カレンダー

<   2011年9月   >
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

アーカイブ

2011/9/14Barrel収録文献4000件目インタビュー!!

平成23年7月22日に、小樽商科大学学術成果コレクションBarrelの収録文献が4000を突破したよ!

 

記念すべき節目の4000件目の論文は、経済学科の江頭進先生による、 江頭, 進(2006) ハイエクの人間像. 大航海, 61: 138-147でした。

 110914barrel1400-1.jpg

これを記念して図書館で江頭進先生と和田館長、杉田学術情報課長と対談していただいたよ。その一部を紹介するね!

 

****************************************

 

【館長】栄えある4000件目の登録対象となった論文「ハイエクの人間像」の内容について教えてください。

【江頭先生】この論文は、ハイエクという20世紀の経済学史上、影響力が強かった経済学者を取り上げました。

ハイエクは、個人の自由主義を非常に重要視し、さらに経済学の中での人間の定義みたいなものを大きく変えるきっかけになった研究をしたのですが、その中で取り上げられている人間というのはどういうものなのかということに焦点を当てて考えました。


ある程度の合理性を持って合理的な判断を行って選択をするというのは人間の一般的な定義です。

ところが、ハイエクというのは個人の選択は非常に重要だという話はするんですけど、その選択が正しいかどうかというのは全然保障されない、むしろ間違っていることが多いと言っています。

人間というのは常に間違えて正しい判断はできない存在だが、それでも、なぜ人間の自由というのは保障されなくてはならないかという話をするんです。


それがケインズなんかだと逆で、ケインズは、人間は誤りやすいとしているところはハイエクと同じで、一般の個人や企業の能力は限られているということを前提として、だからこそ政府が面倒をみる必要があるとしました。

 

ハイエクはその部分はケインズとは対照的で、そういったことをケインズとの対比を使いながら説明したのがこの論文です。

 110914barrel1400-2.jpg

【館長】今の研究について教えてください。

【江頭先生】いろいろとやっています。ハイエクの研究は続けていて年に1回くらいはアメリカのスタンフォード大学やウィーンのザルツブルク大学に行って、資料を収集しています。
研究の重心は今はもう少し広がっていて、ハイエクの議論の中にもあるのですが、自生的秩序が我々の社会のルールの基本になるという考え方をもう少し真面目に考えてみようと。


本当にそんなルールができて人の行動が法の支配のもとでコントロールできるようになるのかということに少し疑問があったので、実際に最近はコンピュータのシミュレーションを使ってコンピュータの中の人間を動かして、いろいろなパターンを調査するという研究を行っています。

 

****************************************

 

江頭先生ありがとうございました!

対談の詳しい内容については、こちらを見てね!

 

図書館では先月末までフリードリッヒ・ハイエク展を開催していたね。これを機にハイエクに興味を持ってくれた人はぜひ論文も読んでみてね。

    

ページの先頭へ