科目一覧へ戻る | 2024/01/31 現在 |
科目名/Subject | 労務管理論 |
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担当教員(所属)/Instructor | 金 鎔基(商学部) |
授業科目区分/Category | 昼間コース 学科別専門科目 |
開講学期/Semester | 2023年度/Academic Year 前期/Spring Semester |
開講曜限/Class period | 火/Tue 2,金/Fri 2 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部/Faculty of Commerce,商学部夜間主コース/Faculty of Commerce Night School |
配当年次/Years | 3年,4年 |
単位数/Credits | 4.0 |
研究室番号/Office | 金 鎔基(519) |
オフィスアワー/Office hours | 金 鎔基(まずEmail(kim@res.otaru-uc.ac.jp)によるコミュニケーション。対面の面談が必要と判断されれば、Emailで日時を調整する。ゼミの場合はラインも併用される。) |
更新日/Date of renewal | 2023/03/05 | ||
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授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
企業経営の観点から、労務管理とは、良い人材を確保し、その能力成長を助け、やる気を引き出す体制づくりのことである。「企業は人なり」、「人事が万事」ともいわれるが、その成否は企業の長期成長を支える鍵となる。一方、日本では働く人の9割以上が企業に雇われている。労務管理の話は、その人々の人生設計を左右する就職や転職、キャリア形成、老後の生活設計にまで及ぶ。当然ながら、一企業の効率という狭い視野に収まりきらない。経済全体の効率、教育や職業選択および富の分配などにおける社会的不平等、福祉システムなど、経済・社会の諸問題を射程に入れないといけない。 日本企業の労務管理は、1990年代には、高効率組織、知識創造経営を支えるしくみとして世界に注目された。しかし今は、トレードマークだったいわば終身雇用の崩壊が指摘されて久しく、ワークライフバランスの悪さ、縦割り社会の温床、ダイバーシティの欠如、非正規雇用の不平等など、課題の方がより強く意識されるようになっている。本講義では、こうした近年のイッシューを見すえつつ、一般理論、国際比較、歴史考察を交えながら分析と説明を行う。 |
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達成目標 /Course Goals |
本講義では雇用と人事・労務に関わる様々な制度や現象を体系的に理解するための基本理論を学習し、この分野における近年のイッシューに対して自分なりの判断や主張を展開できるようになるのが目標である。 もう一つ、労務管理論は市販の実務書が氾濫といえるほど多い。学生が社会に出たとき、必要に応じて実務書を見分け、読みこなすことのできる基礎力を、この授業を通じて学習してほしい。もちろん、さらなる専門研究書に進むための地力を形成する学習にもなる。 |
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授業内容 /Course contents |
(第1回~4回)雇用関係を律する規範の体系 イントロダクション/労務管理論の起源(英、米、日本)/サラリーマン社会/雇用関係とは/自由な雇用契約と市場競争/雇用関係を律する規範の体系 (第5回~11回)能力形成と労働市場の類型 学校教育・職業訓練・OJT/人的資本理論/OFFJTとOJT/徒弟制度/職種団体と職種別労働組合/職種別労働市場/職業訓練の国際比較/年功賃金の国際比較/長期雇用の国際比較/内部労働市場論 (第12回~17回)モニタリングとインセンティブ 成果主義論の一人歩き/組織労働とモニタリング/モニタリングの3方法/成果モニタリングと請負制/プロセスモニタリングと流れ作業/情報共有化モニタリングとドラッカーの目標管理/日本企業の方針管理/ハイコミットメントを促すには (第18回~24回)雇用慣行の日本的特徴 雇用ポートフォリオ戦略(人材の内部化と外部化)/日本の歴史経験(戦前)/戦後日本の労働運動と従業員民主主義ヘゲモニー/企業別労働組合/職の違いと会社の違い(米国ゼネラルモーターズ社と日本のトヨタ)/遅い選抜/職務給と職能給/雇用安定制度の国際比較/新卒採用と中途採用/大学入試制度と企業の採用制度(日米比較) (第25回~30回)近年の変化と課題 非正規雇用問題/女性雇用問題/高齢者雇用問題/ワークライフバランス/外国人採用とグローバル人材マネジメント |
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事前学修・事後学修 /Preparation and review class |
本授業では、どちらかといえば、復習より予習にもっと力を入れてもらいたい。また授業中に自分なりに理解したことを丹念にメモっておけば、復習が楽になる。 授業内容は分かりやすく見えて奥行きがあり案外難しい。身近な事例をしきりに出すなど、分かりやすい説明を心がけるつもりではあるが、説明や分析の各パーツを理解していても、それらを体系的につなぐストーリ全体に理解が及ばない学生を毎年みかける。用語の意味などを事前に調べておけば、授業中は各パーツの背後に控えるビックピクチャーを捉える余裕が生まれ、理解度がグンと高まるはずである。 予習の方法は、事前に配布されるテキストを読み、わからない用語や概念の意味をネット検索などで調べておくことである。労務管理論の分野ではコンサルティング会社も多く、トレンディな理論や用語を概説してくれるネット情報は十分にある。そのすべてが適切とは限らないが、複数の解説を読み比べたり、授業中に質問をぶつけて確かめたりするとよい。 |
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使用教材 /Teaching materials |
基本教材として、講義用スライドを印刷した紙媒体の資料を事前に配布する。 必要に応じて、その都度副教材を提供することもある。 |
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成績評価の方法 /Grading |
合計100点のうち 定期試験2回:35点×2回=70点 授業中の小テスト:30点 【加点制度】 授業中の質疑応答やコメントによって、インパクトある貢献が認められた学生は、1点をもらえる。1人がもらえる加点は最大10点までとする。最終成績計算のとき、合計点が100点を超えてしまう場合は、最終成績は100点となる。 加点を稼ぐには、予習が効果的である。 |
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成績評価の基準 /Grading Criteria |
「秀」(100~90):毎回の授業内容とそれらの相互関連を理解し、それを応用しつつ、近年のイッシューに対する自分なりの体系的な判断や主張ができる。 「優」(80~89):毎回の授業内容を別々に理解するレベルを超え、各内容間の相互関連性を理解している。 「良」(70~79):毎回の授業内容を十分に理解し、説明ができる。 「可」(60~69):毎回の授業内容の骨子を理解している。 「不可」(0~59):毎回の授業内容を理解していない。 |
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実務経験者による授業 /Courses conducted by the ones with practical experiences |
該当しない/No | ||
授業実施方法 /Method of class |
①面接授業/Face-To-Face class | ||
遠隔授業 /Online class |
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