企業法学科の道野先生が、お薦めの本を紹介してくれたよ。ストレス社会を生き抜く上で必読の本かもね。
渡辺淳一『鈍感力』(集英社)
現代社会はストレス社会。小中学生にまでストレスがたまっている子がいるようで、軽度のうつ病も含め数%はいるそうな。その反面と言うべきでしょうか、怒られ慣れてない人も少なくない時代です。幼い頃に、塾通いなどでストレスいっぱいの子供に、頑張ってるからとその他のことは甘やかして叱ったりしない親が多いのでしょうか。
今回紹介する本は、そのタイトルからして変わってます。普通、鈍感なことが賞賛されることはありませんね。けれども、鈍感であることが1つの能力である、というのです。北海道出身で医師の資格を有する小説家の渡辺淳一氏のエッセー集ですが、要するに、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、鋭いのは悪いことではないが「過敏」になるとよくない、という主張が全編貫かれています。
上司からちょっと小言をいわれてすねてしまうのか会社に出て来なくなる新人が少なからずいると聞いたことがあります。叱られて何も反省しないで(あるいは反省しすぎて)砕け散ってしまうガラスのハートでは社会の荒波に立ち向かえません。落ち込み過ぎは健康にも悪い。反省はしつつも「柳に風」と受け流す「毛の生えた心臓」を手に入れるのに最適な書として、推薦します。