秋も深まりすっかり寒くなってきたね
急激な温度変化に負けて風邪などひいてないかな?
さて、今日はBarrel登録2600件目、言語センター副島先生の論文についての紹介!
タイトルは『副島, 美由紀 (1993) 「無邪気さ」という装い : ブリギッテ・シュヴァイガーの作品世界. オーストリア文学, 9: 37-44』
副島先生のインタビューの一部をお伝えするよ!
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Q:登録2600件目の論文「「無邪気さ」という装い : ブリギッテ・シュヴァイガーの作品世界」は、どのような内容ですか?
1968年に日本で学生運動や女性解放運動が始まったのと時を同じくして、ドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)でも女性作家が現れはじめました。
この論文で取り上げた作家ブリギッテ・シュヴァイガーはオーストリアの女性作家であり、父は高名な医師である名家に生まれました。
幼い頃から家の名誉を守り、良き市民であり良きキリスト教徒であることを強制されて育ったシュヴァイガーですが、医学を学びにウィーン大学へ入ったころから、医学は自分を幸福にはしないと気づくようになりました。
医学を離れた彼女は、4冊の回想録を若い女性の視点で執筆し、その中で、社会的秩序に縛られた子ども時代の記憶や、外国人への偏見に満ちた村の様子を赤裸々に描きました。
幼い頃の躾けを「すべて子どもだましであり、トリックだった」、また「ファシズムのやり方と同じだ」として、社会への強い批判を含んだ彼女の作品は、斬新であると評価される一方で、「国の面汚しであり密告者の視点」と批判されたり、「子どもの視点はあまりに通俗的」「日常的すぎてドラマが無い」「分析力に欠ける」などと、様々な酷評を受けました。
しかし私は、シュヴァイガー作品が、子どもの視点による回想を交え、若い女性が見たままの日常を描いているという斬新さを持っており、それが何より重要であると弁護したかったのです。
また、私より以前には彼女について研究している人がほとんどいなかったので、是非研究してみたかったのです。
残念ながら、ブリギッテ・シュヴァイガーの作品は日本では翻訳されていません。
やはり、まだ日本では、子どもや若い女性の視点から見た作品は低く見られがちなのと、シュヴァイガーの作品には社会批判の毒がありすぎるせいなのでしょうね。
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他にも現在の研究についてや、Barrelに掲載された文献をどのような人に読んでもらいたいかなど副島先生情報が満載!!
詳しいインタビューはこちらから!
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