科目一覧へ戻る | 2023/03/17 現在 |
科目名/Subject | 財務会計論 |
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担当教員(所属)/Instructor | 石川 業 (商学部) |
授業科目区分/Category | 昼間コース 学科別専門科目 |
開講学期/Semester | 2018年度/Academic Year 後期/Fall Semester |
開講曜限/Class period | 火/Tue 1 , 金/Fri 1 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部/Faculty of Commerce |
配当年次/Years | 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 4 |
研究室番号/Office | |
オフィスアワー/Office hours |
更新日/Date of renewal | 2018/02/28 | ||
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授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
企業の良し悪しは、なにを根拠にして、どのように評価したらよいでしょうか? 結果としての業績以前に、商品・製品・サービスの質や経営戦略のあり方も重要だとすると、いわゆる企業価値はどう測定されることになるのでしょうか? さらに、従業員・株主への待遇にも目を向けるなら、福利厚生費・給料や配当はどれだけ支払われるのが適切でしょうか? こういった問いに直面するとき、財務会計が手助けをしてくれます。財務会計は、(検定や国家資格の試験科目である以前に)企業経営や資本市場の現場で、経営者や投資家自身によって工夫・構築されてきた道具です。そういう側面についての実感を得てもらうこと、それをこの授業の目的にします。 この目的にもとづき、講義でもまずは財務会計の仕組みを解説していきます。ただ、その「内側」の解説だけに終止せずに、「外側」の現実世界での財務会計の使われ方についても、ある意味での限界とあわせて紹介します。それらの知識なしに日常的な直感で、企業経営だけでなく会計(数値)までも語ろうとする商大生が減るように、です。 この授業はカリキュラム上、「簿記原理」「応用簿記」で得られているはずの土台を基礎・前提にして、財務会計の基礎(概念)を伝える、という位置づけを想定しながら進められます。これだけでも重大な役割ですけれども、それに加えて2年生以上が履修できるほかの財務会計系(さらには管理会計系)の発展科目への橋渡し・連動も意識されています。 授業の方法・進め方としては講義形式が採られますが、履修者からの発言・発表や教員との対話にウェイトを置いた進行を予定しています。ただし、成果があいまいになりやすいグループ・ワークは意識的に避けて、履修者それぞれの取組み(努力)が最大限に尊重・評価されるよう工夫します。 |
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達成目標 /Course Goals |
類似した名称の科目では一般的に、財務会計に関する法令や基準の解説が行われるというのが通常であるようです。しかしそこで得られる知識を活用できるのは、せいぜい検定・国家試験の受験者までで、民間企業に勤める人たちにとっては、それほど役に立つ講義ではなかったかもしれません。 そこでこの授業では、後者の人にも前者の人にも、上に示した目的のもとで成長してもらえることを達成目標にします。より具体的には、ゼミ等で会計(学)を専攻しているかどうかとは無関係に、関心のある企業の会計数値を理解・分析して、その業績を評価するという作業を、履修者自身で成し遂げられるようになってもらうことが達成目標です。 なんらかのマニュアルに従って会計数値の大小を論じたり指標を解釈することは、多くの人にとって達成可能ではあっても、相当に機械的な作業・判断につながりやすくなります。他方で、そこに財務会計の基礎概念(やそれ以外の専門知識)の裏打ちや駆使を伴わせられるかどうかが、その作業・判断の実質ひいては成否を大きく左右します。だからこそここでは、履修者の自発性を重視した目標が設定されています。 |
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授業内容 /Course contents |
1.財務会計の機能 2.財務会計の基本構造 3.棚卸資産、固定資産、金融商品 4.繰延資産、研究開発費、引当金、退職給付 5.制度会計の構造 6.制度会計の必要性 7.純資産(資本)の部の計数と表示、剰余金の分配 8.企業結合会計 9.税効果会計 10.日本の制度会計の効率性と安定性 |
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事前学修・事後学修 /Preparation and review class |
この授業の目標は上に示したとおり、関心のある企業の会計数値を理解・分析して、その業績を評価するという作業を、履修者自身で成し遂げられるようになってもらうことです。 その目標に照らして、次のことを【事前学修】として期待します。 ・どのような企業に魅力を感じるか、それはなぜか、その企業を取り巻く環境はどのようであるか、業績はどうなっていると推定できるか…といった、特定の企業についての事前のイメージを、できるかぎり明確にしてくること。 また、授業のあとには、次のことを【事後学修】として期待します。 ・これまでに得てきたほかの専門科目の知識を総動員しながら、会計数値に目をとおすことができたか否かを確認すること(会計についての理解は、経済・経営についての理解があってこそ、いっそう深まります)。 ・授業を受ける前の自分と比べて、特定の企業に対する見方が変わっているか否かを、その理由とあわせて確認すること(将来の自分の「居場所」もイメージしながら確認できると、より望ましい)。 |
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使用教材 /Teaching materials |
担当教員が作成する資料をもとに授業を進める予定です。 | ||
成績評価の方法 /Grading |
満点を100点として、次の配点により評価します。 ・30点:中間試験【口頭試験またはレポートを予定】 ・35点:定期(期末)試験【筆記試験を予定】 ・35点:受講姿勢・授業中の発言【教室に来るだけでは点数はつきません】 |
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成績評価の基準 /Grading Criteria |
秀(100-90):財務会計論を、柔軟・誠実な姿勢で、よく理解した。 優( 89-80):財務会計論を、柔軟・誠実な姿勢で、ほぼ理解した。 良( 79-70):財務会計論を、よく理解した。 可( 69-60):財務会計論を、ほぼ理解した。 不可(59- 0):上記以外。 |
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履修上の注意事項 /Remarks |
この授業の内容は、「簿記原理」「応用簿記」履修済みを前提としています。 それ以外のことは、初回のオリエンテーションで伝えます。 ちなみに、この授業の履修を検討される場合は、オリエンテーションの聴講を強くおすすめします。欠席しても履修は可能ですが、なんとなく履修しても意義を大きくできる、というタイプの授業ではありません。 |
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遠隔授業 /Online class |
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