科目一覧へ戻る | 2023/03/17 現在 |
科目名/Subject | 現代哲学論 |
---|---|
担当教員(所属)/Instructor | 久保田 顕二 (商学部) |
授業科目区分/Category | 昼間コース 専門共通科目 |
開講学期/Semester | 2019年度/Academic Year 後期/Fall Semester |
開講曜限/Class period | 水/Wed 3 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部/Faculty of Commerce |
配当年次/Years | 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
研究室番号/Office | 久保田 顕二(343) |
オフィスアワー/Office hours |
久保田 顕二(前期:木 14:30~16:00 後期:水 15:00~17:00) |
更新日/Date of renewal | 2019/02/28 | ||
---|---|---|---|
授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
少人数のクラス編成で、比較的平易な政治哲学的・倫理学的な著作を輪読します。そこに書かれた内容の正確な把握を目指しますが、今回、字面の理解には実はそれほどの労を要しませんので、重点はむしろ、字面の背後にある思想的な意味をとらえたり、問題へのアプローチの仕方を学んだりすることのほうに置かれます。また、内容の忠実な理解を目指すにとどまらず、一人ひとりが自らの意見を形成する機会となるよう、参加者同士による意見交換にも多くの時間を割きます。 取り上げる著作は、マイケル・サンデル氏が一般読者向けに書いた、比較的入手しやすい3点です(「使用教材」の項を参照)。氏は、問題の本質を見抜く慧眼とともに、その懇切で親しみやすい独特な議論の仕方によって、つとにわが国でも有名です。基本的には翻訳で済ます予定ですが、ただ、テキストのより正確な理解のためにはしばしば原著の参照が必要ですので、一応、原著も扱うことにします。 |
||
達成目標 /Course Goals |
論説文を「批判的に」読解する訓練を積むことにより、この先、どの分野の勉学をするのにも役立つと思われる、「思考する力」や「問題発見・問題提起の能力」を育成します。そして、そこからさらに進んで、現代社会が抱える深刻な倫理的、価値観的諸問題を的確にとらえる眼力を養い、かつ、それらの問題に対する自らの態度を培います。 | ||
授業内容 /Course contents |
文献の輪読と参加者全員によるディスカッションが、全体を通じての主要な作業です。ただし、取り上げる著作のすべてを、最初から最後まで逐一読むわけではなく、日本社会の現状や履修者の関心に照らして、特に大きな関心がもてそうな箇所だけを選んで読んでいきます。 さらにそれだけではなく、全体を通じて数回くらいは、文献から離れた比較的自由な研究報告を行う機会も設けたいと考えています。したがって、自身の研究報告のほうを希望する履修者には、文献の輪読に向けた報告ではなく、何らかの倫理的・社会的テーマに関する自分自身の独自のプレゼンテーションを行っていただくことになります(ただし、テキストの内容と無関係な報告は避けていただきます)。 その回では、輪読作業は中断して次のような授業運営を行います。まず、報告者が20~30分間の報告を行い、それが終了したあと、全員が3,4個の小グループに分かれて、その中で、報告された内容についてのディスカッションを行います。そして最後に、各グループの代表者が、それぞれのグループの中で出された意見をまとめて出席者全員に向けて簡単に報告します。 各回の授業内容は次の通り。 第1回 オリエンテーション 第2~6回(うち1回を自由なプレゼンに充てる予定) :市場原理に基づく「お金」の力、便利さと、そのことの限界(①の輪読がメイン) 第7~11回(うち1回を自由なプレゼンに充てる予定) :「望ましい」子孫が欲しいという優生学的な願望の問題点(②の輪読がメイン) 第12~15回(うち1回を自由なプレゼンに充てる予定) :道徳的に「正しい」とは、「正義にかなう」とはいかなることか(③の輪読がメイン) |
||
事前学修・事後学修 /Preparation and review class |
この授業では特に「事前学修」が重要となりますが、「輪読」の回か、それとも「自由なプレゼン」の回かに応じて、それぞれ次のような準備作業が要求されます。 1.輪読の回 報告担当者:読む予定の箇所の内容をまとめたレジュメを作成し、当日、全員に配布する。 履修者全員:該当箇所を事前に読んでくる。 2.自由なプレゼンの回 報告担当者:A4用紙2枚程度で資料(研究報告の梗概等)を作成し、当日、全員に配布する。 履修者全員:前の週で予告されたテーマにつき、可能な限り情報の検索をして授業に臨む。 |
||
使用教材 /Teaching materials |
マイケル・サンデル(Michael J. Sandel)の次の3点の著作(邦訳および原著、以下、邦訳のみを記す) ①『それをお金で買いますか―市場原理の限界』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2014年) ②『完全な人間をめざさなくともよい理由―遺伝子操作とエンハンスメント』(ナカニシヤ出版、2009年) ③『これからの正義の話をしよう―いまを生き延びるための哲学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2011年) 上記のうち、2点の文庫本については購入を求めると思いますが、原著を含めたその他については、すべてコピーで済ます予定です。 |
||
成績評価の方法 /Grading |
科目の性質上、試験やレポートを課することをせず、平常点のみによって評価します。ただし、仮に履修者が多くて一部の者には報告の機会がなかった場合には、レポートの提出をもって報告に代えることができます。 評価の要素と各要素の比率については以下の通り(一応の目安)。 1.出席状況 30% 2.輪読での報告 50% 3.自由なプレゼンテーション 「2.に準ずる」 4・レポート課題 「2.に準ずる」 5・授業への積極的参加 20% |
||
成績評価の基準 /Grading Criteria |
「成績評価の方法」の諸点を勘案しつつ、総合的に評点を出します。ただし、科目の性格上、出席状況が著しく悪い場合は、他の評価要素の合計が60%を越えていても、単位の修得はほぼ不可能となります。 | ||
履修上の注意事項 /Remarks |
授業の形態はゼミに近いものとなりますので、履修者数もせいぜい20名くらいまでを見込んでいます。 | ||
遠隔授業 /Online class |
|