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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/17 現在

科目名/Subject 坂柳 明 3年ゼミ
担当教員(所属)/Instructor 坂柳 明 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2018年度/Academic Year  前期/Spring Semester
開講曜限/Class period 木/Thu 4 , 木/Thu 5
対象所属/Eligible Faculty
配当年次/Years 3年 , 4年
単位数/Credits 0
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2018/02/21
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
  この授業の目的は、財務会計論及び監査論を深く学ぶことによって、卒業後社会人になり、どの組織に所属していても、貴重な人材とされているならば、必ず必要になるであろう、何が問題になっているのかを瞬時に見極めるための思考力(分析力、洞察力)を身につけてもらうことである。この授業は、配布する会計・監査関係の文献についての解説及び学生との討論、そして、学生による個人研究の発表によって行われる。
達成目標
/Course Goals
  この授業の達成目標は、以下の2つである。   

 (1):会計・監査を研究する上で、制度や文献上の知識を理解することは重要であり、そのことによって、公認会計士試験等の各種資格試験合格のための基礎を基礎が得られるようになる。

 (2):しかし、制度や文献上の知識による思考の呪縛を受けるのは、何か新しいものを生み出す上では、障害になる。文献や制度は、何が問題になっているのかを把握するための素材であり、自らが構築した理論によって分析される対象ではあるが、「与件」ではない。特定の状況に直面した監査人の対応や、特定の場面での会計処理が、現実の制度や文献で想定されている世界を尊重しながら、論理的にはどうなるのかを自分の頭でよく考えることや、そもそも議論になっている状況が十分網羅されているのかについての調査を行うことが、研究の第一歩であり、そうした地道な作業を経て形成された論理体系が、既存の考えに強固な理論的基盤を与え、新しい知見及びそれに基づく制度を生み出すことになる。
 この研究指導では、以上のような一連の営みを可能にするための思考訓練に重点を置きます。総じてこのゼミは、分析力を養うためのゼミです。

授業内容
/Course contents
表面的な知識による「言い合い」を避けるため、まず、指定する財務会計あるいは監査論のテキストとの関係で、いくつかの論点を解説する。このような解説を何回か行うことによって、3年生は個人研究を進め、報告することができるようになり、4年生は卒業論文の執筆を進め、報告することができるようになる。

これまでの研究指導では、例として、割賦販売の収益認識規準としてよく知られている、「回収基準(未実現利益整理法)」を取り上げた。(1):この基準(方法)のもとでは、①:「売上収益」の認識には、商品等の引渡し時点で売上収益を認識する「販売基準」が採用され、②:売上総利益の計算段階で、「繰延売上利益控除」と「繰延売上利益戻入」が考慮された上で、「回収基準に従ったとした場合の売上総利益」が計算されるが、売上についての収益認識規準として「回収基準」を採用すると言いながら、上記の①に見られるような、「売上収益の認識に「販売基準」を採用する」という考え(※)が、「企業会計原則 注解6」の、「割賦販売については、商品等を引渡した日をもって売上収益の実現の日とする」(傍線筆者)ことを根拠にしているとしたら、そのような考え(上記の※)には、どこまで合理性があるだろうか。 というのは、[1]:上記の「割賦販売については、商品等を引渡した日をもって売上収益の実現の日とする」という考えは、商品代金の回収が長期にわたる割賦販売を問題にする場合でも、収益認識規準として、割賦金の回収時点で売上収益を認識する「回収基準」ではなく、商品等を引渡した時点で売上収益を認識する「販売基準」が採用される余地がある旨を示しているに過ぎず、[2]:「回収基準」については、同じ「企業会計原則 注解6」の、「しかし、割賦販売は通常の販売と異なり…割賦金の回収期限の到来の日又は入金の日をもつて売上収益実現の日とすることも認められる。」(傍線筆者)で定められているに過ぎない、という解釈が成立するからである。この解釈に従うと、実務上採用されているかどうかではなく、研究上の議論として意味のある「回収基準」は、商品等の引渡し時点で、即ち、「販売基準」によって売上収益を認識し、売上総利益の計算段階で、「回収基準に従ったとした場合の売上総利益」を計算する、「回収基準(未実現利益整理法)」ではなく、割賦金の回収時点で売上収益を認識する「回収基準(対照勘定法)」ということになるが、(2):それにもかかわらず、「回収基準(未実現利益整理法)」が採用される余地はあるのだろうか。あるとしたら、その根拠はどこにあるのだろうか。 研究指導では、上記の(1)及び(2)のような論点を取り上げた。
  なお、以上の議論は、「回収基準(未実現利益整理法) VS. 回収基準(対照勘定法)」という図式に基づいて行われたが、この図式にとらわれないで、一から割賦販売の収益認識規準問題を考えた場合に、どのような議論が展開されるのかについて、関心のある学生さんは、sakayana@res.otaru-uc.ac.jpまで連絡頂ければ、と思います。懇切丁寧に説明します。
使用教材
/Teaching materials
  授業開始時に指定する。
成績評価の方法
/Grading
  この授業科目の成績は、授業に臨む態度、問題提起、及びそれに対するコメントの水準の合計点によって評価する。
成績評価の基準
/Grading Criteria
 「成績評価の方法」に記載した、授業に臨む態度、問題提起、及びそれに対するコメントの水準の合計点が、90点以上を「秀」、80〜89点を「優」、70〜79点を「良」、60〜69点を「可」、59点以下を「不可」とする。

 「秀」:授業内容をほぼ完璧に理解していること。
 「優」:授業内容を十分に理解していること。
 「良」:理解が不十分な点はあるが、授業内容をおおよそ理解し
ていること。
 「可」:理解が不十分な点は目立つが、授業内容の基本的な理解
はあること。
履修上の注意事項
/Remarks
「簿記原理」の単位を修得済みであることを研究指導履修の条件とします。「応用簿記」の単位は修得済みであることが望ましく、「財務会計論」は履修中であることが大変望ましいです。また、「簿記原理」の成績は、良い方がいいです。
 自らの主張と相手の主張が異なることだけで、自らの主張の優位性を強弁する「議論」をよく耳にします。この授業では、理不尽かつ不毛に見えるこうした「議論」ではなく、先に提示されている主張が合理的であるかどうかを、その主張が想定する世界(土俵)に入って十分に吟味した上で、その主張が不合理であれば、新たな主張を行う訓練をします。
総じてこの授業は、分析力を養うための授業です。なお、研究に誠実に取り組んでいない学生の評価は、低くなります。
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class
追加情報
/Additional information
地域(北海道)に関する学習内容を含む/Includes learning content on region(Hokkaido)
追加情報の詳細
/Detailed information on
additional information
  授業中に配布する、監査報告書及び関係する財務諸表の注記等の資料として、北海道の会社のものを取り上げます。
シラバス作成のためのガイドラインに従って作成した
/made this syllabus according to the guidelines

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