企業に提案する授業の「中間報告会」第3弾。今日のテーマは、中央バスが運営する「天狗山ロープウェイ」と「散策バス」なんだって。早速授業の報告を聞いてみよう!
ピーンと張りつめた緊張感がただよっていた先週の授業とはうってかわって、和やかな雰囲気で質疑応答が行われた。中央バスの奈良さん(散策バス担当)と木村さん(天狗山担当)の人柄だろう。「その点は当社も課題としているので、是非つっこんで考えてみてください」「どんなイベントがあると魅力的だと思いますか?」といった質問に答えているうちに、問題の解決策の方向性が見えてくる。聞いていた学生からも「発表に対して会社の人のコメントが次の解決策のヒントにもなるような具体的なものだった」という感想があった。
さて、天狗山ロープウェイの最大の売り物は「景色」だ。夜景は、函館や札幌の藻岩山と並んで北海道の三大夜景の一つでもある。しかし、これを知っている人が少ないことがわかった。最大の資源である景色をいかにアピールするかが一つの課題だ。
また、紅葉が終わった11月は閑散期であるため、目玉となるイベントが少ない。シマリス公園のリスも巣に入ったまま出てこないため閉園中。ここで使えそうなのが「天狗の博物館」だ。意外と知られていないこの施設をアピールすれば、顧客満足を高めることができるかもしれない。中央バスの木村さんからも「若者うけするような天狗のキャラクターを考えてください」という具体的なお題をいただいた。
5チームの発表がおわると、次は、小樽の観光スポットをむすぶ散策バスにテーマが移る。さすがバス会社だけあって、運転手さんの接客態度は良好という調査結果が出た。レトロバス「ロマン号」も雰囲気があってよいとの声。問題は、観光バスとしての特色をいかに出すか。つまり、「普通のバス+アルファ」となる付加価値をいかにつけくわえるかが課題だ。
キーワードは「情報」。「車内で観光施設についてアナウンスする」「わかりやすいコース設定にする」「停留所の時刻表をわかりやすくする」などなど。いかに観光気分を味わってもらう工夫をするかを考えなくてはいけない。解決策にも踏み込んだ議論が行われ、何をすればよいのか、各チームも見えてきたようだ。
小樽オルゴール堂や田中酒造を担当するチームはプレゼンを聞いているだけだと思ったら大間違い(実は、各プレゼンの採点をしているのだが)。「他の企業に応用できる情報が多いので自分たちのグループにも生かしていきたい」と、しっかり今回のプレゼンから学んでいるのだ。また、「オルゴール堂、田中酒造、中央バスの発表を聞くことで、小樽の観光全体の問題点が見えてきたかなと思います」とコメントしていた学生もおり、なかなか鋭い視点を持っている。
これで中間報告が終了し、来週からは具体的な解決策を考えることになる。さあ、これからが本番だ!