2020.06.12
教職員紹介
一般教育等(哲学) 宮田先生にインタビュー!
今日は4月から商大に赴任された先生を紹介するよ!
本日の先生は・・・一般教育等(哲学) 宮田先生!
それでは、早速よろしくお願いします!
私は神奈川の川崎市出身で、これまで降雪量の多い寒い地域に住んだことがなかったので、寒さと闘うつもりで身構えながら小樽へとやってきたのですが、今シーズンは例年にない暖冬ということで、想像していたよりも遥かに過ごしやすい場所だなと感じています。しかし、冬の地獄坂は今から恐ろしく思っています・・・。
また、寒い地域の大学の特徴かと思いますが、キャンパス内の建物が相互に繋がっており、外に出ずとも他の建物へ移動できることに、これは便利だと驚きました。ただ、私は方向音痴なので、毎回迷路にチャレンジするような気持ちでキャンパス移動をしております・・・。
うんうん、繋がっているって冬場は特に嬉しいよね♪
繋がっている暮らしに慣れると、学生会館(生協)と講義棟
講義棟と事務棟が繋がれば良いのにという意見が良くでてくるよ
大阪大学大学院法学研究科の博士後期課程に在籍していました。また、大阪大学では、法学研究科での研究活動と並行して、リーディング大学院の超域イノベーション博士課程プログラムという5年制の文理融合の教育プログラムを履修していました。このプログラムを通じて、パラオ共和国の環境系NGOで半年間ほどインターンシップをするといったこともしていました。
大阪大学から来たんだね!
ようこそ 北海道へ!
パラオ共和国にインターンシップなんてすごいなぁ
法理学・法哲学という、法に関わる基本問題を研究する分野を専攻しています。あまり馴染みの無い分野だと思いますが、「法」という概念はそもそもどのように定義できるか、法が目指すべき価値的理念たとえば「正義」とはどのような内実を持っているか、法を解釈するという営みはどのような営みであるか、そういった基本的な問題を、あーでもないこーでもないと論ずる学問領域です。
その中で私個人がどのような研究をしてきたかと言いますと、行為に関する一般的なルールを個々の問題状況に適用して、その状況でどのような振る舞いをすべきかあるいはしてもよいかを判断する際に行使されている「実践的判断力」とはどのような能力か、という問題に関心をもって研究を進めてきました。たとえば、「嘘をつくな」とか「生命を尊重せよ」といった一般的なルールは、おそらく誰しもが正しいルールだと考えるでしょうが、状況によっては、嘘をつく方が望ましかったり(嘘も方便)、生命を意図的に終わらせる方が望ましいように思われる場合(例えば安楽死・尊厳死の場面)があったりすることは、誰しも経験上知っていることかと思います。このとき私たちは、正しいとされている一般的なルールにただ盲目的に固執するのではなく、目の前の問題状況を観察した上で、臨機応変に、ルールに例外を加えて変更したり、別のルールを採用したりして、もっとも収まりのよい結論を導いて行為へ移ると思います。このときに行使されている実践的な能力、つまり個別の状況を考慮しつつどのような一般的ルールを目下の問題状況に当てはめるのが望ましいかを検討する能力が実践的判断力です。
いま挙げた例を見れば、実践的判断力の問題が道徳・倫理・正義の領域に関係することがおわかりいただけるかと思いますが、この問題は法解釈の領域にも関わってきます。というのも、法解釈という営みにおいても、法典の中に書かれている一般的な法的ルールをただ単に問題状況に当てはめればよいというわけではなく、典型的には裁判官が目の前の紛争状況を詳細に観察した上で、一般的な法的ルールの文言をこれまでの判決例もふまえつつ柔軟に解釈することで、もっとも収まりのよい結論を導いて紛争の解決を試みるからです。このような法的判断においても、実践的判断力が行使されているわけです。今後は、これまで行ってきた実践的判断力の研究を法的判断力の研究へと繋げていくつもりなのですが、その前提として、まずは、「そもそもいつ道徳的・倫理的ルールが法的ルールとなって、実践的判断力は法的判断力と呼びうるようになるのか?」という問題に応答せねばならないと感じています。ですので、目下の研究課題は、「法の生成過程の解明」をキーワードに、どのように私たちの実践的な生活の中から「法」というものが生まれてくるかを哲学的に分析したいと考えています。
実践的な生活から「法」・・・あまり普段の生活では考えたことなかったなぁ
宮田先生の熱い思いが伝わってきたね!!
最近は、クマと言われることが多い気がします。こちらでクマと出くわしたときに、仲間だと思って見逃してくれればよいのですが。
クマ・・・死んだふりをしても見逃してくれないみたいだけど・・・
仲間に見えれば見逃してくれるかな・・・?
まずは、小樽高等商業学校を前身とする長い歴史をもった大学であり、あの小林多喜二を輩出しているというのが一番強いイメージでしょうか。あとは、ドイツ中世史のご研究で著名な阿部謹也先生がかつて在籍されていたというイメージも持っています。
また、当初は、バンカラな大学という印象を抱いていたのですが、充実した留学支援や留学者の受け入れに注力していること、三面スクリーンの教室があったり、iPadを用いた学修支援体制が整っていたり等々、想像していたよりハイカラだなと思いました(笑)
バンカラ・・・応援団のイメージがそのままなんだね!
コロナが収束したら、是非、応援団の活動も見てね!!
小樽の魅力の一つは小規模の居酒屋が街中に多くあることだと思います。このような場所は哲学にとっても非常に魅力的だと思っています。というのも、少なくない方が、哲学というのは、何やら瞑想的・仙人的な人が部屋や山に籠もって行うものだというイメージをお持ちなのではないかと思いますが(そしてそれは全く間違いでもないと思いますが)、実際は、対話や議論の中でこそ哲学・思想は発展してきたという側面があるからです。この点を考えれば、小規模な居酒屋というのは最良の対話・議論の場所であるがゆえに、哲学にとって魅力的だというわけです。今後、小樽市民の皆様と連携しながら、このような魅力的なリソースを活用して何か面白いことをやれればなとぼんやり思っています。
是非、小樽と楽しいことをしてね!!
同じような質問をされるたびに、答えられるような趣味や特技が無くて恐縮してしまうのですが、強いていうならば、気のおもむくままに散歩することが趣味でしょうか。この点、小樽の街は、由緒ある建物や場所、お店が街の各所に点在しているので、歩くたびに思わぬ発見が度々あり、散歩のしがいがとてもあります。
うんうん。色々なところに思わぬ発見があったりするから、是非たくさんの場所に行ってみてね!!
Covid-19の感染拡大で多大な影響を被っている学生・市民の方が多数おられ、正常化に向けて様々な努力をされているところかと思います。私も、商大の一教員としては、教育環境の維持・改良を、一小樽市民としては、街の活性化に精一杯努めて参りたいと思います。今後もお世話になりますが何卒よろしくお願いします。
宮田先生、ありがとうございます!
これからよろしくお願いします♪
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