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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2024/03/22 現在

科目名/Subject 経済学史
担当教員(所属)/Instructor 吉井 哲 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2024年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 金/Fri 1 , 金/Fri 2
対象所属/Eligible Faculty 商学部昼間コース/Faculty of CommerceDay School,商学部夜間主コース/Faculty of CommerceNight School
配当年次/Years 3年 , 4年
単位数/Credits 4
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2024/02/20
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
面接授業(8週間)とオンライン講義(7週間)のハイブリッドで行います。登校する必要のある日と無い日を設ける予定です。

失業問題、環境問題、南北間題(貧困問題)、経済成長、貿易摩擦、金融危機など、人類は様々な問題を抱えています。英国エリザベス女王はリーマン・ショック直後、「どうして、危機が起こることを誰も分からなかったのですか?」と英国の経済学者に対して質問をしています。同様に、一体、経済学には「どのようなことが」そして「どのように」解決可能なのだろうかと、初学者である皆さんも疑問に思っていることでしょう。

このような状況下で、「メタ経済学」と言われ、経済学を一歩引いた立場から俯瞰する経済学史を学ぶ意義は大きいのです。つまり、学問の歴史や現在主流の学派となった経緯を学ぶことで、経済学の対象や方法が理解でき、それによって学問分野全体の見取り図を頭に入れることが可能となるからです。すなわち、経済学の入門段階においてまず「見取り図」を得るということは、その後の高度専門的知識を学ぶ段階において非常に重要なことなのです。

方法としては,スライドでの講義,ハーバード・ビジネススクール流ケースメソッドによるアクティブラーニングを5回行います。
達成目標
/Course Goals
そもそも市場経済とはなんでしょうか?本講義では、重商主義・重農主義、アダム・スミス、リカードウなどの古典派経済学、マルクス経済学,限界革命以降の新古典派経済学、ケインズ経済学、戦後経済学の発展史を振り返り、各経済学者の理論と思想の形成過程を考察することを通じて、市場経済の本質を考えることを目的とします。それはまた、皆さんが現在学ぶミクロ経済学、マクロ経済学の立ち位置を相対的に理解することにもつながります。色々な経済学者の思想を学ぶことで、現代市場経済を幅広い視点から考察出来るようになる事も目標です。

到達目標
1.経済学発展の歴史の大まかな流れと分岐を理解することが出来る。
2.各学派の要点を整理することが出来る。
3.資本主義(市場経済)の特徴や優れた点、問題点を考察することが出来る。
4.市場経済の諸問題に関して、ディスカッションを行うことが出来る。
授業内容
/Course contents
第1週:1,2回
・イントロダクション
初回なので、まず注意事項、確認事項、講義全体の概要を確認。その後、経済学の歴史をなぜ学ぶのか?
・資本主義と社会主義
資本主義と社会主義の概要、1929年世界恐慌と修正資本主義
・重商主義と重農主義I
重商主義とはなにか、貿易差額説、重農主義とはなにか、ケネーと『経済表』

第2週:3,4回
・重商主義と重農主義II
重商主義とはなにか、貿易差額説、重農主義とはなにか、ケネーと『経済表』
・アダム・スミスI
『国富論』とはどのような書物?、富の性質と分業・協業、利己心、資本投下の自然な順序、重商主義批判、貿易の利益

第3週:5,6回
・アダム・スミスII
『国富論』とはどのような書物?、富の性質と分業・協業、利己心、資本投下の自然な順序、重商主義批判、貿易の利益
・小テストと解説:アダム・スミスと国富

第4週:7,8回
・トマス・ロバート・マルサス
マルサス人口論と貧困問題、穀物法論争(マルサス過剰生産)
・アクティブ・ラーニング:ケースメソッド「貧困と救済」
  貧しい人は助けるべきか?『ゴドウィン vs. マルサス論争』

第5週:9,10回
・デイビッド・リカードウ
穀物法論争(リカードウ穀物法反対)、リカードウ投下労働価値説、差額地代(資本主義の行き詰まり)、比較生産費説、自由貿易帝国主義(幼稚産業保護論)

第6週:11,12回
・小テストと解説:資本主義の終焉1
・カール・マルクスI
空想的社会主義、唯物史観、労働価値説(労働力の商品化、疎外)、剰余価値の形成(G-W-G’)、剰余価値の拡大(絶対的剰余価値と相対的剰余価値、特別剰余価値)、再生産と資本の集中、利潤率の傾向的低下

第7週:13,14回
・カール・マルクスII
空想的社会主義、唯物史観、労働価値説(労働力の商品化、疎外)、剰余価値の形成(G-W-G’)、剰余価値の拡大(絶対的剰余価値と相対的剰余価値、特別剰余価値)、再生産と資本の集中、利潤率の傾向的低下
・小テストと解説:資本主義の終焉2

第8週:15,16回
・アクティブ・ラーニング:ケースメソッド「低価格化時代と労働」
 どうして商品を低価格で販売できるのだろうか?『より安いものを求める消費者は、よりよい環境で働きたい労働者という矛盾』

第9週:17,18回
・限界革命
限界効用理論(水とダイヤモンドのパラドックス)、メンガー表と限界効用逓減の法則、ワルラスの一般均衡理論(需要曲線と供給曲線の性質)、マーシャルの4つの時間区分と有機的成長

第10週:19,20回
・ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター
資本主義のダイナミズム(景気循環)、新結合、企業家精神、資本主義の未来
・小テストと解説:資本主義の終焉3

第11週:21,22回
・完全競争、不完全競争、独占的競争
ロビンソンの不完全競争、チェンバレンの独占的競争、スウィージーの屈折需要曲線、フルコスト原理(オックスフォード経済調査)
・制度への注目
2つのアプローチ(制度範囲の拡大と経済に関係する制度)、ヴェブレンと顕示的消費、コースと取引費用

第12週:23,24回
・アクティブ・ラーニング:ケースメソッド「資本主義と格差」
  資本主義における格差とは仕方がない現象なのだろうか?『労働者階級の子供は芸能人にもサッカー選手にもなれない時代』
・ジョン・メイナード・ケインズI
世界恐慌と修正資本主義・社会主義、経済学の危機、非自発的失業、有効需要の原理、乗数効果、資本の限界効率(利益)、不確実性と不確定性、流動性選好、金融政策、財政政策

第13週:25,26回
・ジョン・メイナード・ケインズII
世界恐慌と修正資本主義・社会主義、経済学の危機、非自発的失業、有効需要の原理、乗数効果、資本の限界効率(利益)、不確実性と不確定性、流動性選好、金融政策、財政政策
・戦後経済学の発展史~新古典派経済学
新古典派総合(サミュエルソン)、※IS-LM分析(ヒックス)、計量経済学(クライン)、フィリップス曲線とスタグフレーション、自然失業率仮説(フリードマンの垂直なフィリップス曲線)、マネタリズム、合理的期待形成論、ゲーム理論

第14週:27,28回
・小テストと解説:ケインズ経済学
・アクティブ・ラーニング:ケースメソッド「人権とビジネス」
 監視カメラを売ってもいいのか?『中国の住民監視強化に飛びつけない米国企業』

第15週:29,30回
・アクティブ・ラーニング:ケースメソッド「幸せの経済学」
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
事前学習(2時間)
・事前にアップロードされたパワーポイント資料や教科書を用いて予習(分からない語句、歴史的背景など)し、講義中は事前に理解できなかった点を特に注意して聞くこと。
・アクティブ・ラーニング回には事前に資料を配布するので、「問」に対する自己の見解を考えておき、グループワークや全体討論に備えること。

事後学習(2時間)
・自身が何をどこまで理解したのかを明らかにするとともに、現代経済の諸問題との結びつきを考察すること。諸問題に関しては講義で提示する。
・小テスト前にはしっかりと復習すること。
使用教材
/Teaching materials
講義スライドはmanabaへ事前にアップロードする。

教科書
・井上義朗『コア・テキスト 経済学史』新世社、2004年。ISBN-13: ‎ 978-4883840731

参考図書
・中村達也・新村聡・八木紀一郎・井上義朗『経済学の歴史―市場経済を読み解く』有斐閣アルマ、2001年。ISBN-13: ‎ 978-4641121386
・木村雄一・瀬尾崇・益永淳著『学ぶほどおもしろい 経済学史』晃洋書房、2022年。ISBN-13‏: ‎ 978-4771036116
成績評価の方法
/Grading
小テスト5回、アクティブラーニング事前・事後レポート、毎週のコメントシートで成績をつけます。割合は以下です。

小テスト(50点:10点満点を5回),アクティブラーニング事前レポート(15点:3点満点を5回),事後レポート(25点:5点満点を5回),毎週のコメントシート(45点:3点満点を15回)で,合計135点満点

※小テストを3回欠席した場合,単位は与えられない。(国指定のインフルエンザや新型コロナ等の病欠,公欠の場合は代替課題を与える)
※なお、アクティブ・ラーニングにおけるグループワークMVP(相互評価:5点)、全体討論での挙手発言(3点)には、大きな加点を行う。
※アクティブラーニン回を欠席した場合,事前レポートを提出している場合はその点数のみとする。
成績評価の基準
/Grading Criteria
秀:成績評価の総合点数が130点以上
達成目標を高度にクリアし,なおかつアクティブラーニングでの活動が積極的(挙手発言,グループワークでの働き)な者
優:成績評価の総合点数が110点以上
達成目標を十分にクリアし,アクティブラーニングでの活動にも十分参加している者。
良:成績評価の総合点数が90点以上
達成目標を平均的な水準でクリアし,アクティブラーニングでの活動も平均的な水準で参加している者。
可:成績評価の総合点数が70点以上
達成目標を最低限の水準でクリアし,アクティブラーニングでの活動が最低限な者。

不可:成績評価の総合点数が69点以下
達成目標をに届かず,また,アクティブラーニングでの活動が不十分な者。
履修上の注意事項
/Remarks
・講義に集中している他の学生に迷惑がかかるため、私語は厳禁、携帯電話が鳴ることは許されない。
・パソコンでメモをとりながら講義を聞いて良いが,他の学生から動画閲覧などのクレームがある場合は禁止にする。
・小テストを3回欠席した者,講義を8回欠席した者(8週ではなく,1日に2講義行われる講義はそれぞれ1回計算)には単位を与えることはできない。
・やむを得ない事情(公欠,新型コロナ・インフルエンザ等の国が認めた病欠など)で欠席する場合は,代替課題を提示する。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない/No
備考
/Notes
北海学園大学の教員のため,オフィスアワーは無い。
質問がある場合は,講義終了後か,メールで対応する。
授業実施方法
/Method of class
②面接授業(ハイブリッド)/Face-To-Face class(including online classes less than 7 weeks)
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
該当するデータはありません

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