Barrel3000件目は中村先生の論文でした!
メリークリスマス!!
雪がシンシンと降り積もるクリスマス
北海道ってやっぱりいいな~って思える一コマの1つだよね!!
さてさて、本日は記念すべきバレル3000件目は中村秀雄先生と和田健夫館長との対談です!
論文のタイトルは中村, 秀雄(2008) 国際取引契約書:修正のキーポイント(9). 国際商事法務, 36(6): 808-818
◇ ◇ ◇
【館長】:【3000件目の論文「国際取引契約書:修正のキーポイント(9)」は、どのような内容ですか?
【中村先生】:「国際取引契約書:修正のキーポイント」は、この(9)を含む12の項目をシリーズとして連載し、完結後に加筆・修正を加えて1冊の本として刊行しております。
国際取引で英文契約書を取り交わす際、最初から全て自前で作成していくのは大変です。
また作ったとしても、受け入れてもらえないこともあるでしょう。
といって相手の作成した契約書をそのまま利用するのでは自分に不利になりかねません。
過去の定型的な雛型が用いられる場合も多いのですが、これもそのままでよいという訳には行きません。
といって、相手のドラフトを使いながら、相手に有利な事項を全て否定しては交渉が成り立ちません。
そのようなときに相手方から提示される契約書に対し、ほんの少し修正を加えることで自分に有利な条件にする方法、つまりパワーバランスを自分のほうに上手に引き寄せるためのテクニックを紹介しています。
また、正しい契約書を書くための手法についても論じています。
契約書というのは法律のようなものですから、責任が曖昧になるような、どうとでも取れる表現はよくありません。
「これであって、これでしかない」という文章が良いのです。
実際の英文契約書には「これである」けれども、「これでしかない」という風には読めないものが少なくないので、この点についてのアドバイスを盛り込んであります。
さらに作成された契約書を、いかに効率的にチェックできるかの勘どころ、ノウハウも述べています。
そもそも何故この論文を書いたかというと、日本企業の方々の英文での契約交渉力を鍛えるためなのです。
日本の実務家の英文交渉力はまだまだ十分とはいえません。
そうした状況の中で、いかに最大限の力を発揮して国際トレードパートナーと対等にやり合っていくか、そのための技術を開示することがこのシリーズを書いた目的です。
【館長】学生さんたちも、折角来ていただいたのだから・・・ゼミではどんなことをしているのですか?
【鈴木さん(中村ゼミ)】英語の契約書をみんなで読んだり、そして4年生では実際に国際取引をするのです。(ボールペンを取り出す)
今年は、台湾の企業と協力し、この革巻きボールペンを作りました。
小樽市の総合博物館や朝里クラッセホテルにも置いてもらうことになっています。
小売価格は1000円くらいです。(安い!と一同驚く)
【中村先生】ゼミでは毎年、違う企業と国際取引をやります。
これまでも、ブックバンド、就活手帳、名刺入れ、小銭入れなどを作りました。
図書館でも革の栞など作ってみたらどうですか?
【鈴木さん(中村ゼミ)】4年生では、契約書の書き直しをしたり、英語で契約書を作成したりもします。
品物が実際に形になって出来てくるので、大変やりがいがあって楽しいです。
【大田代理】利益はあるんですか?
【中村先生】そうですね、あることもあります。
利益が出ると卒業旅行の費用として役立てています。
名刺入れを作ったときは、皆で香港の契約の相手の会社を訪問しました。
実際に工場を見学し、品物の製造過程を知ることができました。
キー・ケースを作った一昨年は青島の会社へ行きましたね。
【館長】契約どおり履行されないこともありますか?
【鈴木さん(中村ゼミ)】それは余り無いようですが、契約では代金を、契約時に30%払い、発送3日前に40%、そして納品して検品したのち(3日後)に残りの30%を払うようにしています。
【中村先生】そうすると企業としては、利益を上げたければ、きちんと契約を履行しなければということ、つまり間接的な抑えになるわけです。
なお、取引するのは毎年違う会社です。
そうでないと、学生は契約書を毎年上書きするだけになってしまいますからね(笑)。
◇ ◇ ◇
他にも気になる話題が満載!
続きはこちらから!