科目一覧へ戻る | 2023/03/17 現在 |
科目名/Subject | 坂柳 明 4年ゼミ |
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担当教員(所属)/Instructor | 坂柳 明(商学部) |
授業科目区分/Category | 昼間コース 学科別専門科目 |
開講学期/Semester | 2017年度/Academic Year 前期/Spring Semester |
開講曜限/Class period | 火/Tue 4,火/Tue 5 |
対象所属/Eligible Faculty | 商学部昼間コース/Day School |
配当年次/Years | 3年,4年 |
単位数/Credits | 12.0 |
研究室番号/Office | |
オフィスアワー/Office hours |
更新日/Date of renewal | 2017/02/24 | ||
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授業の目的・方法 /Course Objectives and method |
この授業では、財務会計論及び監査論を深く学ぶことによって、 卒業後社会人になり、どの組織に所属していても、貴重な人材とさ れているならば、必ず必要になるであろう、何が問題になっている のかを瞬時に見極めるための思考力(分析力、洞察力)を身につけて もらう。 この授業は、「財務会計論」等の会計系の科目を一通り履修した後に 受講する授業である。 |
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達成目標 /Course Goals |
この授業の達成目標は、以下の2つである。 (1):会計・監査を研究する上で、制度や文献上の知識を理解 することは重要であり、そのことによって、公認会計士試験等 の各種資格試験合格のための基礎を基礎が得られるようになる。 (2):しかし、制度や文献上の知識による思考の呪縛を受けるの は、何か新しいものを生み出す上では、障害になる。文献や制度 は、何が問題になっているのかを把握するための素材であり、構築 した理論によって分析される対象ではあるが、「与件」ではない。 特定の状況に直面した監査人の対応や、特定の場面での会計処理が、 現実の制度や文献とは別に、論理的にどうなるのかを自分の頭で よく考えることや、そもそも議論になっている状況が十分網羅され ているかを調査したり、問題になっているトピックの経済的背景を 考えることが研究の第一歩であり、そうした地道な作業を経て形成 された論理体系が、既存の考え方に強固な理論的基盤を与えたり、 新しい制度なり知見を生み出す契機になる。この研究指導では、 以上のような一連の営みを可能にするための「頭の訓練」を重視 する。それによって、卒業後社会人になった後、何かの主張を分析 しながら理解し、その分析に基づいて意思決定することが可能にな る。 |
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授業内容 /Course contents |
(1):咀嚼していない表面的な知識による「言い合い」を避ける ため、まず、指定する財務会計あるいは監査論のテキストの解説を 行う。これまでは、①:変動利息を支払う形の借り入れを行って いるA社が、利払いについてのキャッシュ・フローの変動をヘッジ するために、「固定利息支払い・変動利息受け取り」の金利スワッ プ契約を結ぶことによって、結果として「固定利息支払い」の 借入金を負担することになる場合に、当該金利スワップ契約を A社が容易に解除できるかどうかを吟味することになしに、 「当該「固定利息支払い」の借入金について、A社が金利変動に 伴う価格変動リスクを負う」と主張してよいか、②:企業会計 基準第21号に見られる「条件付取得対価」として株式が「交付」 される場合に、仕訳の貸方に「未払金」を認識することは、 当該株式の「交付」が株式の「発行」ではないことを意味する にもかかわらず、同じ仕訳の借方に「のれん」を認識すること について、合理的な説明は可能か、等の論点に触れた。 なお、テキストの解説を行う過程で、こちらが課題を出すことが ある。 (2):ある程度テキストの解説が進んだ後、担当者を決め、その 担当者に、自分がわからないところ、自分はこのように考える といった「問題提起」を事前に(目安は1週間前に)いくつか提出 してもらう。 (3):当日は、発表者と参加者がその問題提起をもとに議論する。 (4):4年生には、卒業論文の中間発表を適宜行ってもらう。 |
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使用教材 /Teaching materials |
授業開始時に指定する。 | ||
成績評価の方法 /Grading |
この授業科目の成績は、授業に臨む態度、問題提起、及びそれに対する コメントの水準の合計点によって評価する。 |
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成績評価の基準 /Grading Criteria |
「成績評価の方法」に記載した、授業に臨む態度、問題提起、及び それに対するコメントの水準の合計点が、90点以上を「秀」、80〜 89点を「優」、70〜79点を「良」、60〜69点を「可」、59点以下 を「不可」とする。 「秀」:授業内容をほぼ完璧に理解していること。 「優」:授業内容を十分に理解していること。 「良」:理解が不十分な点はあるが、授業内容をおおよそ理解し ていること。 「可」:理解が不十分な点は目立つが、授業内容の基本的な理解 はあること。 |
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履修上の注意事項 /Remarks |
「簿記原理」の単位を修得済みであることを研究指導履修の条件と します。「応用簿記」の単位は修得済みであることが望ましく、 「財務会計論」は履修中であることが大変望ましいです。また、「簿記 原理」の成績は、良い方がいいです。 自らの主張と相手の主張が異なることだけで、自らの主張の優位性を 強弁する「議論」をよく耳にします。この授業では、理不尽かつ不毛に 見えるこうした「議論」ではなく、先に提示されている主張が合理的で あるかどうかを、その主張が想定する世界(土俵)に入って十分に吟味 した上で、その主張が不合理であれば、新たな主張を行う訓練をします。 総じてこの授業は、分析力を養うための授業です。なお、研究に誠実に 取り組んでいない学生の評価は、低くなります。 |
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遠隔授業 /Online class |
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