科目一覧へ戻る | 2023/03/17 現在 |
科目名/Subject | 哲学 |
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担当教員(所属)/Instructor | 宮田 賢人 (商学部) |
授業科目区分/Category | 昼間コース 共通科目 |
開講学期/Semester | 2021年度/Academic Year 前期/Spring Semester |
開講曜限/Class period | 他 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部昼間コース/Faculty of CommerceDay School |
配当年次/Years | 1年 , 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
研究室番号/Office | |
オフィスアワー/Office hours |
更新日/Date of renewal | 2021/02/28 | ||
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授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
本講義の目的は主に二つあります。 ① 第一の目的は、「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる問いに対して過去の西洋の哲学者たちがどのような応答をしてきたかを学ぶことです。私たちは、自身の周りに様々な事物が「存在」していること、そして、それらが相互に影響を与えあいながら、「自然」という秩序を形づくり、その影響のなかで自然的世界が絶えまなく変化していることを自明なこととして疑いません。しかし、かりに誰かが、たとえば「なぜ目前に机が存在するといえるのか」「そもそも、ある事物が存在するとか認識できるとはどのようなことか」「この自然的世界はどのようにして秩序づけられているのか」「自然の変化はいかなる原理によってもたらされているのか」「なぜ窓ガラスに石を投げつけたら確実に割れるといえるのか」などと問うてきたならば、私たちはどのように応答すればよいでしょうか。本講義では、このような「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる問いとそれに対する哲学者たちの応答を学びます。 ② 第二の目的は、上で述べた、各時代の「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる哲学的思考が、いかに、当時の法学・法思想・法的実践に影響を与えているかを学ぶことです。①で述べたような問いに取り組む哲学は、社会的実践とは無関係の知的遊戯とみなされがちです。しかしながら、哲学はその時代その時代の思考枠組・世界観を根本から規定し、実践的にも少なからぬ影響を与えるポテンシャルを有した学問です。このことを示すため、各時代の「法」の理解に着目してみたいと思います。「社会あるところに法あり」という法諺があるように、人間が社会的に活動する上で法秩序は必要不可欠であり、それに対応して、どの時代にも固有の法思想が存在します。本講義では、いかに、各時代の哲学的思考が当時の法学・法思想・法的実践に影響を与えているかを追っていきたいと思います。 本講義は、多くの学生の履修が予想されるため、「時間割を指定しないオンデマンド形式」で行われます(各回につき60分ほどの動画をアップロードします)。 |
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達成目標 /Course Goals |
本講義の達成目標は以下の三つです。 ・各哲学者の見解・思想を知識として理解し、西洋の哲学史・法思想史を正確に 概説できるようになる ・どのように哲学・思想が各時代の思考枠組・世界観を根本から規定しているか を理解し、それを法思想との関連で説明できるようになる ・様々な世界の捉え方・思考枠組に触れることで、いま私たち自身が有している 思考枠組・世界観を相対化する能力を向上させる |
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授業内容 /Course contents |
本講義は、各時代における「存在および認識の根拠」や「自然の原理」をめぐる哲学的思索の変遷の概説を主筋に、そして、それがどのように当時の法思想を規定したかを副筋に、以下のような計画で進みます。 1.イントロダクション 2.プラトンのイデア論 3.アリストテレスの目的論的自然観 4.ピュシスとノモス:古代自然法論 5.近代哲学の始まり:我思う故に我あり(デカルト) 6. デカルトと機械論的自然観 7.自然法則としての法(ホッブズ) 8.イギリス経験論:ロックとバークリ 9.人為的徳としての正義(ヒューム) 10.カントのコペルニクス的転回 11.理性による自己立法 (カント) 12. 法実証主義の登場(オースティンとケルゼン) 13.事象そのものへ:フッサールの現象学 14.言語論的転回とヴィトゲンシュタイン 15.社会的ルールの体系としての法(ハート) |
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事前学修・事後学修 /Preparation and review class |
事前:毎回の講義前には、事前に指示した参考文献の該当箇所を読んでおくこと。 事後:講義内で取り上げた参考文献の該当箇所や原典を読むこと。 事後:不明な用語があった場合は、図書館に所蔵されている哲学・思想事典(辞典)を活用し、意味の確認をしておくこと。 |
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使用教材 /Teaching materials |
教科書は指定せず、講義内で参考資料・参考文献を適宜配布・指示します。 もっとも、以下の文献を自習用に手元においておくことを推奨します。 -貫成人(2008)『図説 標準 哲学史』、新書館 -中山竜一・浅野有紀・松島裕一・近藤圭介(2019)『法思想史』、有斐閣 |
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成績評価の方法 /Grading |
定期末試験(50%)、平常点(50%) 平常点は、各回の後に課されるmanaba上での小テスト・小レポートを基に評価します。 定期末試験の形式については、現段階では未定ですが、おそらくレポートになりそうです。 |
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成績評価の基準 /Grading Criteria |
秀:成績評価の総合点数が100点~90点 講義で扱った諸学説と学説間の連関を正しく十全に理解しており、それを平易な言葉で自分なりの仕方で説明できる。 優:89点~80点 講義で扱った諸学説と学説間の連関を正しく理解しており、それを自分なりの仕方で説明できる。 良:79点~70点 講義で扱った諸学説の基本的な要点と学説間の連関の要点を正しく理解しており、それを過不足なく説明できる。 可:69点~60点 講義で扱った諸学説の基本的な要点をおおむね理解し、また、学説間の連関についても一応の理解を獲得しており、それらを論理的に説明できる。 不可:59点以下 講義で扱った諸学説の基本的な要点および相互の連係の最低限の理解に到達していない。また「定期試験欠席届」の実施要項に該当しない事由で、3回を超えて欠席した場合も成績に関わらず不可とする。 |
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履修上の注意事項 /Remarks |
・特別な配慮が必要な学生は事前に申し出てください。学内の規程に即して対応策を検討します。 ・本講義は概論ですので各学説の内容を深く紹介・考察することはできません。したがって、受講の際には、講義で取り上げた思想家の原典に直接あたることを強く推奨します。 ・高校での「倫理」の前提知識は不要です。しかし、高校の倫理の教科書もしくは参考書で基礎知識を予習しおくと、より深く、講義の内容を理解できるようになると思います。 |
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実務経験者による授業 /Courses conducted by the ones with practical experiences |
該当しない/No | ||
遠隔授業 /Online class |
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