2020.09.24
後期授業に向けて(学長メッセージ)
学生の皆さんへ
本学では9月28日から後期の授業が始まります。
前期は新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、学生の皆さんそして教職員の皆さんの安全を最優先し、なおかつ学びの機会を学生の皆さんに提供し続ける必要から、すべての授業を遠隔授業としました。
遠隔授業は学生の皆さんにとって初めての経験であり、対応に苦慮されたと思います。アンケートでも一人で勉強することのストレスや友人を作れないことへの不安、授業内容への不満など皆さんから多くの意見を頂きました。
教職員にとっても遠隔授業は初めての試みでした。4月に遠隔授業に向けた研修を行いました。また、先生方は多くの時間を割いて遠隔授業の準備を進めてくれました。
後期は遠隔授業を基本としながら対面授業を一部再開します。限られた教室のキャパシティのなかで皆さんの安全を考慮し、三密を避けながら授業を行える科目は基礎ゼミや研究指導、少人数クラスなどに限られ、大教室を使う講義形式の授業は基本的に遠隔授業となります。残念ながら本学ではソーシャルディスタンスを確保しつつ100名以上の受講者を収容できる教室が2つしかありません。また、学内の通信環境も現時点では多くの学生が一斉にZoomに接続した場合に対応できるものとはなっていません。
対面授業に向けて大学としても感染予防の徹底に努めますが、皆さん一人一人の感染予防への協力が不可欠です。本学の場合、札幌から通学する学生が多く、これに伴うリスクもあります。日頃からニューノーマルを意識した行動を心がけてください。
部活やサークル活動についても7月10日以降、段階的に制限の緩和を行ってきました。以前のような自由な活動はまだできませんが、これからも状況に応じて緩和していきたいと思います。9月17日から4回にわたり1年生向けのオリエンテーションを実施しています。今後も感染拡大防止に留意しながら学生の皆さんの交流機会や部活、サークル活動の拡充に取り組みたいと思います。
前期の経験から私たちは遠隔授業の利便性と対面授業の重要性を学びました。遠隔授業により、いつでもどこでも学ぶことができます。また、このような教育手法はすでに諸外国では導入されており、多くの単位を遠隔授業で修得することができる大学もあります。ただ、本学では準備期間が短くコンテンツの充実や向上にまで至らなかったことも事実です。先生方は前期に続き後期も研修などを通じてコンテンツの改善を進めています。一方で、遠隔授業は視覚と聴覚のみを使うものであり、対面授業や実習に比べコミュニケーションの密度が限られます。私たちはコロナ禍で人と人とが直接言葉を交わすことの重要性を再認識したといえます。
今後の授業を考えると遠隔授業のメリットと対面授業のメリットを最大限に生かせる組合せを考えることになると思います。これまでの学生の皆さんからのアンケート結果も参考にしながら、本学の特色を生かした教育の在り方を考えていきたいと思います。
また、前期は経済的支援を必要とする学生の方々へ同窓会組織「緑丘会」及び「小樽商科大学後援会」から緊急の支援を頂き、それを原資として給付型奨学金を支給することができました。後期についてもアンケートの結果などを踏まえ、学生の皆さんの修学支援、学びの維持について引き続き検討していきたいと思います。
今、世界は大きく変わろうとしています。そして私たちはその変化の真っただ中にいます。日本では遅れていたデジタル化が一気に進み始めました。遠隔授業やテレワークなど未来のことだと思っていたものを突然始めることになりました。これはニューノーマルへの適応であり、コロナ禍が収束した後も後戻りすることはないでしょう。社会科学を学ぶものとして是非この変化をしっかりと観察し、自分自身の将来を考える際の糧としてほしいと思います。
令和2年9月24日
小樽商科大学長 穴沢 眞
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