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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2022/04/06 現在

科目名/Subject 行政法I
担当教員(所属)/Instructor 齋藤 健一郎 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2022年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 月/Mon 3 , 月/Mon 5
対象所属/Eligible Faculty 商学部/Faculty of Commerce
配当年次/Years 3年 , 4年
単位数/Credits 4
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2022/02/28
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
明るい話はあまり出ない。例えば、第1回では旧優生保護法による強制不妊手術、第2回では水俣病や薬害被害、第3回ではススキノ条例やストーカー規制法の話をする。どれも、多くの人が苦しみ、ときに人が死んでいる。受講者には、行政法の授業を通じて、こうした社会のさまざまな課題を知って欲しい。これが、この授業に通底する一番の問題関心である。ただし、これこれをすれば課題が解決され社会が良くなる、といった単純な話ではない。この授業は行政法を学ぶものであるけれども、行政法の力だけで課題が解決することは少なく、問題はもっと複雑である。そもそも、実践的な課題解決を担うのは、当事者、それを支える方々、専門家、行政などであり、多くの場合、みなさん学生は部外者である。それでも、もし社会を良くしたいと思うならば、きっと、私たち1人ひとりの知識や理解のレベルを上げることが重要である。私たちが、自分の利害には関係しない社会の課題についてどれだけ目を向けられるかにかかっている。私はそう思っている。

【授業の目的・対象】
 この講義では、行政法総論と国家賠償法・損失補償法を概説する。
 ただし、一般的な教科書に書かれていることを分かりやすく解説するといった授業ではない。現在生じている法的課題を取り上げて分析したり、特定の論点や重要判例を深く掘り下げて検討したり、できる限り最新の学説や裁判事例の紹介をしたりする。直接見聞きしていないことは分かりにくいので、動画や画像を用いることもある。

【授業の方法】
 講義形式の授業が中心となる。事前にmanabaで「講義概要」を配布する。授業はこれに沿って行う。授業で教科書の解説はしない(ただし、教科書を読むことは必須である。)。
達成目標
/Course Goals
・主要な行政作用の法的仕組みについて、類型ごとの主要論点を理解する。
・行政法における法律の意義と、法律と命令・一般原則・条約・条例との関係を理解する。
・行政手続法の全般と意義・課題を理解する。
・国家賠償法・損失補償法に関する基本的な制度と法概念を理解する。
授業内容
/Course contents
この授業の全体像・概要は、初回の授業で説明する。
(順序や細部は変更する可能性がある。)

第1回 はじめに
 ――講義の全体像、昨今の話題
第2回 行政法の世界へ

〈主要な行政作用の法的仕組み〉
第3回 規制行政(1)
 ――主な領域、特徴、分類
第4回 規制行政(2)
 ――事業規制(経済行政)、公益事業規制
第5回 給付行政(1)
 ――主な領域、3要素、利用関係
第6回 給付行政(2)
 ――公共施設の管理運営・利用関係、公営企業
第7回 計画行政――都市計画を中心に
第8回 税務行政
第9回 調達行政、公務員法姓
第10回 行政上の強制執行・制裁

〈行政法のいろいろな形〉
第11回 行政法とは何か?
第12回 法律による行政の原理
第13回 行政裁量
第14回 法律と行政基準
第15回 行政法の一般原則
第16回 国際法、自治体の条例

〈行政手続〉
第17回 行政手続(1)
 ――行政手続の基礎理論
第18回 行政手続(2)
 ――行政処分とは何か?
第19~20回 行政手続(3)
 ――申請に対する処分の手続
第21~22回 行政手続(4)
 ――不利益処分の手続
第23回 行政処分の効力・瑕疵・消滅

〈行政と情報〉
第24回 情報公開法、個人情報保護法、情報公開・個人情報保護条例、公文書管理法

〈行政責任〉
第25回 国家賠償法(1)
 ――歴史、概要
第26回 国家賠償法(2)
 ――法律・条例、行政基準、捜査・起訴・裁判に関する事例
第27回 国家賠償法(3)
 ――行政処分、学校事故に関する事例
第28回 国家賠償法(4)
 ――公害・環境汚染・薬害・健康被害に関する事例
第29回 国家賠償法(5)
 ――道路、河川、空港に関する事例
第30回 損失補償法
事前学修・事後学修
/Preparation and
review lesson
【事前学修】
・事前に、簡単な【講義概要・資料】を配る。manabaにも上げる。一読して、各回の全体像や要点を把握しておくこと。
・教科書の関連部分を読む。

【事後学修】
・授業で取り上げた裁判例や、紹介した資料を読む。
・manabaでの簡単な復習クイズ、感想、質問の記入。
・授業の大まかなまとまりごとに、レポートを課す。レポート作成を通じて、授業内容を復習する。
使用教材
/Teaching materials
●教科書
村上裕章『スタンダード行政法』(有斐閣、2021年)
*上記は推奨する教科書。第1回の授業で、他の教科書・参考書の一覧を示す。

●判例集(以下のどちらか1冊)
・『行政判例百選Ⅰ〔第7版〕』(有斐閣、2017年)(※eBookで閲覧できるがDL・印刷はできない)
・村上=下井『判例フォーカス行政法』(三省堂、2019年)

●六法
*条文は配付するレジュメに記載するので持参しなくてよい。六法(ポケット六法など)は、深く学びたい場合には手元に置いておくことが望ましい。
成績評価の方法
/Grading
レポート(4回) 60%
期末試験 20%
事後学修の復習クイズ 20%

*レポート4回と期末試験はすべて必須。未提出・試験欠席の場合には単位認定をしない。
*パーセンテージは目安。最終的な合否・成績の判定では、上記を総合考慮する。例えば1回だけレポートが論点を外してしまい低評価であっても他が優れていれば秀になる可能性はある。あるいは、1回だけレポートが論点を外してしまい低評価であっても他が合格ラインを超えていれば単位取得を認めることはある。
成績評価の基準
/Grading Criteria
上記の「達成目標」の達成度の観点から、上記の成績の合計点により、秀(90~100)、優(80~89)、良(70~79)、可(60~69)で評価する。
履修上の注意事項
/Remarks
例年、不可率は30~40%
特に成績評価を厳しくしているわけではなく、あまり出席をしない学生がたいていは不可になっている。一般的な教科書に書かれていることを分かりやすく解説するといった授業ではないので、出席することはほぼ必須である。
リンク先ホームページアドレス
/URL of syllabus or other information
企業法学科科目・参考文献eBookリスト
https://library.otaru-uc.ac.jp/201909law_ebook/
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない

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