2014/11/22 「雪」について考えてみた
先日の大雪で、一度はすっかり雪景色に変わった商大のキャンパスだけど、
白く降り積もる雪って、時にはとてもロマンチックで、素敵だよね。
雪かきに追われる毎日は、大変だけれどね!
ところで、「雪」と一口に言っても、その様態は様々で、その雪の
異なったさまを表す言葉にも、いろいろあることを知っていたかな?
まず、雪にも大分類として、(1)「降ってくる雪」(降雪)と、(2)「積もっている雪」(積雪)が
あることはわかるよね。
雪国、青森出身の太宰治の小説、『津軽』の冒頭には、
「津軽の雪、こな雪、つぶ雪、わた雪、みず雪、かた雪、ざらめ雪、こほり雪」と
書かれているんだ。
ざっと数えると、「七つの雪」があることがわかるね。
ところが、その小説「津軽」の中では、それぞれの雪がどのような雪なのかは
一切説明されていないんだ。
でも、その『七つの雪の名前』を並べた後に、「東奥年鑑より」と出典が示されているんだよ。
そこで、当時の『東奥年鑑』(1941年;昭和16年)を調べてみると、
雪の種類として、こんな記載があるんだよ。
「積雪の種類の名称」
こなゆき:湿気の少ない、軽い雪で、息を吹きかけると、粒子が容易に飛散する
つぶゆき:粒状の雪(霰を含む)の積もったもの
わたゆき:根雪初頭及び、最盛期の表層に最も普通に見られる綿状の積雪で、
あまり硬くないもの
みづゆき:水分の多い雪が積ったもの、または日射暖気のため、
積雪が水分を多く含むようになったもの
かたゆき:積雪が種々の原因のもとに硬くなったもので、根雪最盛期以後、
下層に普通に見られるもの
ざらめゆき:雪粒子が再結晶を繰返し、肉眼で認められる程度になったもの
こほりゆき:みずゆき、ざらめゆきが氷結して、硬くなり氷に近い状態になったもの
(最初の4つが「降雪」、後の3つが「積雪」の名称とされる)
では、この「7つの雪の種類」には、どんな信憑性があるのかな?
…と思って、さらに調べてみたんだよ。するとこんな事実が出てきたよ。
昭和15年3月に「樺太・北海道・東北六県・気象協議会」が開催されたんだ。
こちらは北日本の協議会であり、ここで雪の調査を行う事が決定されたんだ。
けれども調査をするにあたり、まず雪の名前がなければ不便だね。
そこで、この協議会の後、「東北地方の気象台・測候所が協議して」、
雪の名前を決めたそうなんだ。
そして翌年の昭和16年に行われた雪の調査結果報告によると、
その雪の名前として「東北地方の気象台・測候所が協議して定めたもの」が
使われていて、これが「津軽の七つの雪」と全く同じものだったというわけなんだ。
(けれど、現在では、また別の呼称が用いられているようだね。「Wikipedia参照」)
ちなみに、他の国では「雪のこと」を、どのように受け止め、どういう種類の名前が
あるかを調べてみるのも楽しいかも…。
かつて、カナダのエスキモー(イヌイット)の人たちは、雪を表す言葉が、200種類、
400種類、あるという話しを聞いたこともあるけれど、信憑性はどうだろう?
“The Eskimos had fifty-two names for snow.”
これは、「エスキモーは雪をあらわす52の呼び名を持っていた。」
という意味で、カナダの女流作家マーガレット・アトウッド(Margaret Atwood)の
言葉なんだよ。彼女は、現代のカナダを代表する作家の一人。
“I read once that the ancient Egyptians had fifty words for sand &
the Eskimos had a hundred words for snow.”
こちらは、「古代エジプト人は砂をあらわす50種類の言葉を持っていて、
エスキモーは雪をあらわす100種類の言葉を持っていたと読んだことがある」
と言う意味で、アメリカの男性作家ブライアン・アンドレアス(Brian Andreas)
が言った言葉なんだ。
興味がある人は、その信憑性を問いつつ、調べてみるのも面白いかも。
最後にもうひとつ、
「雪は天から送られた手紙である」
この言葉は、北海道大学の中谷宇吉郎博士の言葉で、博士は世界で初めて人工雪を
作ることに成功し、それにより雪の結晶の形を決めるのは「温度と水蒸気の量」であることを
発見した人なんだ。
「雪」は「天から送られた手紙」=「Love letter 」かな?
さて、明日はどんな雪が降るのだろう。
なんだか、雪降りも楽しみになってきたね…!?