科目一覧へ戻る | 2024/03/22 現在 |
科目名/Subject | 社会科学 |
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担当教員(所属)/Instructor | 佐々木邦子 (商学部) |
授業科目区分/Category | 昼間コース 共通科目 |
開講学期/Semester | 2024年度/Academic Year 前期/Spring Semester |
開講曜限/Class period | 木/Thu 4 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部昼間コース/Faculty of CommerceDay School,商学部夜間主コース/Faculty of CommerceNight School |
配当年次/Years | 1年 , 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
研究室番号/Office | |
オフィスアワー/Office hours |
更新日/Date of renewal | 2024/02/28 | ||
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授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
授業の目的: この講義は労働市場についての初学者を対象としており、一般労働者に関してデータを基に現状と課題を理解することが目的の一つである。 前半は、高度経済成長期からバブル経済期、働く者に甚大な影響を及ぼした平成大不況期を経て2020年代の現在に至るまでの社会の変遷から、特に労働市場の激変に翻弄される労働者保護をめざした法制度の動向を見ていく。また、1980年代半ばに遡って平成大不況をもたらした要因についても触れる。 その一方で我が国では1985年制定の男女雇用機会均等法など、雇用における男女差の解消を目指した政策が展開されてきた。当初は女性の労働状況の引き上げが主であったが、前半で取り上げる労働市場の激変で苦境に追い込まれた男性労働者への視座が浮上し、2000年代初頭の均等法改正では男性労働者への保護が明確化された。また、近年は父親育児休業の促進など、男性労働者に照準を合わせた動きが顕著である。後半では、これらの経緯とこの背景に男女労働者に対するワークライフバランスの促進が意図されている点に言及する。 以上のように本講義では、我が国における戦後から現在に至る一般労働者の動静について社会の変遷に関連付けて概観し、労働者を保護し継続就業につなげようとする政策的含意が、近未来の労働力不足解消を標榜していることを学習する。 授業の方法: 基本的には講義形式であるが、できるだけ学生の方々の意見などを聞いていきたい。 可能であれば、学生の発表なども履修者数や状況によって検討したい。 |
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達成目標 /Course Goals |
本科目の履修を通して次のことを学習していただきたい。 1.データにより、高度経済成長期からの労働市場の変化を理解する。 2.平成大不況で苦境に追い込まれた労働者を支援するための法制度の動向を理解する。 3.平成大不況をもたらしたバブル経済が起こった社会的背景を理解する。 4. 雇用における男女差の解消を目指した法制度の動向と、女性労働者保護の目的が社会の動向により男性労働者保護を明確に打ち出した背景を理解する。 5. 近未来の労働力減少が社会に及ぼす影響を理解し、それが労働者の継続就業を標榜する政策的含意であることを理解する。 |
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授業内容 /Course contents |
各回の講義内容は次のとおりである。ただし,状況に応じて講義の順番や内容を変更する場合がある。 1.ガイダンス、本講義の目的と進め方 2.高度経済成長期の労働市場 経済の発達が我が国の社会や労働市場に与えた影響を知る。 3.日本的雇用慣行の衰退と成果主義の進行 バブル経済の破綻により1990年代前半に激変した労働市場が労働者に与えた影響を知る。 4.多様化する雇用形態 雇用慣行の変遷により翻弄される人々、非正規労働、長時間労働の実態を見る。 5.労働者を保護する法制度 過労死防止対策推進法、安全衛生法、雇用契約法等、労働者保護の法制度の動向を見る。 6.雇用環境に多大な影響を与えた経済政策 新自由主義の概略を学習する。 7.新自由主義の我が国での展開 この経済思想の登場と、我が国の社会及び労働市場に及ぼした功罪を探る。 8.中間課題 資料持込による課題作成。 9. 高度経済成長期に雇用化が進んだ女性労働 日本的雇用慣行下での男女労働者の状況を見る。 10. 国連やILOなど国際的な機関による社会的性差をなくすための潮流 女性差別撤廃条約、ILO第156号条約等の我が国への影響を探る。 11. 男女雇用機会均等法の制定(1985年)に伴う我が国の雇用上の環境変化 職業名の変更、家庭科の男女共修などへの影響を理解する。 12. 男女雇用機会均等法改正で明確化された男性労働者保護の促進 男性労働者保護の視座が現れた社会的要因を探る。 13. 育児・介護休業法、男女共同参画基本法、女性活躍法などの概観 父親育児休業推進の状況と背景、法制度による成果を探る 例:男女のМ字カーブ 14. 男女労働者の継続就業を目指す政策的含意 人口ピラミッド、合計特殊出生率、人口置換水準により現状を理解する 15. 今後の見通しや課題の確認 労働市場の変遷と労働者の動静により今後の課題を確認する。 |
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事前学修・事後学修 /Preparation and review class |
事前学修: 翌週使用のレジュメ配布を目指すゆえに事前に目を通し、テクニカルタームの調べなどをしておくように努められたい。 事後学修: 講義内容についてレジュメを読み直し、復習に努められたい。 |
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使用教材 /Teaching materials |
テキストの代わりとしてプリント、資料を配布する。 | ||
成績評価の方法 /Grading |
定期試験70%、平常の課題など30%を総合的に判断する | ||
成績評価の基準 /Grading Criteria |
秀(100~90) :労働市場について秀でた理解力を有し、統計資料などを応用して、さまざまな労働問題について判断することができる。 優(89~80) :労働市場について優れた理解力を有し、統計資料などを応用して、さまざまな労働問題について判断することができる。 良(79~70) :労働市場について良い理解力を有し、統計資料などを応用して、さまざまな労働問題について判断することができる。 可(69~60) :労働市場について理解力を有し、統計資料などを応用して、さまざまな労働分析について判断することができる。 不可(59~0) :労働市場について十分な理解力を持たず、統計資料などを応用して、さまざまな労働問題について判断することができない。 |
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履修上の注意事項 /Remarks |
講義の目的と内容をよく検討したうえで、最後まで講義に積極的に参加する意思を持てる方の受講を希望する。 | ||
実務経験者による授業 /Courses conducted by the ones with practical experiences |
該当しない/No | ||
授業実施方法 /Method of class |
①面接授業/Face-To-Face class | ||
遠隔授業 /Online class |
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