科目一覧へ戻る | 2023/03/17 現在 |
科目名/Subject | 社会計画 |
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担当教員(所属)/Instructor | 山本 充 (商学部) |
授業科目区分/Category | 夜間主コース 学科別専門科目 |
開講学期/Semester | 2018年度/Academic Year 前期/Spring Semester |
開講曜限/Class period | 火/Tue 6 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部夜間主コース/Faculty of CommerceNight School |
配当年次/Years | 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
研究室番号/Office | |
オフィスアワー/Office hours |
更新日/Date of renewal | 2018/02/15 | ||
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授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
本講義は、公共事業やイベント、プロジェクト事業などの経済波及効果の推計などに使用されている産業連関分析の理論と推計方法、および商業施設の立地に際して商圏内の顧客の分布や吸引力などの推定を行う商圏モデルについて解説する。産業連関分析の基礎となる産業連関表からは,各産業部門の費用構成や販路構成を読み取ることもでき,産業間の依存関係や地域内の産業構造を知ることもできる。また、商圏モデルからは、商業施設の魅力度が地域の消費者を吸引する度合などを知ることができる。 講義は,産業連関分析に関する内容が約3/4、商圏モデルに関する内容が約1/4で構成する。 産業連関分析に関しては、産業連関表の構造や見方を学習し,波及効果を推定する分析モデルを紹介し、モデルを使用した分析方法を解説する。また,演習として数値例を使用した事業の経済波及効果の推計を行う。こうした理論の学習と分析計算により,新聞やニュースなどで報道されている経済効果の理解力を養うことが本講義の主な目的である。 商圏モデルに関しては、商圏の定義や商圏把握のためのデータ情報、重力モデルやポテンシャルモデルを商圏分析に援用したモデルを解説する。また、ポテンシャルモデルによる分析例を紹介し、商圏モデルから得られる知見を商業施設の立地分析に利用できる理解力を養うことが本講義の第2の目的となる。 |
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達成目標 /Course Goals |
産業連関表の構造を理解し地域経済の構造(産業部門の販路構成や費用構成)やその変化を読み取ることができる能力を身につける。経済波及効果の意味を理解し、簡単な生産誘発効果分析ができるようになること。商圏モデルの構造、商業施設の魅力と消費者吸引の関係を理解し、商業施設の立地戦略の検討に情報を援用できるようになることが目標である。 具体的には、以下の通り。 1.産業連関表の構造を理解し、産業部門の販路構成や費用構成を読み取ることができる。 2.産業連関表から投入係数や輸入係数を算定し、基本モデルの構造が理解できる。 3.分析モデルを適用した簡単な波及効果を分析できる。 4.商圏モデルを理解し、買い物出向比率の算定と立地変化による買い物出向比率の変化を算定できる。 |
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授業内容 /Course contents |
地域経済社会において種々の計画策定を行う際には、地域経済の現状分析が不可欠であり、その分析を踏まえたプランニングが計画の信頼性や妥当性を確保することになる。本科目では地域全体を対象とした分析ツールである産業連関表を用いた地域経済の現状分析と需要の発生による地域経済への影響を分析できる産業連関分析についての解説が主たるテーマとなる。また、重力モデルやポテンシャルモデルを用いた商圏モデル分析についても解説する。 1.ガイダンス 2.産業連関表の見方 表の構成、内生部門(中間需要、中間投入)、外生部門(最終需要、付加価値)、輸入の取り扱いなど 3.産業連関表のタイプと基本モデルの導出 競争輸入型・非競争輸入型、生産者価格評価・購入者価格評価、産業連関モデルの前提条件、需給バランス式、投入係数、逆行列係数、均衡産出高モデル 4.産業連関分析の基本ツール レオンチェフ逆行列、ホーキンス・サイモンの条件、ソローの条件、影響力係数、感応度係数、競争輸入型モデル 5.数値例によるモデル導出の練習 投入係数行列、輸入係数、自給率、生産額ベクトル、中間投入ベクトル、需給バランス 6.輸入内生モデルによる生産誘発と付加価値への波及効果分析 消費・投資・輸出による生産誘発額・生産誘発係数、数値例による分析手順 7.均衡価格モデル 円価値単位、需給均衡式、収支均衡式 8.地域内産業連関表 競争輸移入型、非競争移入型、非競争輸入型、地域内表、各モデル式 9.産業連関表から見た北海道経済 北海道産業連関表、特化係数、域際収支、自給率など 10.地域内表による地域経済波及効果分析の事例 地域内モデルによる観光行動の波及効果の分析事例 11.数値例による地域経済波及効果分析の練習 競争輸入型の地域内モデル、需要(消費)ベクトル、一次波及効果の推定 12.地域間産業連関表とモデル式 競争輸移入型、非競争移入型・競争輸入型、地域間交易係数 13.商圏モデル 商圏の定義、商圏把握データ、グラビティモデル 14.商圏モデル ポテンシャルモデル、ハフモデル、分析例 15.数値例による商圏モデル分析の練習 商圏設定、ハフモデルによる商業集積の買い物出向比率の算出 |
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事前学修・事後学修 /Preparation and review class |
産業連関分析のモデルは、線形モデルであるので行列を用いた計算により結果の推定が行われる。このため、行列の四則演算や逆行列計算に関する数学の知識が必要不可欠である。また、こうした行列計算はスプレッドシートのマイクロソフト社エクセルを使用するため、エクセルにおける行列計算の方法と関数についての事前学修が必要である。 事後学修としては、課題としてモデル計算に必要な行列・ベクトルの算出、生産誘発額推定などをエクセルで行い、その結果を課題ファイルとしてmanaba上で提出を求める。 |
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使用教材 /Teaching materials |
授業時に資料配付する。配付資料はPDFファイルにてmanabaでも提供する。また、必要に応じて随時参考図書を紹介する。 | ||
成績評価の方法 /Grading |
成績評価は事後学修の課題により行う。課題提出は数回となる予定である。 個々の課題はABCDの4段階で評価し、ABCが合格ラインとなる。 成績は、提出された課題の評価を100点満点換算する。 |
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成績評価の基準 /Grading Criteria |
秀:成績が100点~90点、モデルの理論、構成要素の理解とその計算方法、推定結果が十分理解されている。 優:成績が89点~80点、概ね、モデルの理論、構成要素とその計算方法が理解されているが、一部に軽微な計算ミスや理解不足がみられる。 良:成績が79点~70点、モデルの理論は理解されているが、一部に構成要素の理解やその計算方法に理解不足がみられる。 可:成績が69点~60点、モデルの理論は理解されているが、構成要素の理解やその計算方法に理解不足がみられ適切な推定結果が得られていない部分が多い。 不可:成績が59点以下、課題提出不足、あるいはモデル構造や構成要素の計算方法に誤りが多く、理解が不足している。 |
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遠隔授業 /Online class |
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