経済学科の船津先生から、おすすめ本を紹介してもらったよ!
荒井一博著「学歴社会の法則 教育を経済学から見直す」光文社新書
さまざまな分野への経済学の応用が進んでいます。教育の経済学は、その中でも、最近注目を集めています。日本の場合には、ゆとり教育の見直し、いじめ問題、学力低下問題など、社会的な関心も高く、従来の教育論議とは違った議論がなされつつあります。教育問題への経済学のストレートな応用には、眉をひそめる向きも多かったのですが、政策的な議論をする場合には、避けて通れません。国際的にも、経済競争力と教育制度の関係が注目を集めており、これから発展していく学際的な研究テーマの一つだと思います。
この分野で数多くの業績のある著者ならでは、興味深い主張がコンパクトにまとまっており、一読を薦めます。英語教育をめぐる議論などは、共感できる部分も多くありますが、他の分野を学んでいる人が読むと、どういう感想になるのか聞いてみたいところです。