3月まで地域連携コーディネイターとして活躍された富樫さんにインタビューしたよ!
今日は地域連携コーディネーターとして2年間小樽商科大学ビジネス創造センターで勤務し,4月から小樽市役所に戻られた富樫さんにインタビューしたので紹介するね!特にマジプロではお世話になった人も多いんじゃないかな?
それでは富樫さん,よろしくお願いします!
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Q.小樽商大での2年間はどんな仕事をされていたんですか?
よく聞かれることですが、いつも返答に困ってしまいますね(笑)。
地域連携推進コーディネーターという名のとおり、地域活性化につながるような取り組みを支援するため、地域内で連携・協力体制をつくるお手伝いをしていました。
会議や打合せの日程調整や、場所や資料のセッティングはもちろん、レジュメを作るなど一通りのことは行います(必要に応じて食事や懇親会の手配なども行います)。
仕事は主にプロジェクトベースで、定型の仕事がほとんどありません(!)。ほとんど一から(あるいはゼロから)のスタートなので、関係者とのディスカッションで方向性を確認し、漠然とした仕事のイメージがつかめたら、見切り発車といっていい勢いでスタートしてしまいます。
なぜならプロジェクトの先進性が高いほど、また関係者の熱意が高いほど、スタートの意思決定にはスピードが要求されるからです。
スタート時に確認することは、プロジェクトが地域活性化に資するか、関係者に熱意があるかの2点のみで、この時点では多くのことが謎に包まれたままです。
また、スタートの意思決定と同時に、何があってもゴールをする責任も生じますので、楽天的でないと務まらなかったかも知れません。
本音を言えばいつもドキドキの連続でした。
ただ、ドキドキしながらも待つ性分ではないので、プロジェクトを円滑に進めるため、次の4つの活動を行いつつ気を紛らわしていました。
①情報収集
TV・新聞・インターネットなどで情報収集をしますが、それだけでは人的なネットワークが生まれないので、市内で開催されるまちづくり関連イベントには、できるだけ足を運ぶようにしてきました。
・他の地域での先駆的な事例や成功・失敗事例(小樽に当てはめて分析します)
・主に市内における活動事例や活動主体(企業・団体・個人を問わず)
②広報活動
本学が関連する活動であれば、依頼や関与の有無に関わらず、報道機関に情報提供してきました(教職員・学生問わず)。大学を正しく評価してもらいたいという思いからでしたが、地元の評価が高まっていくにつれて、渉外活動が円滑に運ぶ嬉しい副産物もありました。2012年に本学が100周年を迎えることを意識しつつ、実は最も力を入れていた活動でもあります。
・ズバリ地域がテーマとなっているもの
・一見すると無関係でも地域の課題解決に関連ありそうなもの
③渉外活動
情報収集と同様ですが、メールや電話でやり取りするのではなく、できるだけ足を運んで面談するようにしていました。交渉テクニックに走るのではなく、本音で語り本音を聞き出すという、極めてオーソドックスな手法でした(難しいことを考えるのが苦手ということもあります)。もちろん、「小樽商大」という大看板があったからこそ、渉外活動がスムーズに運んだのは言うまでもありません。
④企画運営
プロジェクトを進めていくうえで、プロモーション活動も兼ねて、イベントなどを企画することがあります。会場の予約やレイアウトの決定、資材の準備やスタッフの役割分担の決定、やむを得ず司会をすることもありました。企画運営といえば格好いいですが、準備不足などで関係先にはずいぶん迷惑をおかけしたので、この場を借りてお詫びしたいと思います。イベントが成功したかどうかは皆さんの判断にお任せします。
Q.小樽商大で勤務して,商大生・小樽商大のイメージは変わりましたか?
着任当時に「商大くんがいく!」でお話ししたとおり、優秀な学生が多く就職に強い一方、地元からみると敷居が高いイメージがありました(その時の記事はこちら)。
実際に本学で勤務してみると、教職員も学生もさまざまな形で地域に貢献していることがわかり、単に相互理解が不足しているだけだとわかりました。
実際に皆さんがやっていることを、ほんの少し一体感をもって見せるだけで、地元のイメージも変わるに違いないと思い、積極的に情報発信を行ってきたつもりです。
仕事がら色々なお立場の方とお話する機会がありますが、「最近は商大さんも頑張っているね」などと声を掛けられることが増え、少し誇らしい気持ちになると同時に、地元とのつながりが増えてきたと感じています。
学生もどんどん活動的になっていますので、地元に応援してもらえる環境をプラスに、色々なことにチャレンジ(実験?)してもらいたいですし、こうした経験を今後に活かしてもらいたいです。
社会的な成功を収めた暁には、本学や小樽市に還元していただけると、なお有難いのですが(笑)。
Q.小樽商大での一番の想い出は何ですか?
小樽市と小樽商大の連携事業には、企画から運営まですべて関わっていますが、一番想い出になったのは「マジプロ」でしょうか。
大学の正規の授業であるにも関わらず、行政から継続的に課題提供してもらう仕組みは、かなり先進的であったと思いますし、何より地元にスムーズに受け入れられたことが嬉しかったです。
もちろん、キャリア開発部門の先生方の長年のご労苦が、授業化という結果につながったのだと思います。小樽市との包括連携協定締結というタイミングと重なったことで、マジプロのスタートに立ち会うことができたこと、関わることができたことは幸せだったと思います。
Q.今後は小樽商大とどう関わっていきたいとお考えですか?
残念なことに後任がいないため、コーディネーターという業務を引き継ぐことはできませんが、大学と市をつなぐパイプ役として尽くしたいと思っています。
今後は市側へと立場は変わりますが、地域への思いは仕事を離れても変わりませんし、これからも商大を応援し続けたいと思っています。
市職員としては業務に専念する義務がありますが、市での業務にもプラスになると思いますので、大学との関わりと業務を両立させたいと思います。
学生のみなさんも学業だけでなく、部活動やサークル活動、アルバイトなどさまざまな活動を両立させているので、大人として負けるわけにはいきません。
Q.最後に,商大生・小樽商大にメッセージをお願いします!
2年間という短い期間でしたが、齢40を迎えるにあたり、良い刺激をたくさんいただきました。来年は商大も100周年を迎えますので、こうした節目を地域としてもチャンスと捉え、大いに盛り上げていきたいものです。
諸先輩方が積み上げた100年という歴史の重みを感じつつ、次の100年は皆さんで新たな歴史を作り上げてください。
これから皆さんが経験するだろう失敗も、いつかは成功の糧となるでしょう。
キャリアアップした皆さんが小樽を思い出し、いつか僕を助けてくれることを期待して、この地でずっと待っていたいと思います。
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富樫さん,ありがとうございました!
そして,2年間小樽商大でのお仕事お疲れ様でした!
ますます小樽市と小樽商大が様々な点で協力していけたらいいですね。
これからも,よろしくお願いします!!