2020.03.17
令和元年度卒業生・修了生の皆様へ(公益社団法人緑丘会緑丘会理事長 祝辞)
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。小樽商大の同窓会組織である緑丘会を代表してお祝い申し上げます。
今年の学位証授与式は、新型コロナウイルス感染症の拡大から北海道で「緊急事態宣言」が発せられたことに鑑みて中止となり、また、式後に緑丘会が計画しておりました“卒業祝賀会・緑丘会新入会員歓迎会”も見合わせることといたしました。卒業生諸君の人生の節目であり、社会人としての門出をお祝いする機会を持てなかったことは誠に痛恨の極みであります。
皆さんはこれから社会に出てさまざまな経験を積まれるわけですが、予想もしていない難問と向き合うことも数多くあろうかと思います。課題の発見とその解決が社会人として求められる大事な能力の一つです。今回の式典中止は最初の試練とポジティブに受け止めて社会人としての第一歩を踏み出してください。
皆さんは、今日から小樽商科大学の卒業生として、地元北海道はもとより、全国各地、あるいは海外各国で活躍されることが大いに期待されているわけですが、どこで社会人としてのスタートを切るにしても、グローバルな視点をもって仕事をすることが不可欠な時代になっていることを、まずは、申し上げたいと思います。
新型コロナウイルス感染症の影響で中国や韓国など諸外国からの観光客が激減していますが、北海道経済への影響という点ではインバウンド観光や道産品の輸出など、経済全体に深刻な打撃を与えつつあり、その影響の大きさが懸念されるところであります。改めて、北海道の産業・経済の活性化という観点では、国際的な繋がりが欠かせない時代になっていることを再認識させられています。
この地、緑丘で学び、身に付けた国際性や、育まれた仲間や教職員との強い絆は、社会人としての価値あるアセットとして役立つはずです。
母校は国内最小規模の国立大学であり、どのような会社や団体に入っても、本学の卒業生は、他大学に比べて多くはありません。しかし、少数ながらも、多くの同窓生が様々な分野で活躍しているのは皆さんもご承知の通りです。
小樽商大は昔も今も、量よりは質の学校です。
私は半世紀前に本学を卒業し、国内外の各地で勤務しましたが、その先先で、緑丘の諸先輩と出会い、お世話になりました。小さな学校であるが故の、同窓生の絆の強さは、他大学には無い商大の強みだと思います。
商大生の実社会での高い評価は、昔も今も変わりませんが、商大生は、謙虚で素直、粘り強いと言われています。
入社当時から謙虚に、いちずに働き、素直に先輩の話に耳を傾け、学ぶ姿勢を持ち続けることにより、4,5年後には歴然とした差になって表れる。
私は、そのような同窓生を数多くみてきました。
小樽商大は、そのような素直で気骨あるグローバル人材を育て、世に送り出してきました。
皆さんが激動する時代の中で巣立っていくに際して、社会人として心がけていただきたいことを一つ申し上げます。
それは、どのような職業につくにしても、「正々堂々」と生きて欲しいということです。
残念なことながら、歴史ある大手企業や政府省庁などの公務員の不祥事が後を絶ちません。
皆さんの多くは、民間企業において仕事に就かれると思いますが、企業は利益を追求するのは当然であるとはいえ、道に外れた形で利益を上げ、後から非難されるようなことで儲けてはいけない、そこには、商いとしての「正々堂々」とした大道が必要なのです。
これは、商い以外の仕事、公的な仕事でも同様だと思います。
高潔な倫理観を持ち、公明正大に正々堂々と社会人としての道を歩んでください。自分自身の行動や判断に迷いが出た時には、その行いが天道さまに誓って恥じないものなのか、ご両親にも堂々と話すことができる行いなのか自問自答してみてください。
企業人として働く場合でも、公的な職を得られた場合でも、その組織のために尽くし努力することは当然ですが、常日頃から地域や社会に対する奉仕や貢献という気持ちを強く持っていただきたいと思います。
商大の学則第一条では次のように言っています。
「商大は現代社会の複合的、国際的な問題の解決に貢献しうる広い視野と深い専門的知識及び豊かな教養と倫理観に基づく識見と行動力により、社会の指導的役割を果たす品格ある人材の育成を目的とする」とあります。
品格とは何でしょうか?
マナーなどの外面的なところも大事ですが、それよりも、内面的な品格をこれからの社会人としての経験を積む過程でさらに磨いていただきたいと思います。
他人に対する思いやりや周囲に対する気配り、謙虚で常に学ぶ姿勢を持ち続け、仕事仲間から信頼され愛される人になってください。
商大卒業生の貴重な財産は、大学時代に培われた同窓生や教職員との絆が社会に出た後も続き、世代を超えた強固な緑丘ネットワークがあることだと思います。
その中核に同窓会組織の緑丘会がありますが、皆さんと共に、更なる同窓ネットワークの拡充と母校への支援に力を入れていくことができれば幸いでございます。
最後になりますが、この6年間学長を務められた和田学長に感謝申し上げるとともに、皆さんの洋々たる前途を祝し、ご多幸とご健闘を祈念してお祝いの言葉と致します。
2020年3月17日
公益社団法人緑丘会
理事長 島崎憲明
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