昨日に引き続き・・・石川ゼミの日経STOCKリーグ受賞のロングインタビューを紹介するよ!
それではどうぞ!!
日経STOCKリーグへの参加を決めた後は、どんな取組みをしてきたの?
このプログラムでは、500万円の元手を使ったバーチャル投資を通じて、投資の仕組みの理解を深めることができます。
だけど、それはただの投資ゲームではありません。
特徴的だと思うのは「何か1つのテーマやポリシーを設定して、それに適う企業に投資をする」という点です。
単純に、自分たちで組んだポートフォリオの値上がり率が競われるのではなくて、「その投資テーマにしたのはなぜか、そのテーマの下でどうやって企業を選び出したか、そこから何を学んだか」という点が重点的に評価されます。
だから私たちも、自分たちなりのテーマと方法を考えて、それに基づいたポートフォリオを組みました。
そして、そこに至るまでのプロセスをレポートに納得がいくまでしっかり書いて、提出をしました。
受賞したレポートはどんな内容だったの?
私たちはまず、テーマとして「いわゆる「国内産業の空洞化」を抑えながら、しかも成長することができている企業」、つまり、「反空洞化・成長企業」を見つけ出すことを目標に設定しました。
そういう企業を見つけるのは簡単ではありません。
財務諸表を見ても直接にはわからないし、関連する定性情報(文章)をどれだけ読み込んでも、企業間で優劣をつけるのは困難です。
そこで私たちは、財務諸表に載っていない数値も視野に入れて、その数値の背景や意味を最大限に読み取ってから、「反空洞化・成長企業」をうまく選別できるようなオリジナルの指標を作りました。
そのとき理想として狙っていたのは、定性分析と定量分析という2つの独立した領域があるとして、まずは定量分析の従来の領域を広げて、そこに定性情報までを取り込もうとする工夫です。
その成果が、国内設備売上高指標と、総資産投資キャッシュ・フロー率です。
それらによって、企業の「反空洞化性」と「成長性」を同時に定量分析に取り込んだつもりです。
具体的な内容は、日経STOCKリーグのサイトにも掲載されています。
この指標は最初のうちずっと、先生に何度も「わからない」「おかしい」と評価され続けていたのですが、だけど挫けずに試行錯誤を繰り返して改善していった、私たちのオリジナル指標です。
今回の審査でもその内容を理解・評価していただけたことが、本当にうれしかったです。
会計学の実践が実を結んだということかな?
うーん・・・。
会計の数字を見ても企業のすべてがわかるわけではありませんので、「会計学の実践」も1つだけではないかもしれません。
だけど、例えば文章の情報と比べたら、はるかに客観的で相対的な評価を下せる道具が会計だということを、3年生の前期で最大限に学んだつもりでいます。
数字を表面的に眺めるのではなく、ただの直感だけに頼って解釈するのでもなくて、数字の背景や意味、内容を厳密に考えながら読み込む。
会計数値の背後にいる経営者の意図を読み取る。
そういう姿勢が、今回の結果につながったと思います。
少しマニアックに学んだ基礎を、自分たちで応用することができたのも、その姿勢のおかげだと思います。
もちろん、実際の企業評価では定量分析だけに頼ることはないと思いますが、私たちは限られた時間内で、大学で学んだことの意義を厳しく試す意味でも、とにかく徹底して定量分析に重点を置きました。
それは唯一の答えとは言えなくても、私たちなりの会計学の実践になったと思います。
それにしても、投資ってすっごく難しそうだよね?
同感です(苦笑)。
特に株式投資と言えばなんとなく、いかがわしいものと思われるかもしれません。
そのわりに株価が変動すると一喜一憂があるみたいですが(苦笑)
それでも私たちは今回の分析を通して、これまで知らなかった日本企業の中に本当にすごい企業、反空洞化・成長企業があることを知りました。
投資にはそれらの企業を応援する意味もありうると思います。
そういう投資なら、例えば自分が好きな製品を作ってくれる企業に投資したり、復興に向き合う企業から商品を買う、という支援にも似ているかもしれません。
資産運用は、将来の年金不安とも無関係でないと聞くこともあります。
私たちはその当事者になるかもしれません。
受賞が決まってから、表彰式や交流会にも出席したんだって?
はい、日本経済新聞社さんと野村グループさんが、中学・高校・大学の各部門から上位3〜4チームを招待してくださいました。
表彰式は大手町の日本経済新聞社で開催されました。
そのときに行われたパネル・ディスカッションで、壇上の審査員の方から、フロアの各チームにその場その場で質問が振られまして・・・
私(大場)も頑張って答えたつもりですが、後で石川先生に「なんだよ、あの答え」と叱られました。
緊張しました(笑)
事前の打合せ無しで振られる質問はすごく高度で、答えるのが決して簡単ではなかったと思いますが、中学生のチームも高校生のチームも即興で考えながら鋭い答えを返していました。
それが本当に…すごかったんです…。
日本でトップの超エリートのみなさんだと先生から聞きまして・・・道理ですごいと思いました。
大学部門で1位のチームの受け答えも見事で、素晴らしかったです。
日経STOCKリーグ表彰式&懇親会(こちら)
表彰式の後日、野村グループ大手町本社で開催された交流会でもレポートの内容を紹介、プレゼンテーションする機会をいただきました。
ここでも、野村グループの社員の方々や他校・他大学のみなさんから、たくさんの刺激、学びを与えていただきました。
みなさん、とにかくモチベーションの高さと言いますか、鋭さが違うのです。
アナリストのご経験のある社員の方から、「玄人好みの分析!」と評価していただけたことが、とてもうれしかったです。
私たちの選んだ12銘柄のうち、3銘柄がその時点で上場来最高値を叩き出していて、結果としても高い「的中率」だったと教えていただきました。
ありがとうございました!
とても充実した様子が伝わってくるよね!!
周囲から受ける刺激ってすごいパワーになるよね!
明日のインタビューもお楽しみに♪
〒047-8501
小樽市緑3丁目5番21号
アクセスはこちら
Tel:0134-27-5206(代表)
kouhou*office.otaru-uc.ac.jp
(「*」を半角に変えてお送りください)
©2010 Otaru University of Commerce.