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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/17 現在

科目名/Subject 経営戦略論
担当教員(所属)/Instructor 内田 純一 (商学研究科)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2019年度/Academic Year  後期/Fall Semester
開講曜限/Class period 金/Fri 3 , 金/Fri 4
対象所属/Eligible Faculty 商学部/Faculty of Commerce
配当年次/Years 3年 , 4年
単位数/Credits 4
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2019/02/25
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
 本講義は二時限連続開講の4単位授業です。講義は「経営戦略論」の基礎から応用までを学習する授業に加え、経営戦略論のなかでも「ブランド戦略論」に特に集中した授業を二本立ての形で行います。
 
 つまり、
 ・「経営戦略論」90分×15回 
 ・「ブランド戦略論」90分×15回
というスタイルです。

 このような講義スタイルとした理由は、以下の通りです。
 本学の商学部の授業では、3年次後期までに様々な講義科目において経営戦略論の内容を含む授業が開講されています。そのため、経営戦略論の講義内容に既習感を持つ学生も多いはずです(特に商学科の学生)。
 そのため既修者が多い経営戦略論の基礎的な理論は、ディスカッション形式の講義を中心とし、単なる知識を生きた知恵に転換させることを狙います。
 一方で他の授業であまり講じられていないブランド戦略論は、レクチャー形式の講義を中心とし、新たな知識を集中的に吸収してもらうことを狙います。

 既習の内容が多いとは言え、経営戦略論を基礎から応用まで体系的に一貫して学ぶことにも意義があります。経営戦略の各理論が誕生した背景には、その時代の産業の発展段階が関わっています。経営環境の変化によって理論にも盛衰があるため、経営戦略論を真に理解するには歴史的な文脈とともに考えた上で整理することが重要です。単に知識として学んだだけでは不十分なのです。
 本講義では20世紀の文脈で形成された経営戦略理論を、21世紀の時代的背景に置きかえて議論することを求めるなど、ディスカッションを通じて「単なる知識」から「活かせる知恵」へと転換することを狙います。

 その上で、ブランド戦略については、本学の他科目ではあまり扱わない内容を中心に講じて、科目としてのオリジナリティを高めていきます。
達成目標
/Course Goals
 本講義の履修を通じて得られる能力・技能の達成目標は以下の通りです。

 ・経営戦略の理論についての全体像を把握し、自分の言葉で説明できる
 ・経営戦略論にもとづきながら、実践に適用しうるプランを構想できる
 ・ブランドに関する理論的知識を持ち、ブランド構築計画を策定できる
 
 経営戦略論は、主に工業製品分野を対象にした研究から発展した理論が多いのですが、そうした時代背景を理解しながら理論の全体像を把握しておくことが必要です。その上で、高度情報化社会での経営や、持続可能性が求められる現代的な課題において、有効な経営戦略を受講生が自分の言葉で説明できれば理想です。そのためには、演習を多く取り入れた講義が有効だと考えられます。
 よって本講義では、経営戦略論を応用して新しいサービス商品を構想したり、ビジネスプランを構想できる発想力をつけるべく、ディスカッション型の講義を全面的に取り入れていきます。
 さらに、本講義ならではの特徴として、経営戦略論のなかでもとくにブランド戦略について、重点的に学び、知識を獲得していただきます。将来的に、受講生がブランド戦略論を使ってブランド構築計画を策定できるよう、実践を意識した講義内容にしていく予定です。
授業内容
/Course contents
講義時間1:経営戦略論

1.【イントロダクション】:戦略と戦術、軍事戦略と企業戦略、組織は戦略に従う

2.【目標の設定】:ビジョン、ミッション、アイデンティティ

3.【経営環境】:カントリーリスク、企業社会責任、コーポレート・ガバナンス

4.【伝統と革新(1)】:企業成長論、アンソフ・マトリックス

5.【伝統と革新(2)】:イノベーションのジレンマ、、アントレプレナーの役割

6.【競争戦略】:ポジショニング(三つの基本戦略、5 Force)、バリューチェーン

7.【資源戦略】:リソース・ベースト・ビュー、コア・コンピタンス、VRIO分析

8.【ドメイン戦略】:成長マトリックス、事業コンセプト、ドメイン・コンセンサス

9.【デザイン経営】:デザイン思考、デザイン・ドリブン・イノベーション

10.【オープンとクローズド】:モジュール化、アーキテクチャ、デザイン・ルール

11.【ビジネスモデル】:事業システム、ビジネスモデル・キャンバス

12.【戦略論と地域】:クラスター論、立地論、産業集積、地場産業

13.【国の戦略】:観光立国、インバウンド・ビジネス、貿易協定と経済連携

14.【サービス経営】:サービス・ドミナント・ロジック、サービスデザイン

15.【総括】:まとめクイズとまとめ講義


講義時間2:ブランド戦略

1.イントロダクション:「ブランド」とはなにか?

2.日本と世界の「ブランド発展」略史

3.ラグジュアリー・ブランド(ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネル)

4.ブランド拡張(企業ブランドと製品ブランド)

5.ブランド体系(マスターブランド、サブブランド、個別ブランド、保証付きブランド)

6.ブランド・アイデンティティ(=ブランド・ビジョン)

7.顧客ロイヤリティのマネジメント(ファン・マーケティング、ブランド・アンバサダー)

8.ユーザー駆動型ブランディング(顧客の力をブランドづくりに徹底的に活かす)

9.デザイン志向のブランディング(デザインの力が誘発するブランド創造)

10.ネット社会のブランディング(ソーシャル・メディアはブランド戦略をどう変えたか)

11.地域ブランド篇1(ご当地ブランド:B級グルメ、ゆるキャラ、ふるさと納税、地理的表示保護(GI)制度)

12.地域ブランド篇2(観光地ブランド:日本型DMO、アニメ聖地巡礼、広域観光圏、ニュー・ツーリズム)

13.地域ブランド篇3(コミュニティ・ブランド:高級住宅地、エリア・マネジメント条例、コミュニティ・ベースド・ツーリズム)

14.地域ブランド篇4(プレイス・ブランディング:国のブランディング、産業クラスター創造、地域イノベーション創出)

15.総括:まとめクイズとまとめ講義
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
 一般に経営戦略論の大きな構成要素は、
  1.資源戦略
  2.競争戦略
  3.ドメイン戦略
の三分野とされています(榊原清則著『経営学入門』、日本経済新聞社、初版2002年・第2版2013年)。

 本講義の講義時間1「経営戦略論」においても、この三大要素を柱とした講義を展開するため、商学部で開講されている関連科目の未履修者には、三分野について予習・復習できる副読本を推薦しておきます。

 まず、日本で長年、経営戦略論の教科書として流通してきた『経営戦略論』(石井淳蔵・奥村昭博・加護野忠男・野中郁次郎著、有斐閣、初版1985年・新版1996年)においては、経営戦略の三大要素が、「第2章 競争戦略」、「第4章 ドメインの定義」、「第5章 経営資源展開の戦略」というように説明されています。

 また、大学学部向けの教科書として定評のある有斐閣アルマシリーズでは、『経営戦略』(大滝精一・金井一賴・山田英夫・岩田智著、有斐閣、初版1997年、新版2006年、第三版2016年)において、<第1部 戦略を立てる>のなかに、「第2章 事業領域の定義:ドメインという考え方」、「第3章 戦略の策定:経営資源の展開」、「第4章 競争の戦略:さまざまな次元」というように整理されています。

 以上のように、経営戦略論の三分野が網羅されている本であれば、上記に限らずどんな書籍でも構いません(別の授業用に購入利用したものでもOK)。学修にあたっての手引き書として利用できそうな本を手元に置いておかれるとよいでしょう。

 一方、ブランド戦略論については、比較的新しい理論であるために現時点では教科書として使える書籍がみあたらないので、講義が進むとともに授業内で紹介される参考文献を必要に応じてご参照ください。
使用教材
/Teaching materials
作成中(開講時に指示します)
*上記「事前学修・事後学修」欄も参照ください
成績評価の方法
/Grading
小テスト:20%
小レポート:20%
まとめクイズ:30%
発言点・参加度:30%
成績評価の基準
/Grading Criteria
秀(100-90):内容を完全に理解し、かつ独創的な考察力あるいは発想力を有する
優(89-80):内容を完全に理解している(知識を応用することができる)
良(79-70):内容をほぼ理解している(知識を保有している)
可(69-60):内容の一部を理解している
履修上の注意事項
/Remarks
・2講連続で15週にわたって開講される4単位科目
・ディスカッション形式の授業スタイルを含む
・発言点・参加度を示すためには予習が必要
・manabaアクセス環境が必要(スマホ or パソコン)
リンク先ホームページアドレス
/URL of syllabus or other information
https://www.otaru-uc.ac.jp/~uchida/
備考
/Notes
情報機器、視聴覚機器を講義の一部で利用
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
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