みんなは「わかる経営学:15歳からの大学入門」をもう読んだかな?
この本は、小樽商大の教員が中心となって「経営学とは何か?」をわかりやすく解説したものなんだ。合計1万部以上の発行部数をあげて、この手の本としてはけっこう売れてるらしいよ。執筆者の一人である近藤先生に紹介してもらったよ。
基本コンセプトは、「高校生でもわかるように経営学を説明すること」。原稿を執筆する際には、札幌手稲高校、札幌旭丘高校の生徒さんたちにチェックしてもらい、わからない点や難しい点について意見をもらいました。
この本の特徴は、地方でレストラン「アルペン」を営む小林社長とその息子の大学生「晴彦君」の会話を中心に話が進む点です。お客さんが減ってきたことに悩む小林社長に対して、大学で経営学を勉強している晴彦君がノートを見返しながらアドバイスをします。
第1章のタイトルは「経営学とは何か」。経営学をザックリ分けると、「戦略論」「マーケティング」「組織論」「会計」の4つになりますが、これらについてサラッと解説しています。
2章は、「方針と計画を定める:戦略論」。どこにチャンスがあるのか、脅威は何かを考えながら、会社の方向性を決めるのが戦略論です。いかに競争相手に勝つ戦略を立てるかを考えます。
3章は、「いかに売るかを決める:マーケティング」です。さまざまなニーズを持つお客さんを区別して、ターゲットを決めるところが大切。マーケティングでは、「何を売るのか?」「いくらで売るのか?」「いかに宣伝するか?」「どこで売るか?」を考えます。
4章は、「人を動かす:組織論」。メンバーのやる気を引き出す「モチベーション」。集団をひっぱる「リーダーシップ」、集団をうまくまとめるための「チームマネジメント」について説明しています。
5章は、「貨幣で会社を見る:会計」です。血液が足りなくなると人間が死んでしまうのと同じ用に、お金が足りなくなると会社も倒産してしまいます。ここでは、アルペンのデータをもとにして、お金の観点から会社を診断する方法をわかりやすく解説しています。
だいたいこんな内容ですが、経営学をまったく知らない人も短時間で、経営学に対するイメージを持ってもらえると思います。また、すでに経営学を学んだ人や、実際に経営に携わっている人が「復習」の意味で読んでもいいかもしれません。値段も1200円と手ごろなので、是非手にとっていただきたいと思います。