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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2025/03/14 現在

科目名/Subject 財務会計論
担当教員(所属)/Instructor 石川 業 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2025年度/Academic Year  後期/Fall Semester
開講曜限/Class period 火/Tue 3 , 金/Fri 1
対象所属/Eligible Faculty 商学部昼間コース/Faculty of CommerceDay School,商学部夜間主コース/Faculty of CommerceNight School
配当年次/Years 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 4
研究室番号/Office 石川 業(事前にメール連絡をいただき、個別に場所を調整します。)
オフィスアワー/Office hours 石川 業(事前にメール連絡をいただき、個別に時間を調整します。)
更新日/Date of renewal 2025/02/28
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
企業の良し悪しは、なにを根拠にして、どのように評価したらよいでしょうか?

結果としての業績(経営成績・損益)以前に、経営戦略のあり方や製品・サービス等のクオリティが大事かもしれません。資金提供者である株主への還元にも目を向けるなら、配当の手厚さも重要そうです。さらに従業員の立場で考えると、福利厚生費・給料の手厚さに加え、社内の雰囲気、チームワークの良さも大事であるように思えます。

冒頭のような問いに直面するとき、この授業の主題である財務会計が少なくとも1つの方向性を示してくれます。財務会計は、検定や国家試験の試験科目であるよりも前に、企業経営や資本市場の現場で工夫・構築されてきた道具です。財務会計のそういう側面について実感を得てもらうこと、それをこの授業の目的にします。

上記の目的にもとづいて、講義でもまずは財務会計の仕組みを解説していきます。ただ、その「内側」の解説に終止せず、「外側」の現実世界での財務会計の使われ方についても、それに伴う有用性の限界とあわせて紹介します。これらの知識もなしに日常的な直感のみで、企業経営だけでなく会計(数値)までも語ろうとする商大生が1人でも減るようにです。そのためには、ここまでで示唆してあるように、財務会計は道具の「1つ」であるという、過大でも過小でもない認識が重要になります。

この授業はカリキュラム上、「簿記原理」「応用簿記」で得られているはずの土台を前提に、財務会計の基礎(概念)を伝える、という位置づけを想定しながら進められます。これだけでも重大な役割ですが、それに加えて2年生以上が履修できるほかの財務会計系(さらには管理会計系)の発展科目への橋渡し・連動も意識されています。

授業の方法・進め方としては講義形式が採られます。とはいえ、履修者のみなさんからの発言・コメントや教員との対話にウェイトを置いた進行も検討しています。その一方、成果が曖昧になりやすいグループ・ワークは意識的に避けて、履修者のみなさん各自の取組み(努力)が最大限に尊重・評価されるよう工夫します。
達成目標
/Course Goals
他大学等の状況もふまえると、類似した名称の科目では一般に、財務会計に関する法令や基準の解説が行われるというのが通常であるようです。しかしそこで得られる知識を活用できるのは、せいぜい検定・国家試験の受験(者)までにとどまり、とくに民間企業に勤める人たちにとっては、それほど役に立つ講義ではなかったかもしれません。

そこでこの授業では、どんな進路を考えている学生さんであっても、会計関連の記事等を的確に理解したり、自ら会計情報を確認しながら企業評価(財務分析)にも着手していけるようになってもらえること(そのための基礎を提供すること)を、より具体的な達成目標とします。これによって講義の意義(役立ち)が、拡大しやすくなると考えています。

なんらかのマニュアルに従って会計数値の大小を論じたり指標を解釈することは、多くの人たちにとって達成可能ではあっても、相当に機械的な作業・判断につながりやすくなります。対して、そこに財務会計の基礎概念の裏打ちや駆使を伴わせることができるかどうかが、そこでの作業・判断の実質と成否を大きく左右します。だからこそ、ここでは履修者のみなさんの自発性を重視した目標が設定されています。
授業内容
/Course contents
1.イントロダクション、財務会計の全体像
2.財務会計の基本構造(1)
3.財務会計の基本構造(2)
4.財務会計の基本構造(3)
5.財務会計の情報提供機能(1)
6.財務会計の情報提供機能(2)
7.財務会計の利害調整機能(1)
8.財務会計の利害調整機能(2)
9.利益計算の基礎概念(1)
10.利益計算の基礎概念(2)
11.利益計算の基礎概念(3)
12.利益計算の基礎概念(4)
13.利益計算の基礎概念(5)
14.ここまでのまとめ
15.棚卸資産(1)
16.棚卸資産(2)
17.有形固定資産(1)
18.有形固定資産(2)
19.無形固定資産と繰延資産
20.金融資産(1)
21.金融資産(2)
22.資産の減損(1)
23.資産の減損(2)、引当金(1)
24.引当金(2)
25.引当金(3)
26.税効果会計(1)
27.税効果会計(2)
28.その他の論点と財務会計の基本構造
29.財務分析の基礎(1)
30.財務分析の基礎(2)
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
この授業の目的・目標は上述したように、会計関連の記事等を的確に理解したり、自ら会計情報を確認しながらの企業評価(財務分析)にも着手するというタスクを、履修者のみなさんの必要に応じて成し遂げられるようになってもらうことです。

その目的・目標に照らして、次のことを【事前学修】として期待します。

・どういう企業に魅力を感じるか、それはなぜか、その企業を取り巻く環境はどのようであるか、業績はどうなっていると推定できるか…といった、特定の企業についての事前のイメージを、できるかぎり明確にしてくること(そのためには、日常的な「アンテナ」の張り方と、それによって得た情報のふまえ方、そして、それらを支配する自分自身の個性・関心・好みのあり方を、広く意識していく必要があります)。

また、授業のあとには、次のことを【事後学修】として期待します。

・これまで得てきたほかの専門科目の知識も総動員しつつ、会計数値に目をとおすことができるようになっているか否かを確認すること(会計の理解は、経済全体や企業経営に関連する他分野についての理解があってこそ、いっそう深まります)。
・授業を受ける前の自分と比べて、特定の企業に対する見方が変わっているか否かを、その理由とあわせて確認すること(将来の自分の「居場所」までイメージしながら確認できると、より望ましいです)。
使用教材
/Teaching materials
担当教員が作成する資料をもとに授業を進めます。
成績評価の方法
/Grading
満点を100点として、次の配点により評価します。

・45点:およそ講義5回に1回のペースで課される課題(重要とみられる講義内容の要約と、それにもとづく自己の見解のまとめ)

・10点:理解度確認クイズ

・45点:期末試験

・ +α :受講姿勢や、自分で自分を成長させるための工夫、etc…
成績評価の基準
/Grading Criteria
秀(100-90):財務会計論を、柔軟・誠実な姿勢で、よく理解した。
優(  89-80):財務会計論を、柔軟・誠実な姿勢で、ほぼ理解した。
良(  79-70):財務会計論を、よく理解した。
可(  69-60):財務会計論を、ほぼ理解した。
不可(59- 0):上記以外。
履修上の注意事項
/Remarks
この授業の内容は、「簿記原理」「応用簿記」履修済みを前提としています。
階段上に並べられている科目の序列つまりカリキュラムの趣旨を尊重していただくことが、高度で盤石な学びにつながります。

それ以外のことは、初回の講義でお伝えします。

この授業の履修を検討していただけるかたには、初回の講義の聴講を「強く」おすすめします。欠席しても仕組み上は履修が可能ですが、なんとなく履修しても意義を大きくできる、というタイプの授業ではありません。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない/No
授業実施方法
/Method of class
①面接授業/Face-To-Face class
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class

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