シラバス参照

授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/17 現在

科目名/Subject 比較文化III
担当教員(所属)/Instructor 佐々木 香織 (商学部)
授業科目区分/Category 昼間コース 学科別専門科目
開講学期/Semester 2018年度/Academic Year  後期/Fall Semester
開講曜限/Class period 月/Mon 2
対象所属/Eligible Faculty 商学部/Faculty of Commerce
配当年次/Years 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
研究室番号/Office
オフィスアワー/Office hours
更新日/Date of renewal 2018/02/28
授業の目的・方法
/Course Objectives and method
この授業は、講義を聞いて理解するだけでなく、その内容に関連する
A)プロジェクトをグループに分かれて実施したり、
B)与えられた議題について、
グループ討論をしたり、C)課題を自分で見つけて発表をしたりします。

具体的な内容としては・・・

― ICTやSkype電話やインターネット等を利用し、地域の外国人のニーズ、地域の行政担当者などの外国人に対する広報の課題などを調べて、日本人と外国人の立場の違いを理解し、日本人と地域の外国人が共生するために必要な情報を英語で発信します。

― アクティブリスニングやアサーティブコミュニケーションの技術を学び、それを使ったコミュニケーションの練習をし、実際に外国人との交流に応用します。

― 日本の生育環境では殆ど学ぶ機会のない、キリスト教とイスラムの概念、習俗、そして宗教史を概観し、宗教対立と宗教多元主義について議論します。

― 日本の仏教や宗教的な習俗を、俯瞰的な視座から眺められるように、自分化を相対する力をはぐくみ、他の宗教や習俗と比較しながら説明できるようにします。

― 中世の欧州とイスラム圏の交流、大航海時代の日本と中国と欧州の交流、ムガール期から現代にいたるまでのインド亜大陸での異文化・異宗教の交流と対立、オスマン・トルコ帝国領内での異文化交流、北米多陸における先住民と欧州人との交流、大航海時代における日本と欧州の交流など、かつての異文化交流の歴史を学び、現在との類似点と相違点を理解し議論をします。

― 異文化と言語と宗教の関係性を、幾つかの帝国を例(アメリカ合衆国、オスマン・トルコ帝国)にしながら概観します。
達成目標
/Course Goals
比較文化を含めた異文化理解と異文化コミュニケーションの能力を、
(1)急増する後志地方(ニセコ・倶知安・小樽など)在住外国人への調査と情報発信、
(2)異なる宗教の考え方とその歴史、
(3)多文化共生の在り方の違いと異文化交流の歴史、
の三方向から学びます。

その結果として・・・

(A)自文化や習慣を当然視することを乗り越え、他者の問題や誤解を理解し、かつ日本の習俗を他者に英語でわかりやすく説明する力を涵養します。その際に摩擦を最小限にし、win-win関係を構築しやすくする、アクティブリスニングやアサーティブコミュニケーションといった異文化コミュニケーションに必要な力が身につくようにします。

(B)宗教に対する自分たちの偏見、誤解、そして無理解を自覚し、できる限り相対化する身構えで、ユダヤ教、キリスト教、イスラム、仏教、シーク教、そして日本の民間信仰の概念と習俗と歴史を学び、それらを説明できるようにします。

(3)13-19世紀までの、現在と『異なる次元』で展開してきた異文化交流の事例を学び、異文化交流と異文化コミュニケーションの歴史的な差異、普遍性、そして多様性から、グローバル化といわれる時代における異文化交流のあり方を、自分で考える力を養成します。
授業内容
/Course contents
第1回:異文化交流、異文化コミュニケーション、そして異なる宗教と習俗について

第2回:異文化コミュニケーション① アクティブリスニングとアサーティブコミュニケーション

第3回:異文化コミュニケーション② コミュニケーションの練習;win-winを目指す

第4回:異文化コミュニケーション③ 地域の外国人の問題を聞き、理解し、問題を整理しよう!

第5回:キリスト教について

第6回:イスラムについて

第7回:中世キリスト教的世界観とその世界観の崩壊- 西欧キリスト教社会が東洋(イスラム圏と中国)に出会った衝撃

第8回: 異文化コミュニケーション④ 地域の外国人に対して、情報発信

第9回:イエズス会の東アジアにおける交流と欧州への影響 - 日本の南蛮文化を相対化する

第10回:帝国の異文化、言語、そして宗教 ― オスマン・トルコ帝国の多文化・他宗教・多言語、アメリカ合衆国の多文化・他宗教・多言語など

第11回:インド亜大陸における多文化・多宗教・多言語共存と交流・融合から対立への歴史 ― インドにおけるヒンズー、イスラム、シークと英語とキリスト教

第12回:異文化コミュニケーション➄ 地域の外国人から・へのフィードバックと情報発信 ― 文化・習俗の違いを乗り越えて

第13回:日本の仏教、民間信仰、習俗、国家神道、そして「伝統」文化。英国のキリスト教、民間信仰、習俗、英国国教会そして「伝統」文化

第14回:近代化と異文化交流の副産物としての、キリスト教のヴィクトリアンモラル、日本の儒教的な良妻賢母、そしてイスラムにおける女性のヴェール着用に対するジェンダー・イスラム・ナショナルアイデンティティ的な意味付与 ―特有と呼ばれる「伝統」と「異文化」の中の「共通性」を発見し、議論する。

第15回:プレゼン ― 異文化交流とコミュニケーション。その歴史性、普遍性、意義、課題
事前学修・事後学修
/Preparation and review class
グループで授業前の準備学習が必要です。
使用教材
/Teaching materials
参考書
書名 異文化コミュニケーションを問いなおす
著者 ピラー, イングリッド 出版社 創元社

Further Reading
Title: Intercultural Communication
Author: Piller, Ingrid;  Publisher:  Edinburgh University Press
成績評価の方法
/Grading
平常授業での貢献  25 %
地域の外国人とのコミュニケーション・プロジェクト  35%
発表 20%
発表に関するエッセイ・レポート        20%
成績評価の基準
/Grading Criteria
(秀) 
異なる宗教と文化に内包する歴史性と近代性、ならびに異文化交流過程を深く理解できる。その理解を現代のグローバル化の文脈に適切な形で応用し、現代的な異文化理解の問題に対し、自分なりの考え方を、他者を適切に尊重し、他者の立場からでもわかりやすい形で、自分の考えを説明できる。

(優)
異なる宗教と文化に内包する歴史性と近代性、ならびに異文化交流過程をよく理解できる。その理解を現代のグローバル化の文脈に応用し、現代的な異文化理解の問題に対し、自分なりの考え方を、他者を尊重し、他者の立場からでもわかりやすい形で、自分の考えを説明できる。

(良)
異なる宗教と文化に内包する歴史性と近代性、ならびに異文化交流過程を理解できる。その理解を現代のグローバル化の文脈に応用し、現代的な異文化理解の問題に対し、他者を尊重して自分の考えを説明できる。

(可)
異文化や異なる宗教に内包する歴史性を理解し、現代のグローバル化の文脈に応用し、現代的な異文化理解の問題に対し、自分なりの考えを説明できる。

(不可)
上記項目の習得が不十分である。
遠隔授業
/Online class
遠隔授業/Online class

科目一覧へ戻る