覚醒出でて
打ち寄する荒波の如き熱き血潮を持って杯をかかげん
春宵の暁にいざいざいざ歌わんかな我等が命を
(一) 琅玕融くる緑丘の
春曙を逍遥えば
浪漫の靄に街沈み
風悠久の言葉あり
瀾朶の桜花吹雪つつ
あわただしくも逝く春の
伝統古き学舎に
展ける海のはてしなき
(二) 夏白樺に囁やきて
ハイネの詩を口ずさむ
みめ美わしきまなざしの
又なき時の愛しさ
断崖落ちて波くだけ
オタモイ遠く帆走れば
オタルの嶺々の夕あかね
冴ゆる北斗にうそぶきぬ
(三) 秋簫条の思い濃き
ポプラにかかる雲消えぬ
流転の行旅夢に似て
悩みの思惟を誰か知る
感傷笑うことなかれ
桜ケ丘にたたずみて
泪滂沱と憂愁の
落葉の行方誓うかな
(四) 氷雪海に傾きて
月寒ければ翻とかん
晦冥行路遠けれど
われに港の乙女あり
流星落ちて影もなし
逝く青春の足音に
生命を惜しむ若人は
永却の杯酌まんとす
※再生できない場合はこちら