社会貢献・産学連携

第9回 一日教授会×マジプロ2010 議事要旨(H22.12.5開催)

  平成22年12月5日,小樽経済センタービルにおいて,市民の方々との意見交換会「一日教授会」が開催されました。第9回を迎える今回は「一日教授会×マジプロ2010」と題して,本学の正課授業「地域連携キャリア開発」(通称:本気(マジ)プロ)の成果発表会との合同開催となりました。

 始めに第1部として「一日教授会」が行われました。山本学長から小樽商科大学創立百周年記念事業の概要の説明がなされた後,「商大におけるキャリア教育」をテーマとして,報告と意見交換が行われました。

 第2部では学生が中心となり,「商大生と市民が小樽の活性化について本気で語る会」として,ワークショップ形式でマジプロの成果を発表し,市民の方々と意見交換を行いました。

 

第1部「一日教授会」

 山本学長

 一日教授会は第9回目の開催となりました。昨年第8回を開催した際,こちらの設定したテーマとは別に学生の活動について触れたところ,市民の皆様の関心がそちらに集中したということもあり,今回は特に学生活動を中心とした取り組みを紹介するということで,「一日教授会×マジプロ2010」という形での開催となりました。

 本日私からは,来年創立百周年を迎える本学の,百周年記念事業の概要についてご説明いたします。

 一番大きな事業は,学生寮の復活です。初代校長の渡辺龍聖は,新入生は基本的にすべて寮生活をさせる,という基本方針を持っており,4棟の学生寮を建設しました。戦後には新築もされたのですが,1970年代の学園紛争のあおりで,寮費負担等を巡って寮生側と大学側の間の係争を経て,1984年に廃寮となり,それ以来本学は寮がない状態となっておりました。今回百周年を期に,学生寮を復活させるということを記念事業の大きな目玉として工事を進めて参りましたが,現在外観はほぼ完成し,2月竣工・4月から入寮のスケジュールで,7月の緑丘百周年祭は,寮生がいる状態で迎えることができそうです。

 それ以外には,合宿研修施設の改築,史料展示室の整備などを行いました。史料展示室はいつでも解放しておりますので,ぜひお越しください。

 また,来年の7月9日・10日の緑丘百周年祭を始めとして,一年中何かしらのイベントを行っていく予定ですので,市民の皆様にもぜひ商大にお越しいただき,共に百周年を祝っていただきたいと思います。

 もう一つ,本日のテーマである「キャリア教育」に関連するのですが,これは本学のモットー「実学,語学,及び品格」のうち,「実学」と大きく関わりがあります。本学で言う実学には独特の意味合いがあります。初代の渡辺校長の頃から,簿記や経営学といった個々の学問をいくら極めても実際の商売はできない,そうした学問を総合して実践する力が必要である,という考えがありました。そしてこの総合する力を身につけさせるためにビジネススクールなどで取り入れられているのが,様々な商売の事例(ケース)を研究するという手法で,これが本学で言うところの「実学」です。本学では古くから「商業実践」などの科目を設けて,模擬的に貿易実務などを行ってきました。学内に石けん工場を造った事例などもあります。

 キャリア教育やマジプロも,個々の学問に留まらず,それらを総合し応用する力,全体を見渡す目を養わせるためのもので,渡辺龍聖の理念の復活とも言えます。これらを踏まえて,本日の一日教授会についても,ご意見がいただければと思います。

和田総務・財務担当副学長

 一日教授会も9回目となりますが,最近は市民の皆様は学生の地域での活動に関心が深いようです。これまでの一日教授会でご紹介してきたのは学生たちの自主的な活動でしたが,今回は正課教育の一端をご紹介したいと思います。

 今回のテーマはキャリア教育ということですが,これは最近我が国の大学教育における重要な課題とされております一方,「キャリア教育とは何か」ということには様々な意見があり,その内容についても各大学で異なっています。

 そこで,本学におけるキャリア教育の統括責任者である大矢教育担当副学長から「商大におけるキャリア教育」,実際にキャリア教育を推進されている大津准教授から「地域活性化を目指したキャリア教育」というテーマで,それぞれお話をいただきたいと思います。

 なお,第2部で行われます「商大生と市民が小樽の活性化について本気で語る会」は,本学の正課授業「地域連携キャリア開発」の一環で,学生が取り組んだ課題について発表する場となっております。

 大矢教育担当副学長

 キャリア教育というものは,最近はどこの大学でもそのような名前で取り組んでおりますが,私からは本学におけるキャリア教育の考え方についてお話しいたします。

 キャリア教育という言葉は「職業教育・指導」などと訳すこともできますが,私たちはそれよりも広い意味で考えております。

 「キャリア教育」という言葉にははっきりとした定義はありませんが,各大学が試行錯誤しながら取り組んでいく中で,大まかな共通認識ができてきているようです。

 大学は,小学校から始まる教育の最後のステージであると言えます。卒業後は社会に出る,つまり保護された環境を離れて,自分の頭で考え,自分の責任で生きていくことになります。そうなるとどうしても仕事に就くということになりますが,仕事は人生と同義であり,これはアルバイトのようにただお金を稼ぐという考えでは続きません。大学という教育機関は,やりがいのある仕事を見つけ,有意義で喜びのある人生を送る,その前段の最後のステージであるわけです。

 ではそのために,大学ではどうしたらいいのか。まず,バランスの取れた幅広い視野をもち,またそれぞれの専門分野について深く考え,一つの路に専心することで普遍的な力を身につける,それに加えて高い志を持つ,この「広さ」と「深さ」と「高さ」を目指していく中で,これからの人生について,自分の幸せについて,しっかりと考えることが必要になります。

 キャリア教育とは,この「広さ」と「深さ」と「高さ」について,学生たちにいち早く気付かせ,自発的に考えさせるためのものです。これはいわば大学教育そのものと重なってきますが,キャリア教育はそうした広い意味を持つ言葉だと考えております。

 具体的にはどのようなことを行っているかといいますと,「学び力」をキー概念として「キャリアデザイン10年支援プログラム」を推進しています。これは高校3年間,大学4年間,そして卒業後3年間に渡って,上級生と下級生,OBと学生というように,世代間を越えて相互に教育しあうというものです。このような教育は,学生たちが成長していく様子を間近に見ることができ,私たち教職員にとっても大きな喜びを感じさせてくれます。

このようにキャリア教育という言葉は大きな意味を持ち,大学本来の役割を凝縮したものであるとも言えるのです。

 最後に,本日の一日教授会において,市民の皆様にお願いしたいことがあります。先ほど申し上げました「世代間での学び合い」における,もう一つの大きな要素に,学生と社会人,あるいは市民との学び合いがあります。学生が街に出て活動することには,地域活性化ということの他にも,学生が地域の大人と接することで,その生きる姿勢を大きく学べるという意義があります。例えばインターンシップでは,学生が企業の中で仕事を体験するわけですが,そこではアルバイトとは違う,仕事をしている方々の様子を間近に見ることができ,それが大変勉強になるのです。これがキャリア教育の目的である世代間の交流ということですので,市民の皆様,企業の方々には,学生たちにぜひそういう姿を見せていただきたいと思います。

 大津 晶准教授

 本学のキャリア教育の一環として,「地域連携キャリア開発」(マジプロ)がどのように位置づけられているかについて,お話しいたします。

 キャリア教育と聞くと就職支援を思い浮かべる方も多いと思いますが,私たちが目指すのは「就職支援をしなくてもよくなるキャリア教育」です。もちろん本学は充実した就職支援を行っていますが,本質はそこではなく,自分の力で自立的に人生を切り開いていく力を身につけさせるためには,温室的な就職支援は結局学生のためにならない,ということなのです。

 この考え方の下,地域の中での具体的な活動についても少しお話しします。本日後半で成果発表会を行います「マジプロ」は,学生が小樽市から課題をいただき,その解決に取り組むというもので,「学生が主役となった地域貢献活動」と言われることが多いですが,これをキャリア教育という観点からご説明しますと,「地域の資源を活用して実施する,実践的キャリア教育」と位置づけられます。つまり,学生は地域貢献をするというだけでなく,活動の中で大人から学んで成長していく,ということをシステマティックに行っているのです。そのために課題も,小樽市の抱えている実際の問題をいただいています。本学と小樽市とは包括連携協定を結んでおり,本学側ではビジネス創造センターが中心となって様々な活動を行っていますが,マジプロもその一つです。

 マジプロはいわば現代版の「商業実践」で,学生には普段大学で学んでいることを如何に実際の問題に応用するか,現場からどのような問題をくみ取ることができるかということを課題として与えています。現場の方々には,学生の斬新な発想や行動力を受け取っていただきたいと思っています。試行錯誤しながら3年間やって参りましたが,その中で経済産業省の想定する「社会人基礎力」を育成するモデル事業にも選定されました。

 私は専門が都市計画なのですが,まちづくりは住民が主体的に取り組むということが基本です。学生がアイディアを出して終わりではなく,それをきっかけとして,学生と市民が一緒になって街づくりを考えていただきたいという思いで,昨年からワークショップという形で成果発表会を行っています。

 このプロジェクトを通じて,学生には主体性,相手の話に耳を傾ける傾聴力,礼儀やマナーなどの規律性といった,社会で当たり前に求められる力を,身体で覚えてほしいと思っています。

 「キャリア教育10年支援プログラム」について申し上げますと,先ほど学長が,初代渡辺校長が新入生は基本的に全員寮生活をさせるという方針だったとお話ししていましたが,私たちも5年前から,新入生を対象としたキャリア教育の合宿を行っています。また本学同窓会である緑丘会のご協力により,OBに職業人生についてお話ししていただくエバーグリーン講座ということも行っています。高校生を対象とした出前講義でも,実際の演習に近いものを提供し,大学入学だけを目的としない,卒業後についても目標を持たせるようなものにしたいと考えています。

 この10年支援プログラムの中でもマジプロは大きな意味を持っていまして,それは地域の人々や風物の持つ力,いわば地域力の中で学生を磨いていただくということです。この後の成果発表会では,学生の学びのため,そして大学と地域のよりよい関係を模索するために,取り上げた課題について,またプロジェクトそのものにつきましても,ぜひ建設的なご意見をいただきたいと思います。

 

○和田副学長

ではここで,これまでの報告についての意見交換を行いたいと思います。

 

◆大矢副学長にお聞きしたい。今,キャリア教育が必要になってきた時代背景とは何なのか。大学進学率の上昇により,大学生のエリート性が薄れ,昔の学生が持っていた上昇志向が失われたということなのか。

○大矢副学長

 確かに,今や大学進学率は50%を超えており,社会も,入学する学生自身も,大学生がエリートであるとは見なしていません。企業の方でも,かつてのような新入社員を社内で教育するというゆとりを失っています。昔の学生の方が志高く,よくものを考えていたのかといいますと,私は今も昔も学生の本質は大きく変わっていないと思います。ただ,今は大人社会に余裕がなくなり,効率を重視せざるを得なくなっていることから,それを反映して気概が弱まっているのではないかと思います。

 

◆小樽案内人として観光ガイドを行っていた際に,商大生と知り合う機会があった。その学生はこちらの説明に熱心に耳を傾け,小樽の歴史を勉強し,小樽案内人の資格も取得して,地域に貢献したいと言っていた。このような学生と出会えたのは,先ほどお話しのあった世代間の交流としても,とてもいいことだと思う。学生が大学で勉強するだけでなく,街に出て実践するということはとても大切で,マジプロの活動は評価できると思う。

○大津准教授

 マジプロを評価していただいて喜んでいます。後半の発表の中に,小樽の歴史的建造物の活用に取り組んだチームがありますが,たまたまその中には小樽出身者がおらず,小樽について調べていく中で興味を持って,小樽案内人2級の資格を取得する者も出ました。そして学んだ知識を小学生に伝える活動も行っており,世代間のコミュニケーションの成立として,私たちも手応えを感じています。

 

◆学生寮について,復活させる教育的な目的と,考えられる効果についてお聞きしたい。

○山本学長

 私はむしろ大学に寮がないということの方が不思議だと思っています。英語で大学を指す「college」は,元は寮の意味であり,キャンパス内に24時間学生がいて活気のある状態こそが,真の大学であると考えています。

 効果という点で申しますと,キャンパス内に住環境を提供することで,全国から学生に来てもらえるということがあります。現在は学生の9割以上が道内出身者ですが,やはり大学には様々な背景の学生が集まり,同じ釜の飯を食い,切磋琢磨することが望ましいと考えています。これは渡辺龍聖校長による「品格の育成」の継承でもあります。

◆キャンパス内に24時間学生がいるということになれば,図書館などの施設も24時間開放することになるのか。

○山本学長

理想的には,そうです。いずれ実現したいと考えています。

◆寮費はいくらくらいになるのか。

○山本学長

現在検討中ですが,食費を除いて1ヶ月3万円以下に抑えたいと思っています。

◆学生寮を実際に運用するに当たっては,学生の飲酒事故等にはくれぐれも注意してほしい。

○大矢副学長

 確かに日頃,飲酒に関する問題には悩まされています。万一飲酒事故が起こった場合の対応についても,繰り返し教育していくつもりです。これも大人社会の変化の影響と言えるかもしれませんが,昔は居酒屋などにも「18才未満飲酒禁止」の看板が立てられていたものですが,今は飲み放題の店が増え,短時間で大量に飲酒してしまいます。また小樽には優しい方が多く,学生が粗相をしても許してしまう傾向があります。しかしそれに学生が甘えるようになってはいけないわけでして,後始末などはしっかりするよう,厳しく教育していきたいと思います。

 

◆キャリア教育を通じて社会人としての基礎的な力を身につけさせるという話について,こういう取り組みで定量的な評価は難しいと思うが,教育者として学生の変化などの実感はあるか。

○杉山教育開発センターキャリア教育開発部門長

 定量的な評価としましては,学生の自己肯定感があります。努力が成果に結びつくという体験を通して,キャリア教育の前後で自己評価が増し,自分の人生を切り開いていく自信がつくという効果があったと感じております。

 

◆最近は町内会の活動に参加する若者が減っている。町内会の行事などで,若者が大人と一緒に準備や後片付けをし,交流する中で,人生経験や社会について学ぶことができる。大学には町内会の方にも目を向けていただきたい。

○和田副学長

これはマジプロの新たな方向性になりそうです。

○大津准教授

今日参加している学生諸君は,どのような交流活動を行っていますか。

○(学生)

 昨年のマジプロで「商大生が小樽に住むには」という課題に取り組みましたが,その中で私たちは,小樽の魅力は人と人との繋がりであると考えました。そこで,商大生が小樽に住むには,そこにいる社会人の方々と交流することが必要だということで,現在年4回の交流会を行っています。その交流の中でもいろいろなことを話し合い,実現できるものは実現していきたいと考えています。

 

○和田副学長

 本日は皆様から貴重なご意見をいただき,ありがとうございました。全般的に,本学の教育に対して声援をいただくことができ,うれしく思います。

学生寮も世代間の交流による教育の場ですので,事故には注意しつつ,活かしていきたいと思います。

 キャリア教育には多くの教職員が関わっておりますが,課題も多く,試行錯誤を繰り返しています。これは長く続けて行かなくてはならない取り組みですので,どうぞこれからも市民の皆様にはご協力いただきたいと思います。

 

第2部「マジプロ2010」

 「商大生と市民が小樽の活性化について本気で語る会」として,ワークショップ形式でマジプロの成果を発表し,市民の方々と意見交換を実施しました。内容は以下のとおりとなります。

○中国・ロシアへの小樽PR戦略

<中国チーム>

中国チームは小樽を中国にPRするという大きなテーマで活動してきました。

 団体旅行での小樽観光のやり方では十分小樽のファンになっていただけないとの問題意識から、個人旅行客を増やすことを課題とし、商大の留学生の協力を得ることや、コールセンターにいる通訳を介して、観光客とコミュニケーションを図るなどの言語対応を提案しました。

●指摘点

中国人が何を求めているのか、どうすれば満足のいく旅行が出来るかなどの調査が不十分などのご指摘をいただきました。

●市民からの問題提起

・小樽では簡単な(名称など)外国語表示すらない

・外国人に対し日本語でしか話さず、英語での挨拶すらしない

・せっかくの中国語表示でも表記上のミスが目立つ

 この問題点を市民と議論し、留学生に協力してもらい、中国語を小樽の商業に持ち込む仕組み作りをすること(組合と留学生の団体など組織同士での語学研修やメニューなどの表記の校正)を学校全体としてのプロジェクトにして行う。そうすることで小樽に受け入れられていることを感じさせ、個人旅行でもきていただけるとなりました。

 

<ロシアチーム>

ロシアチームは、小樽に来ているロシア人に対して、「小さな消費の拡大」を起こす為の具体案の提示を行いました。

●内容としては

(1)小樽観光マップ(ロシア語版)

(2)ポイントカード

(3)らくらくショッピングバス       の3点です。

 ワークショップでは、この具体案に対する意見や小さな消費を起こさせる他の案を頂きました。意見として良く耳にしたことは、ロシア人の生活や性格、国の状況に合ったサービスの提供をすべきだという意見でした。我々はより多くの異文化交流をすべきで、PRをするうえでも、その国をよく知る必要があるということに気が付きました。ワークショップに来て頂いた方々には、ロシア人と交流がある方やロシア情勢に詳しい方に来て頂き、貴重な意見を頂くことが出来ました。他の具体案としては、日本への医療ツアー、クオカード的、ロシアにしかないものや日本にしかないものを置くお店の設置、日本に来たロシア人に対し記念品をあげるなどの意見を頂戴しました。

 

中心市街地活性化

<中心市街地活性化A班>

「中心市街地を活性化させるにはどうすればいいか?」について半年間考えてきました。

私たちの班は実行班として活性化の方法を考えるだけでなく、考えた企画を実現まで行いました。

 商店街の活性化をにぎわいを作る事と考えたのですが、にぎわいとはただ人がいるだけではなく、商店街のお店の人とお客さん(市民の方)の間に愛着や顔なじみなどの心の交流が大切であるとも思いました。我々が考えた結果今回の企画だけでは、心の交流を生み出すのは難しいと考え、まずは市民の方に商店街の「知って」もらい、ゲームを通して、「言葉を交わす」という事を重視しました。その2点を組み合わせたものが「商店街MEGA クロスワードラリー」です。

実施後は賛否両論ありましたが、感謝の言葉をいただいたり、今後の課題が見つかったりと、実りある企画だったなと思いました。

 マジプロ2010トークセッションでは企画を通した私たちの疑問「そもそも市民の方や、商店街の方たちの活性化と自分たちの考える活性化は同じなのか?」や、より「市民の方が参加しやすい企画とは何か?」についていろいろな意見が聞け、今後に生かせるいい場になったと思っています。

最後にイベント、トークセッションに参加してくださった皆様本当にありがとうございました。

 

<中心市街地活性化B班>

 夢プロジェクトという活動を通して発見した「地域との連携」と「主体性」という2つの課題をテーマにワークショップを行いました。連携を強めていくことの解決策としては、企画の継続が大事であり、継続するための仕組み作りが重要となりました。

 市役所、大学、商店街や市民それぞれが活性化に向け、主体性を持って動く為の仕組み作りとしては、商店街に人々が集まる場を作るとお互いの意識格差は埋まり、各人が動きだすきっかけとなるというアイデアが出ました。例えば商大生が集まるショップや老若男女が集まる大衆食堂のようなものを商店街に作るなどの意見がでました。

 

歴史的建造物の利活用

<歴史的建造物の利活用A班(歴史的建造物の写真が入った紙袋の配布)>

 2回のワークショップ通して、A班の紙袋はデザインの良さ以外にも、観光客に対して小樽が’’歴史的建造物’’のまちであることを印象付けられるものであるという意見をたくさんいただきました。さらに、

・紙袋を市内のイベントとコラボして配布

・各歴建にまつわる歴史を載せる

・シリーズものにすることでより歴建をアピールしていく

と良いのではないかという話にもなりました。

紙袋を市外、道外に持ち帰ることで小樽を外部に発信することもでき、それが結果的に、より多くの人を小樽に呼び寄せ、経済的にも潤い、潤ったお金で歴史的建造物を守っていくサイクルを作ることができるということも可能というご意見も頂きました。

 

<歴史的建造物の利活用B班(小樽の歴史について小学生を相手に出前授業)>

 運河紛争を契機に、小樽市の歴史や文化を守ってつないでいこうという意識が薄れているというのが現状だそうです。それが結果的に、観光客の来樽目的が「ガラス」や「食べ物」へシフトしているということになります。

 そこで小学生を相手に小樽の歴史について授業をするというのは、新たな活路であるというご意見を頂きました。さらに、教科書に載る歴史以外にも語り継いでいきたいものがあるというご意見もありました(友達と遊んだ等)。ぜひとも継続してほしいというお話もあり、実習生も達成感があったようです。しかし、学生である以上やはり継続していくのは難しいという話に発展していきました。さらに、     このワークショップには「紙芝居」を通して歴史の認知を広めていこうという人や、実際に補修などや利活用をして利益を生み出している人などが参加してくださり、色々な人がこの建造物を守っているということが明確になりました。

このワークショップを通して、そういう方々がつながっていくいい場になってくれるといいと、すごく感じました。

 

小樽築港地区の活性化

<小樽築港地区の活性化A班>

 「ゆったり、まったり」をテーマに、小樽から小樽築港へ人の流れを作る水上タクシー・観光線の提案、また小樽築港エリアの海を生かした活性化についてグランドビジョンでの提案を行いました。

 最初のワークショップでは主に、水上タクシーの仕組みについて議論ました。継続して運航できるよう工夫し、目的が観光か移動かによっても特に費用面・サービス面での対策が必要であるという結論となりました。

 後半では、夜の魅力もアピールしたり、グランドパーク小樽さんとの提携も視野に入れるというご意見をいただきました。ウイングベイ沿いの路については、学生の出した船の遊具という提案から、船を展示し、中を見学できるような施設とすると言うご意見で、これには全員がいい印象を持たれたようです。

 

<小樽築港地区の活性化B班>

築港の強みである【海】と意外と知られていない【夜景】を活かした小樽運河と小樽築港を繋ぐナイトクルージングを提案しました。

 実際に企業の方とかけ合ってみましたが、事業として成立は難しいと感じました。まずはクルージングを浸透すべく【小樽夜景の日】を決めて実践していくという提案と、クルージングで海から見る夜景を見てみましたが小樽運河側の光量が、ほとんどなく改善点として市民の方々に家の電気をつけていただき、市民の方々と一緒に小樽を美しくする提案で臨みました。

ワークショップの内容

 指摘点としては事業性をないと判断するには調査が足りないことや、市民にとって電気をつけることのメリットがあるのかといった意見を頂きました。

改善点として、【小樽夜景の日】を築港の花火の日に被せることがあげられました。

 花火の光が夜景を盛り上げ、さらに市民が花火を見るために自然と窓をあけるのではないかという市民の方ならではの具体案を挙げていただきました。

 

第2部終了後に,学長から挨拶が行われました。

 

○山本学長

 本日後半は学生中心で行わせていただきました。いつもは一日教授会と言いながら,大学側の話を聞いていただくばかりでしたが,今回は市民の皆様も大いに語ることができたのではないかと思います。

 まちづくりの原動力となるのはよそ者・若者・バカ者であると言いますが,ここにもそういう力があります。世代や立場を越えた交流の中でその力を活かして,小樽と商大がますます発展し,元気になってほしいと思います。

    

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