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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2022/04/06 現在

科目名/Subject 会計学特講(財務会計論特講)
担当教員(所属)/Instructor 石川 業 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2022年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 火/Tue 2
対象所属/Eligible Faculty 商学部/Faculty of Commerce
配当年次/Years 3年 , 4年
単位数/Credits 2
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2022/02/28
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
この授業の目的は、いわゆるファンダメンタル分析を重視するアナリストや投資家が実際に採用しているとみられる財務諸表分析・企業価値評価の、理論的・実践的なエッセンスを学ぶことにあります。そのためには「財務会計論」をきちんと修得できたという手応えがあること、または、ゼミで会計学を専門的に学んでいることが、履修をしてもらうにあたっての重要な前提になります(その前提がない場合、この「財務会計論特講」での目的達成はむずかしいと思われます)。

授業の方法は、教員からの説明を主とする講義形式です。とはいえ、上記の目的を達成するには、講義で説明された手法を実践してもらうプロセスが欠かせません。その意味では、履修者のみなさん自身が進んで財務諸表分析・企業価値評価に取り組むべき、実践志向の授業です。
達成目標
/Course Goals
この授業の達成目標は、次のとおりです。

(1)ファンダメンタル分析(財務諸表分析・企業価値評価)に取り組む意味があるといえる状況または理由を説明できる
(2)アナリスト・投資家が実際に行うとみられるファンダメンタル分析を実践することができる
(3)アナリスト・投資家が実際に行うとみられるファンダメンタル分析のあり方を理論的・実証的に説明することができる
(4)以上の能力をもって、「企業価値」とはいったいどのようなもののことをいうのか説明したり、論者によってさまざまな意味合い・文脈で語られる「企業価値」の違いを見分けたりしながら、企業のあり方についての検討・議論を深めることができる
授業内容
/Course contents
授業内容として各回の講義テーマを示せば、次のとおりです(下の使用教材の欄で示す参考文献の章立てに、おおよそ従っています)。

第1回 イントロダクション
    投資とバリュエーション入門・財務諸表入門
第2回 財務諸表をどのようにバリュエーションに用いるか
第3回 現金主義会計、発生主義会計、割引キャッシュ・フロー評価
第4回 発生主義会計とバリュエーション(1):簿価のプライシング
第5回 ここまでに学んだ手法の実践(1)
    発生主義会計とバリュエーション(2):利益のプライシング
第6回 バリュエーションとアクティブ投資
第7回 株主持分計算書と貸借対照表の分析
第8回 損益計算書とキャッシュ・フロー計算書の分析
第9回 収益性の分析
第10回 ここまでに学んだ手法の実践(2)
    成長性と持続可能利益の分析
第11回 事業活動の価値と事業PBR・事業PERの評価
第12回 財務諸表にもとづく単純な予測と単純なバリュエーション
第13回 最大限の情報を用いた予測、バリュエーション、事業戦略分析
第14回 財務諸表の質の分析
第15回 ここまでに学んだ手法の実践(3)
    この授業で学んだことの整理

履修者のみなさんには、毎回の講義で学んでいただいたことを特定の企業に対して適用してもらい、その結果を講義5回に1回のペースで簡単にプレゼンテーションしていただきます(プレゼンテーション・スライドを提出してもらいます)。これは、期末レポートの執筆経過報告を兼ねた、成績評価の対象です。
事前学修・事後学修
/Preparation and
review lesson
この授業の目的・目標をふまえ、次のことを毎回の講義の【事前学修】として期待します。

・どんな企業に魅力を感じるか、それはなぜか、その企業を取り巻いている環境はどのようであるか、業績はどうなっていると推定できるか…といった、特定の企業についての事前のイメージを、できるかぎり明確にすること(そのためには、日常的な「アンテナ」の張り方と、それによって得た情報のふまえ方、そして、それらを支配する自分自身の個性・関心・好みのあり方を、広く意識していく必要があります)。

また、講義のあとには毎回、次のことを【事後学修】として期待します。

・これまで得てきたほかの専門科目の知識も総動員しつつ、会計数値に目をとおすことができるようになっているか否かを確認すること(会計の理解は、経済全体や企業経営に関連する他分野についての理解があってこそ、いっそう深まります)。
・この授業を履修する前の自分と比べ、特定の企業に対する見方が変わっているか否かを、その理由とあわせて確認すること(将来の自分の「居場所」までイメージしながら確認できると、より望ましい)。
使用教材
/Teaching materials
教員が作成したスライドを、使用教材として配付します。

なお、この講義の内容・構成は基本的に、次の文献に従っています。

S. H. ペンマン著=荒田映子・大雄 智・勝尾裕子・木村晃久訳『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション 原著第5版』有斐閣、2018年。
成績評価の方法
/Grading
次の配点により成績評価を行います。

・36点:5回の講義に1回のペースで行ってもらう、ファンダメンタル分析の実践(1回あたりの配点は12点)
・10点:10回ほど実施予定の理解度確認クイズ(1回あたりの配点は1点)
・54点:期末レポート
・ + 𝛂:受講姿勢、自分で自分を成長させるための工夫、etc…
・定期試験は行いません(それだけファンダメンタル分析の実践が重視されます)

なお、実践・期末レポートについては、とくに次の規準・評価軸に照らして評価を行います。

・講義で提示・説明されたファンダメンタル分析の手法を、論理的・実証的に欠陥の少ないかたちで、正確に適用できているか
・ファンダメンタル分析のセオリーをふまえつつ、それでいて新規的・独創的な分析を加えることができているか
・データやグラフを効果的に提示できているか
・参考資料を正確かつ誠実に提示できているか
成績評価の基準
/Grading Criteria
秀(100-90):ファンダメンタル分析を、柔軟・誠実な姿勢で、よく理解した。
優(  89-80):ファンダメンタル分析を、柔軟・誠実な姿勢で、ほぼ理解した。
良(  79-70):ファンダメンタル分析を、よく理解した。
可(  69-60):ファンダメンタル分析を、ほぼ理解した。
不可(59- 0):上記以外。

秀と優に関して「柔軟・誠実な姿勢」を尊重するのは、「柔軟な姿勢」が財務諸表分析と企業価値評価に瞬発性・独創性を与える可能性が高く、また「誠実な姿勢」が緻密で重厚な当該分析および評価をもたらす可能性が高いとみられるからです。
履修上の注意事項
/Remarks
(1)この授業では頻繁にresponを使用します。そこで、responを使用できる端末を毎回持参してください(加えてmanabaも、連絡事項の伝達、追加資料の配布、レポートの提出等のために、幅広く活用されます)。

(2)この授業の内容は、「簿記原理」「応用簿記」に加え、「財務会計論」を履修済みであることを前提としています。いずれかの科目を不合格のまま(それなりに苦労しながら)単位を修得できた履修者はいないわけではありません。しかし、「実り」は多くなりづらいはずです。努力次第とはいえ基礎がないと理解も記憶もむずかしくなるからです。

(3)この授業の履修を検討していただける場合、最初の数回の聴講を強くおすすめします。それらを欠席をしても履修は可能ではありますが、なんとなく履修しても意義を大きくできる、というタイプの授業ではありません。
実務経験者による授業
/Courses conducted by the
ones with practical
experiences
該当しない

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