ところどころ地面に雪が見えはじめた今日この頃
これから一気に雪景色になっちゃうのかな
寒さに負けずに頑張っていこう!
そんな今日はBarrel2800件目インタビュー!
企業法学科の河森先生の登場だ!
論文のタイトルは河森, 計二(2006) 生命保険金請求権の特別受益性. 生命保険経営, 74(2): 103-127
インタビューの一部を紹介するね!
◇ ◇ ◇
Q:登録2800件目の論文「生命保険金請求権の特別受益性」は、どのような内容ですか?
簡単にいうと、最高裁判所が、被相続人が残した生命保険金(財産)の取り扱いについて、民法の相続(財産分与)の規律とは原則別個のものと判断したことに対して、生命保険金は原則相続法の規律に服すべきであると論じたものです。
たとえば、兄弟が数人いたとしましょう。
借金などの債務を負っていた者が死亡して相続が開始したとします。
債務の引当となる相続財産がなく、生命保険金だけが唯一の財産であった場合、生命保険金を相続法の規律と原則別個のものと扱うことになると、生活に困窮する相続人の救済をはかれない結果となります。
この点、遺族の生活保障という機能を持つ生命保険においては、原則として民法の相続法の規律によらなければ問題があるということを説明したかったということです。
相続時、被相続人へ特段に寄与した相続人に対してより多くの遺産配分を求めるケースが多く、生命保険も特に寄与した者が受取人に指定される傾向にあります。
相続財産と生命保険金が最初から別個のものというスタンスに立つと、保険金受取人が相続財産における寄与分の二重取りという極めて不公平な事態を生む可能性が残ることが問題の一つとしてあります。
Q:Barrelに掲載された文献をどのような人に読んでもらいたいですか。
今回掲載いただいた論文は、もともと実務家を読み手として書かせていただいたものなので、対象が狭くなりがちですが、保険は身近な存在ですから、大学生や大学院生の皆さんにも読んでいただきたいです。
第一に、図書館の情報は大学生の「財産」ですからね。
誰でも生命保険に加入すると思うので、希望としては、専門家だけではなく、保険に加入するとき、さて、誰に保険金を受け取らせるかとお考えの方に読んでいただきたいですね。
そうすれば様々な問題があることに気がつくことでしょう。
ただ、法律用語のほか、保険については特有の専門用語が多いので、取り付きにくい部分があると思います。
元々は専門家を対象として書いており、素人向けに平易な言葉に直すと意味が曖昧になる恐れがあります。
一方、あまり専門用語を用い過ぎると一般の方たちが読めなくなってしまうというジレンマを抱えて・・・そこは難しいですね(笑顔)。
商法の中で論じられていた専門家の学説や最高裁の判断等が今後どのように動いていくのか非常に注目されているところであり、消費者保護に関連して保険でも契約者保護に関する条文が数多く付加されましたので、一般の方向けに平易な解説書も書くつもりです。
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河森先生からのオススメ入門書も紹介されているからチェックしてみてね!
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