今日は,経済学科の江頭先生からの本の紹介だ!
前間孝則著『戦艦大和誕生』(上)(下),(講談社プラスアルファ文庫)
お~,さすがミリオタの江頭先生だねっ....と思ったけれどこの本はちょっと違う。この本の主人公は,海軍技術大佐・西島亮二という一人の技術者なんだね。
江頭先生:「この本の特徴は,凄いだの大艦巨砲主義だのってところではなく,その生産工程管理に焦点をあてたところなんだ。この西島亮二って人が凄いのは,日本の造船史上初めて科学的管理と呼ばれる手法を導入したことにあるのさ」
-どのぐらいすごかったのかな?
江頭先生:「西島の徹底した生産管理のおかげで戦艦大和は同型艦の武蔵の半分の工期で完成したんだ。しかも,同じく同型艦の信濃が無理な工期短縮のせいで欠陥製品で,就役後10日で沈没してしまったのとも違って,芸術品ともいえる完成度を誇っていたんだ」
江頭先生:「しかも,武蔵が民間の三菱造船所長崎工場で建造されたのに対して,大和は呉の海軍工廠っていう官営の造船所で作られたんだ。一人の能力のある管理者がいれば民よりも官の方がいいこともあるっていうおもしろい例だね」
なんでも戦後トヨタのカンバン方式を開発し,日本の製造業を世界的に知らしめた大野耐一なんかも西島のところに勉強しに来たそうだよ。
結構分厚くてしかも上下二巻だけれど,その分読み応えがあって,おもしろいよ~。