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2020.12.17

本学言語センター・李賢晙准教授がサントリー学芸賞を受賞しました

本学言語センター・李賢晙准教授が、2020年度 第42回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞しました。

公益財団法人サントリー文化財団は、毎年、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究、評論活動をされた方を顕彰しています。
1979の本賞創設から第42回(2020年度)までの受賞者は354名にのぼりました。
選考に際しては、個性豊かで将来が期待される新進の評論家、研究者であること、本人の思想、主張が明確な作品であることに主眼が置かれています。
また、代表候補作品だけでなく、これまでの一連の著作活動の業績を総合して選考の対象としています。

2020年度 第42回サントリー学芸賞


 

受賞業績は、『「東洋」を踊る崔承喜(チェ・スンヒ)』(勉誠出版)です。

李准教授からのコメント

 この度名誉ある賞を賜り、心より感謝申し上げます。想像すらしなかった受賞の知らせをうけ、ただただ嬉しい限りです。本当にありがとうございます。まずは今回の受賞によりこの本のテーマである崔承喜について少しでも皆さんに知っていただけるきっかけとなり非常に嬉しい限りです。
 崔承喜は日本の舞踊家石井漠のもとで研鑽を積みました。1926年初めて東京に足を踏み入れて以来、日本を去る1945年の間、日本全国をはじめ、朝鮮、中国、台湾、ヨーロッパ、アメリカ、そして南米大陸に至るまで、世界各地を駆け巡りながら踊り続けました。世界の観客たちを魅了してきた崔承喜は歴史に翻弄されながらも舞踊を続け、また政治に利用されながらもそれさえも飛躍するための機会としました。本書はそのような戦前の歴史の狭間で強く逞しく生き抜いた舞踊家・崔承喜の人生を追っています。
 本書を書くにあたって、日本や韓国、中国の関係機関の方々をはじめ、個人のコレクターや舞踊家、そして研究者など様々な人と会う機会がありました。そこで気付いたことは、崔承喜が未だに日韓はもちろん、中国に至るまで多くのファンを魅了し、依然として熱い関心を集める芸術家であるということです。崔承喜は歴史の中で埋もれてしまった伝説の舞姫ではなく、現在もなお生き続けている芸術家であるという思いを強くしました。
 ときには戦前の昭和文化を担う芸術家として、ときには帝国主義を宣伝する植民地の代表として、ときには朝鮮の民族舞踊の継承者として、そしてときには戦後の北朝鮮の文化体制を表徴する芸術家として――、これからも崔承喜は決して忘れ去られることはないと思います。
 最後にコロナの渦中にもかかわらずこの日ためにご尽力してくださったサントリー文化財団の関係者のみなさま、選考委員の先生方、そして遠方から会場にお越しくださった皆様に心より感謝申し上げます。働きながら本を書くということは体力的にも心理的にも少し大変でしたが、そうした中でも研究が続けられるように協力してくださった現職の小樽商科大学の皆様にも感謝いたします。
 菅原克也先生をはじめ、菅原ゼミの皆さんにも感謝を申し上げたいです。思い思いの言葉で綴った寄せ書きのカードをいただいて本当に感動致しました。
 そして長い間、日本で働く姿を一度も見ることができなかった韓国とアメリカにいる家族に・・・このような光栄な場を共にできてとても幸せです。
 ありがとうございました。감사합니다.

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