5月になって、新しい環境にも慣れて疲れがたまってきたころではないかな?
今日は一般教育等の杉山成先生に、この時期にかかりやすい「五月病」について教えてもらうよ。
五月病に限らず、こころの健康のためにはどうするのがいいのか、とても参考になるね*
今度は保健管理センターから、みんなの健康についてアドバイスをもらう予定だよ。お楽しみにね!
― この時期には五月病という病気になりやすいって聞いたんですけど、それってどんな病気なんですか。
一般に「五月病」といわれるのは大学新入生や新入社員にみられるもので、急に身体がだるくなったり、やる気が低下して無気力になったりしてしまう現象です。
大学生でいえば、5月から6月くらいの時期は、受験からの解放感や、4月からの生活環境の変化と忙しさによって疲労がピークになってくる頃で、そうした蓄積された疲労が一気に心身の症状として現れてくるのです。
― 五月病を乗り切るにはどういうことに気をつければいいんですか。
基本的には心身の疲労を取り除くことが大事。でも、疲れたからといって大学を休んで家に閉じこもっていると、生活リズムが崩れて昼夜逆転の生活になってしまいがちです。そうすると、朝起きて授業に出るのがさらに辛くなり、サボりがちになってしまったりするので要注意です。日常生活のなかでストレスをうまく処理し疲労を取り除いていくことを目指しましょう。
― 具体的にどうやったらいいんでしょう。
疲労に巻き込まれないようにするには、心身の状態を客観的にとらえ、ストレスや心配事を自分と距離をおいてとらえてみることが必要です。友だちや家族に率直に悩みを相談するのももちろん有効ですし、日記や手帳にそのときどきの気持ちの変化を記録していくのも効果的です。私自身は最近「坐禅」にはまっています。姿勢と呼吸を整えていくなかで、些細な心配事が消えていき、自分本来の時間の流れに戻るような感覚があって、なかなか面白いものですよ。
もっとも手軽な方法としては腹式呼吸がいいでしょう。肺ではなく、お腹(おへそのちょっと下)で呼吸をする感じで、鼻で息を3秒間吸い、お腹に2秒間ため、10秒以上かけてゆっくり口から吐き出します。このときに息と一緒に心のなかの心配事を一気に吐き出すというイメージを持つのがコツです。これだけでも心がすっと落ち着き、ストレス解消の効果があります。
― それでも問題がうまく解決できない場合はどうすればいいんでしょう。
自分の気持ちを整理するだけでは解決できない問題もあります。そういう問題にぶつかっていくことで人間としての強さや粘りが作られるという面もありますが、自分なりに頑張っても全くうまくいかない、解決の糸口も見つからない、というようなときには、3号館4階の「学生なんでも相談室」を利用してください。皆さんが問題を乗り越えられる方法について一緒に考えていきます。
月曜は杉山、水曜は臨床心理士の秋谷博夫先生、金曜も臨床心理士の今井智香子先生が相談を担当しています。「なんでも」とあるように、いろいろな相談を受け付けており、場合によっては他の機関や教員を紹介しますので、「こんなことを質問してもいいのかな?」という心配はいりません。どうぞ気軽に立ち寄ってください。
― 杉山先生、どうもありがとうございました!
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