シラバス参照

授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2025/03/14 現在

科目名/Subject 英語学特講II
担当教員(所属)/Instructor 於保 淳(商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2025年度/Academic Year  後期/Fall Semester
開講曜限/Class period 水/Wed 3
対象所属/Eligible Faculty 商学部昼間コース/Faculty of CommerceDay School,商学部夜間主コース/Faculty of CommerceNight School
配当年次/Years 2年,3年,4年
単位数/Credits 2.0
研究室番号/Office 於保 淳(1-525)
オフィスアワー/Office hours 於保 淳(Office hours: Thursdas 12:00-13:00 or by appointment)
更新日/Date of renewal 2025/03/05
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
本授業は、理論言語学の中から特定のテーマを深く掘り下げ、言語のルールや構造を理論的に理解するとともに、言語データを分析する手法を学ぶことを目的としています。理論言語学とは、母語話者が無意識のうちに持っている言語の規則や構造を解明しようとする分野です。授業では、受講生の関心を踏まえ、音韻論、形態論、統語論、意味論、語彙意味論、語用論などの中から焦点となるテーマを設定します。

本授業は2025年度の於保ゼミとの連携も想定しています。ゼミ生には特に受講を推奨しており、ここで取り組んだプロジェクトを卒業論文に発展させることも可能です。もちろんゼミ生以外でも、理論言語学や言語分析に興味のある学生は誰でも歓迎です。

以下は、日本語を例として母語話者が持っている知識の例です。
- 音韻論(音のパターンの研究)
外来語では「プ̚リン」「ト̚リオ」のように語頭にアクセントが置かれますが、「ツイ̚ン」「ブル̚ー」など例外があります。
- 形態論(単語の構造の研究)
「高め」「薄め」は自然ですが、「*高いめ」「*薄いめ」は不自然です。一方で「*濃め」は不自然で「濃いめ」は自然です。
- 統語論(文の構造の研究)
「ナオキが自分自身を褒めた」の場合、自分自身はナオキを指しますが、「ナオキの妹が自分自身を褒めた」の場合、自分自身は妹を指し、ナオキを指せません。
-意味論(文の意味の研究)(2023年度の英語学特講IIのシラバスも参照のこと)
「黒い猫が白い犬を追いかけた」と「白い犬が黒い猫を追いかけた」は同じ単語を使っていますが、状況が異なります。
- 語彙意味論(単語の意味の研究)(2024年度の英語学特講Iのシラバスも参照のこと)
「紙を破る/紙が破れる」は自然ですが、「約束を破る/*約束が破れる」は不自然です。
- 語用論(文脈の中での意味の研究)
ナオキ「明日映画見に行かない?」マナ「明日は大雨が降りそうなんだよね。」マナは明確に「行かない」と言っていませんが、行かないと解釈できます。

これらは一例ですが、授業では「なぜそうなるのか」という疑問について、講義、文献講読、言語データ分析、ディスカッションを組み合わせながら考察します。後半では、受講生各自が自ら言語データを収集し、分析結果をfinal paperとしてまとめるプロジェクトを行います。
達成目標
/Course Goals
1. 特定トピックについての専門的知識の習得
- 授業で設定したテーマに関して、基礎的な理論から最新の研究動向までを深く理解します。
- 理論的枠組みが具体的な言語現象の分析にどのように役立つかを、具体的な文献やデータを通じて実感します。

2. 言語データの収集・分析能力の向上
- 文献で学んだ理論や分析手法を実際の言語データに適用し、自らの手でデータを収集し分析する力を養います。
- 自分で設定した仮説を言語データによって検証し、その結果を科学的に説明できるようになります。

3. 学術的プレゼンテーションと論文執筆スキルの養成
- 授業中のディスカッションや中間発表を通じて、自分の研究や分析を論理的かつ効果的に他者へ伝える能力を磨きます。
- 最終プロジェクトの成果を短い理論言語学の論文としてまとめ、論文執筆に必要な論理構成力や表現力を身につけます。

4. 卒業論文やゼミ研究など、他の研究活動への応用力の獲得
- 授業で得た理論言語学の研究手法や分析の経験を、於保ゼミなどのゼミ活動や他の研究活動にも応用できるようになります。
- 特にゼミ所属予定の学生は、この授業での研究成果を卒業論文などに発展させることで、より充実した研究活動を展開できるようになります。
授業内容
/Course contents
01. 概要説明
02. 講読と分析
03. 講読と分析
04. 講読と分析
05. 講読と分析
06. 講読と分析
07. 講読と分析
08. 講読と分析
09. 講読と分析
10. プロジェクトの中間発表
11. 講読と分析
12. 講読と分析
13. 講読と分析
14. 講読と分析
15. 最終発表

注意: 内容は扱うトピックや受講生の数などによって変更する場合があります。
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
事前学修
- 授業で扱う文献をあらかじめ読み、主要な論点や用語を確認しておきます。
- 不明点や疑問点などを、manabaなどで質問・相談を提出してください。

事後学修
授業があった日のうちに復習をし、さらなる疑問点などを明確化し、質問してください。
授業でのディスカッション内容や指摘を踏まえ、疑問点を再調査し、必要に応じて追加の文献を探してください。
最終発表・論文執筆を見据え、適宜データを収集・分析し、分からない点は早めに教員やクラスメイトに相談してください。
使用教材
/Teaching materials
配布資料・ハンドアウト: 授業内で使用する資料や演習問題は随時配布、またはオンライン(manaba)で公開します。

参考文献・学術論文: 授業で扱うメイントピックに応じて、日本語・英語を含む主要文献を紹介します。受講生各自のプロジェクトに合わせて追加的な文献も探索していただきます。
成績評価の方法
/Grading
リーディング課題への回答・コメント提出:25%
演習課題(練習問題など):25%
最終プロジェクト(中間発表・最終発表と最終レポート):40%
授業への積極的な参加・貢献度:10%
成績評価の基準
/Grading Criteria
最終成績は、「成績評価の方法」で示した各項目の合計得点に基づいて決定します。本授業では、以下の基準で成績を判定します。

秀: 100-90 
要求される学習目標を非常に優れた形で達成している。
優: 89-80
要求される学習目標を十分良好な形で達成している。
良: 79-70
要求される学習目標を概ね達成している。
可: 69-60
要求される学習目標を最低限は達成している。
不可: 59-0
求められる学習目標を達成していない。
履修上の注意事項
/Remarks
1. 扱う内容は、受講生の興味を考慮して決定されます。この授業に興味のある方は、7月上旬ごろまでに於保(ohoa@res.otaru-uc.ac.jp)に連絡をください。

2.【重要】この授業の履修を考えている人は、求められる学修レベルを把握するために必ず第1回目の授業に出席してください。やむを得ず欠席する場合は、必ず担当教員に連絡を取ってください。

3. 授業内容は積み重ね式で進んでいくため、一度遅れてしまうと取り戻すのが難しくなります。そのため、授業に出席し、課題をきちんとこなすことが極めて重要です。

4. 講義は日本語で行いますが、配布資料(ハンドアウト)や文献は英語で提供されることがあります。

5.やむを得ない事情で授業を欠席する場合は、当日の午後12時までに必ず教員に連絡してください。後ほど授業の録画を提供します。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない/No
授業実施方法
/Method of class
①面接授業/Face-To-Face class
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class

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