第406号(平成25年11月1日発行)
第406号(平成25年11月1日発行) |
人事異動 |
■人事異動 |
諸報 |
■シニアアカデミー2013を実施 |
■OBS10周年記念講演会・シンポジウムを東京,札幌で開催 |
■学位記授与式(9月卒業・修了)を挙行 |
■短期留学プログラム入学式を挙行 |
■FMおたるのラジオ番組『商大へ行こう!』で教員を紹介 |
■東アジア3大学国際シンポジウムを開催 |
■『最先端のICTを活用したアクティブ・ラーニングの公開』を開催 |
■平成25年度保護者連絡会を開催 |
■国際交流週間を開催 |
■FDコラム |
主要日誌 |
■平成25年 9月主要日誌 |
■平成25年10月主要日誌 |
人事異動
平成25年10月1日付け発令(PDFファイル)
シニアアカデミー2013を実施
平成25年8月26日(月)から30日(金)の5日間,学習意欲の旺盛な団塊・シニア世代を対象とした体験型生涯学習プログラム「シニアアカデミー2013『小樽商大「商学の学び」と小樽探求~歴史,文化,観光~』」を開催しました。
このプログラムは,小樽市との包括連携協定に基づく連携事業として,市の全面的な協力により開催したもので,今回で4回目の開催となり,兵庫や大阪等を含む全国各地から15名が参加しました。
講義には,小樽の歴史,文化,観光に関するものに加えて,小樽商大出身の作家である小林多喜二を取り上げるとともに,講義に関連する内容のフィールドワークを行いました。
プログラム期間中は天候にも恵まれ,フィールドワークでは,小樽市職員のガイドにより小樽市内の歴史的建造物や穴場的な観光スポットなどを見学しました。
受講生からは,「予想以上の有意義な時間を過ごすことができました。これから新たな勉学意欲がわいてきました。」等の感想が聞かれ,小樽商大と小樽市は次回以降の企画も検討することとしています。(総務課)
↑ 小樽運河にて | ↑ 旧日本郵船小樽支店を見学する受講者のみなさん |
↑ 片桐教授の講義を受講する様子 | ↑ 昼食の様子 |
OBS10周年記念講演会・シンポジウムを東京,札幌で開催
OBSは,創立10周年という節目の年を記念して,平成25年8月25日(日)に東京(緑丘会館:池袋サンシャインシティビル57階)で記念講演会を,8月31日(土)に札幌(札幌プリンスホテル)でシンポジウムを開催しました。
まず,東京で開催した記念講演会では,首都圏の本学同窓生やさまざまな大学のビジネススクール修了生(MBAホルダー)など,総勢70名近くの出席者があり ました。文部科学省高等教育局専門職大学院室室長補佐の佐藤昭博氏からの挨拶後,ノースウェスタン大学からクラーク・ケイウッド教授を招いて,「米国におけるコーポレイト・マーケティング・コミュニケーションの近年のトレンド」をテーマにご講演いただきました。講演後に行われたワークショップにおいても, 日米の最新のマーケティング・コミュニケーションについて,活発な意見交換が行われました。
次いで,札幌で開催したシンポジウムでは,北海道におけるビジネスのグローバル化に資することを目的として,テーマを「アジアの成長を“Hokkaido” で捕まえる」と設定。北海道内の企業・自治体が北海道の地域ブランドをどのように高め,また,成長するアジア市場に対してどのように売り込むべきかについて,基調講演,事例報告及びパネルディスカッションを行いました。
ノースウェスタン大学からクラーク・ケイウッド教授より,IMC(統合型マーケティングコミュニケーション=広告,WEB,セールスプロモーション,ダイレク トマーケティングといった情報発信チャネルをいかに統合して効果的な情報発信を行うか)の専門的見地から,地域ブランド構築の秘訣についてご講演いただいたり,タイ国政府観光庁副総裁のサンスーン・ガオランシィー氏,石屋製菓株式会社代表取締役社長の石水 創氏から北海道から見た海外マーケット,海外から 見た北海道マーケットという,インバウンド及びアウトバウンドの取組事例報告がありました。
また,本シンポジウムには経済界,自治体,一般市民及びOBS関係者など約230名の出席があり,パネルディスカッションにおいて出席者から出された多数の質問に基づき,地域ブランドの構築及び海外マーケットへのビジネス展開について,講演者及び事例報告者と共に熱いディスカッションが行われ,盛会のうちに終了しました。
↑ 東京・緑丘会館にて講演するクラーク・ケイウッド教授 | ↑ 札幌のシンポジウムでの事例報告に同時通訳の機器を用いて熱心に聞き入る参加者 |
学位記授与式(9月卒業・修了)を挙行
平成25年9月30日(月),本学大学会館多目的ホールにおいて,学位記授与式(9月卒業・修了)が行われました。
今年度の卒業生は商学部18名,修了生は大学院商学研究科現代商学専攻博士前期課程修了生2名の計20名で,山本学長が出席者一人一人に学位記を授与しました。
学長は告辞の中で,「本学で学んだ,本学のモットーの一つある「実学」を社会に出てからも実践してほしい」と,卒業生・修了生を激励しました。(総務課)
↑ 学位記授与の様子 | |
↑ 学長告辞 | |
↑ 集合写真 |
短期留学プログラム入学式を挙行
平成25年10月1日(火),本学短期留学(YOUC)プログラムの入学式が行われました。
本学短期留学プログラムは,主に本学の協定大学から学生交換協定に基づき受け入れた留学生に対し,原則として英語による授業を行うプログラムで,平成11年度(1999年)から実施しているものです。2013-2014年の短期留学プログラムには,8カ国から25名の留学生が入学しました。
入学式では,山本学長はじめ,和田理事,大矢理事,奥田副学長,穴沢国際交流センター長,関事務局長等関係者が出席しました。山本学長は新入留学生に対し英語で,「さまざまな人々と積極的に触れ合い有意義な一年間を送ってほしい」との式辞を述べられました。
引き続き穴沢センター長からの歓迎の挨拶の後,留学生からの自己紹介及びプログラム期間中の抱負についての発表があり,式は和やかな雰囲気の内に終了しました。(国際交流センター事務室)
↑ 新入留学生集合写真:式終了後,会場にて |
FMおたるのラジオ番組『商大へ行こう!』で教員を紹介
平成25年10月から,地域コミュニティ放送局FMおたるで小樽商大の教員を紹介する『商大へ行こう!』(毎週木曜日14時~14時30分)を放送しています。ビジネス創造センターが担当している学長裁量経費(地域・社会貢献プロジェクト支援)による事業で,毎月1名(計4~5回)の教員と教員の指導するゼミ学生などにインタビュー。前半は当該教員の授業内容や研究テーマ,ゼミを,後半は学生インタビュー。ビジネス創造センターの八木美澄事務補佐員がインタビュアを担当しています。
10月の放送には商学部経済学科の江頭進教授が出演し,経済学の研究,あんかけ焼そば,地域通貨Tarca(タルカ)について語りました。学生インタビューでは“あんかけ焼そば事典”を製作したときのエピソードや江頭教授の人間味あるエピソードが聞けました。地域通貨Tarca(タルカ)について放送した回では,本学地域研究会の宮崎義久学術研究員にもインタビューし,より詳しく伝わりやすい放送になりました。
11月の放送は商学部企業法学科の片桐由喜教授です。ふだんの生活の中で身近な社会保障についての談話に加え,学生インタビューではゼミ1期生(卒業生)や現役のゼミ生に話を聞き,片桐教授のキャラクターや幅広いゼミの伝統について放送します。12月の放送は商学部商学科の加藤敬太准教授で,小樽市内の(旧)岡川薬局でカフェ「COLPEN(カルペン)」を運営していたゼミ卒業生の出演も決まっています。
番組の合間に流れる学生コマーシャルでは,学生の声で商大をアピールしています。放送後はビジネス創造センターのホームページでインタビュー部分のみ公開中です。(ビジネス創造センター)
CBCホームページ→ http://office.cbc-s.otaru-uc.ac.jp/
CBC Facebookページ→ https://www.facebook.com/otaru.cbc
↑ 10月放送分江頭教授 | |
↑ 11月放送分片桐由喜教授 | |
↑ 収録に協力してくれた片桐ゼミ1期生,卒業生,現役生 |
東アジア3大学国際シンポジウムを開催
平 成25年10月4日(金),本学,韓国忠南大学,中国東北財経大学が毎年行っている東アジア3大学国際シンポジウム(後援:北海道,小樽市)を開催しまし た。これは互いに協定大学である3大学が毎年順番に当番校となってシンポジウムを開催するもので,今年で7回目となります。今年は小樽商科大学が開催大学となり,「東アジア諸国におけるマネジメント研究」をテーマとし,忠南大学・東北財経大学等から研究者及び大学院生等9名を招いて実施されま した。
午前の部では,今回初めての試みとして,本シンポジウム を教育の場としても活用するため大学院生や若手研究者の発表の場を設けました。3大学の博士後期課程在学中の大学院生3名がそれぞれの研究について英語で発表,別会場では3大学を修了し,日本・韓国・中国でそれぞれ活躍している若手研究者および社会人3名による研究内容が日本語で発表され,質疑応答が交わされました。
続いて午後の部では,3大学に在職する研究者3名による英語での発表が行われました。中国東北財経大学のワン・シャオリ講師,韓国忠南大学校のロ・ジュンファ教授,小樽商科大学の猪口純路准教授により,テーマに基づきそれぞれの国の実情を背景とした研究のプレゼンテーションがなされました。発表後は,発表者とは別の国籍のコメンテーターがコメントし,それを受けてフロアからは質問が出され,活発な意見交換が行われました。(国際交流センター事務室)
↑ 挨拶をする山本学長 | ↑ 3大学の研究者と大学院生 |
『最先端のICTを活用したアクティブ・ラーニングの公開』を開催
平成25年10月18日(金),213AL教室(AL:アクティブ・ラーニング)において,「最先端のICTを活用したアクティブ・ラーニングの公開」を開催しました。
本学では,平成23年度より,教員による一方向的な講義形式の教育を改善し, 学生の能動的な学修への参加を促すアクティブ・ラーニングの教授・学修法(発見学修,問題解決学修, 体験学修,調査学修等)の開発と専用教室の整備を重点的に取り組んできました。
この度,グループディスカッション,ディベート,グループワーク等が有効に展開できる「AL教室」と,そのサポートを担う「ALサポートセンター」の整備が完了したことを記念した, オープニングセレモニーおよびこれまでの取組状況についての成果報告会等を北海道内の国公私立大学関係者等を招き開催したものです。
公開当日は, 文部科学省高等教育局,北海道内国公私立大学, 地方自治体,小樽・札幌の高等学校,小樽の小中学校,企業,本学同窓会等から総勢110名の参加があり, オープニングセレモニーでは山本学長より,本学のアクティブ・ラーニングの取組は,社会科学大学における教育の質保証に向けた取組であり,こられの成果をひろめていきたいとの抱負が述べられました。
引き続き,文部科学省の鎌塚国立大学法人支援課補佐より高等教育局長からの祝辞をいただいた後,山本学長, 鎌塚補佐,溝田函館大学長,木村北海学園大学長,田村北星学園大学長により,テープカットが行われました。
AL成果報告会では,大津准教授(社会情報学科)および保田准教授(大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻)により,これまでの本学におけるアクティブ・ラーニングの構想とそれに向けた取組について説明があり,また実際の学生の声から,その学習効果と満足度は高いものであるとの報告がありました。参加者からは,アクティブ・ラーニングの教授・学修法や,ICT機器設備について,様々な質問・意見等が寄せられ,活発な意見交換が行われました。
↑ (左から)テープカットを行う木村北海学園大学長,山本学長,鎌塚補佐,溝田函館大学長,田村北星学園大学長 | ↑ 祝辞を述べる鎌塚補佐 |
平成25年度保護者連絡会を開催
平成25年10月19日(土),本学104講義室で1年次生及び3年次生の保護者を対象に「保護者連絡会」を開催しました。
この連絡会は,本学の学生支援の取り組みを保護者に直接説明し,また,保護者が日頃から抱いている疑問に答えることによって相互の連携を強めようと,平成18年度から開催しています。近年は特に就職への関心が高いことから,企業による保護者向けセミナーや学生による就職活動体験報告を行っています。
冒頭で,山本学長から本学のアクティブラーニングの取組や後援会である緑丘会による留学支援制度の紹介があり,学びに積極的であってほしいと挨拶がありました。
参加した292名の保護者は最後まで熱心に耳を傾け,就職活動の体験報告を行った学生には多くの質問が寄せられました。
連絡会終了後にはキャリア支援センター,国際交流センター,学生センターでそれぞれ就職,留学,就学関係の個別相談を実施しました。特に就職関係や留学の相談者が多く,関心の高さがうかがえました。(学務課)
【平成25年度保護者連絡会プログラム】
(1)「有意義な学生生活を過ごすために」
学長 山本 眞樹夫
(2)保護者向け就職支援セミナー「家族で考えよう 就職のこと、進路のこと」
株式会社リクルートキャリア 及川 竜也氏
(3)「小樽商科大学における就職状況について」
キャリア支援課長 富樫 剛
(4)学生による就職支援・体験談「就活について本気だして考えてみた」
Career Design Project(CDP)
↑ 会場の様子 |
国際交流週間を開催
平成25年10月19日(土)から10月25日(金)にかけて「国際交流週間」を開催しました。このイベントは留学生と学生,教職員及び地域の方々が国際理解を深めることを目的に毎年行われています。
初日の小樽市文化団体協議会主催による日本文化体験会をはじめ,「各国文化紹介パネル展」,「日本人学生と留学生によるスポーツ大会」,「商大生協学生委員会による国際交流イベント」,「留学説明会・報告会」,「文化交流会 わたしのお国自慢」,「国際交流パーティ」と多岐にわたる国際イベントが開催されました。
中でも,「商大生協学生委員会による国際交流イベント」では,折り紙や茶道,書道など伝統的な日本の文化を体験できるアクティビティが行われました。言葉の壁がありながらも,互いの言語を使用しようという試みが見受けられ,参加者同士の交流が深まるものとなりました。
10月23日(水),25日(金)の2日間に渡って行われた「留学説明会・報告会」では,国際交流センター職員及び生協職員からの留学に関する説明や教員からの「留学のすすめ」講演の他,留学に行った学生からの帰国報告が発表されました。会場には留学に興味のある学生や一般市民が訪れ,興味深く耳を傾ける様子が見られました。
国際交流週間の最後を飾る「国際交流パーティ」には,悪天候の中,延べ100人以上参加者が集まり盛大に行われました。パーティでは,昨年に引き続きYOSAKOIサークル翔楽舞による演舞が華々しく行われ,またハロウィーンにちなんだ仮装をした参加者も多く,会場の雰囲気を盛り上げていました。約1週間に渡る国際交流週間は,留学生・日本人学生,小樽市民などの交流が深まる場となり,大盛況の内に幕を閉じました。(国際交流センター事務室)
↑ 書道体験の様子 | |
↑ 留学報告会 | |
↑ 文化交流会 |
FDコラム「先生!学生がFDに参加するのはジャマですか? -学生FDサミット2013・夏への参加を通して-」
教育開発センター:辻 義人
「FD活動は教員が担当すべきもので,学生にあれこれ言われるものではない」「授業内容や方針は教員裁量に基づくもので,学生の要望に応える必要はない」「そもそも授業の“改善”と言われるほど,私の授業はひどくない」「学生こそ授業中に私語や寝てばかりで,まじめに勉強する気がないのではないか」「授業改善のアンケートを取っても,ほとんどの学生は回答どころか提出もしていない」「授業にも来ないで,たまに出席しても寝てばかり。そんな学生に私の授業を批判されたくない」
これらの意見は「大学FD活動に関する反論」を集めたものです。これらの意見をまとめると,学生はFD活動の障害となっているように見受けられます。ここでいくつかの疑問があります。
・本当に学生はFD活動の妨げとなっているのでしょうか?
・もしそうなら,教員は誰のためにFD活動を行っているのでしょうか?
・学生は,大学の教育活動の向上に貢献・寄与することはできないのでしょうか?
近年の大学FD活動の重要なトピックとして,FD活動への学生参加が挙げられます。これまで,大学FD活動は,主に教員組織が企画・運営を行ってきました。この取り組みは,大学の教育機関としての意義や成果を考え直すことを目的とした,教員による教員のための活動といえるでしょう。また,近年では,職員による自主研修活動なども行われています。これは,FD(Faculty Development:教員組織の職能向上),ならびにSD(Staff Development:職員組織の職能向上)を合わせて,最終的にUD(University Development:教育機関としての大学組織の向上)に繋がることが期待されます。
ここで,大学全体としての向上を意図したとき,学生の視点を考慮する必要があります。学生のFD活動に関して,2013年8月に「学生FDサミット2013・夏」が開催されました(主催:立命館大学)。参加校は全国から50校以上,参加者は教職員と学生を合わせて450名程度でした。これは,FDに関連するイベントとしては,非常に大規模なものです。
本学からは,学生サークル「商大充」から4名の学生が参加しました。商大充は,大学公式のFD組織ではありません。しかし,これまでに「新入生を対象とした大学生活相談会」「似顔絵コンテスト・プロフィールクイズ」「ゼミ紹介」など,多様なイベントを行ってきました。これらは,いずれも学生視点に基づいたFD活動(大学生活の充実を意図した活動)といえます。本サミットでは,ポスターセッションやシンポジウムでの話題提供を通して,小樽商科大学における学生FD活動の特色を説明してきました。特に,大学公式のFD組織ではなく,学生サークルとしてFD活動を実践している事例は他にありません。この点について,全国のFD組織からの注目が集まりました。
本サミットへの参加を通して,学生は何を学んだのでしょうか。今回は,学生FDサミットのシンポジウムで話題提供を行った学生(商学科2年:T, S君)の意見・感想を紹介します。
↑ 学生FDサミットの様子 |
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【1.学生FDとはどのような活動なのか?】
学生FDとは,学生が自らの立場から大学のあり方を考え,よりよいものにするための活動です。
一般的に大学FD活動は,「大学教員の教育能力を高めるための実践的方法」とされています。現在では,その対象は大学教員のみではなく,大学全体(教員,職員,組織,設備など)にまで広がり,多様な観点から議論されているようです。
学生FD活動は,学生自身が大学のあり方を考え,よりよいものにすることを目的とした活動といえます。しかし,学生FD活動は手段であって,目的ではありません。学生FD活動を行っていることに満足するのではなく,何らかの成果につなげる意識が重要であるように思いました。
【2.学生FDサミットでの発表した内容は?】
ポスターセッションでは「学生サークルとしてFD活動を実践してきた経緯」について,シンポジウム話題提供では「FD活動を継続する難しさ」について発表しました。
サミットは二日間にわたって開催されました。初日は主にポスターセッション,二日目は各テーマに分かれて事例報告を行うシンポジウムです。それぞれのセッションでは,小樽商科大学における特徴的な取り組みを紹介しました。具体的な内容は,以下の通りです。
[ポスターセッション]
ポスターセッションでは,各大学の取組みについてお互いに紹介し,意見交換を行いました。商大充としての活動をまとめ,他の大学の学生・教職員に聞いてもらい,質疑応答を行いました。また,私たち自身も,他大学における活動内容・設立の経緯などを聞いて回ることができました。このセッションを通して,私たち商大充というサークル組織を客観的な観点から見直すことができました。他大学の興味も,どのようにして学生サークルとして活動しているかにあったようです。
[シンポジウム話題提供]
シンポジウム(分科会)は,午前・午後ともに3テーマで開催されました。私たちは,追手門学院大学の企画した分科会「学生FD再考」より話題提供の依頼を受け,「商大充の設立経緯,学生サークルとしての特徴,活動内容,今後の展望」を紹介しました。なお,本シンポジウムでは,主催校の追手門学院大学に加え,小樽商科大学,京都文教大学,徳島大学の活動事例が紹介されました。いずれの組織にも,特有の成果や問題点があることがわかりました。
【3.学生サークルとしての組織の位置づけ】
私たちは,学生サークルとしての活動経緯や成果を紹介してきました。ほとんどの学生FD組織が大学公認であるなか,私たちのサークルとしての活動形態は非常に珍しいものでした。どちらの活動形態においても,メリット・デメリットがあるように思いました。
今回の学生FDサミットの参加校は50校以上ありましたが,そのほとんどが大学主体で設立された公認組織です。その一方,学生が自発的に設立した学生FDサークルは,小樽商科大学と,中国・四国地方の大学1校のみでした(もっとも,その組織は設立間もない状態であり,具体的な活動成果があるのは本学のみといえます)。
学生サークルとしてのFD活動と,大学公認組織としてのFD活動には,それぞれメリットとデメリットがあります。例えば,大学公認組織の場合,どのような企画を行うにも教員FD組織の承認が必要となります。そのため,思いついたことをやってみることが難しく,いわば「腰が重い」環境といえます。しかし,いったん決定した企画に対しては,様々な支援を得ることができます。
その一方,本学「商大充」のような学生サークルは,基本的に企画・実現は自由です。これまで,新入生同士の交流イベントの企画,意見箱を使った「教員の似顔絵コンテスト」「教員のプロフィールクイズ」など,教員と学生との距離を縮める企画などがありました。このフットワークの軽さは,他大学のFDスタッフも非常に注目していました。しかし,サークル形式にはメリットだけではありません。活動に必要な資金や備品の確保,メンバー間での方向性やモチベーションの違い,常に積極的な情報発信が必要となる点など,多くのデメリットや運営の難しさがあることを実感しています。
【4.今後の学生FD活動について】
他大学における学生FD組織との交流・活動内容の紹介は,今後の本学における活動の参考となるものでした。この有意義な交流の機会を与えていただいたことに感謝しています。他大学との交流を通して,学生サークルとしてFD活動に関与している例は少なく,全国的な注目が集まっていることを実感しました。今後の活動として,私たちの出発点「商大での生活を充実させること」を原点に,本学全体を盛り上げ活性化するために努力したいと思います。
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大学生活の充実を目的としたとき,大学での学びに楽しさを感じられるかどうかは,非常に重要なポイントといえます。本サミットを通して,学生の大学に対する期待が感じられました。学生FD活動は,決して無責任に学生が大学に要求するものではありません。教職員組織にはない観点に基づき,大学生活の充実を意図して,できることから地道に活動を開始しつつある組織といえます。当然ながら,大学FD活動と,学生FD活動の視点は異なります。そのため,意見や方針が食い違うことも予想されます。しかし,大学全体の教育の向上には,教職員のみではなく,学生の自由な意見表明も欠かすことはできません。
現時点では,学生FDはスタートを切ったばかりです。まだまだ小さな取り組みに過ぎないかもしれませんが,いずれ学生FD活動は大学FDと連携し,大きな成果を上げるでしょう。本学をはじめ,全国の学生FD活動に携わるスタッフには,将来的なパートナーとして,のびのびと学生FD活動に取り組んでもらうことを期待しています。
平成25年9月主要日誌
平成25年10月主要日誌