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教員インタビュー 堺昌彦教授

     

  • <担当授業> 管理会計論 原価計算論 アカウンティングⅡ(コストマネジメント)
            ケーススタディⅠ・Ⅱ(財務分析)

堺 昌彦 教授
SAKAI Masahiko


企業内部における会計システムの機能と影響

企業内部で構築・運用される会計システムについて研究を行っています。

あらゆる企業は企業外部の利害関係者からの要請に応えるために何らかの形の会計システムを保持しています。この会計システムは対外的な要請に応える役割を果たすだけではなく、同時に企業内部においても色々な機能を発揮することができ、また意図しようと意図しまいと組織成員に対しても様々な影響を及ぼします。一定以上の規模となった企業が合理的に活動するためには、このような会計システムの企業内部における機能・影響を適切に理解し、企業が採用している戦略に合致するよう会計システムを構築し運用することが重要となってきます。私が関心を持ち研究しているのは、会計システムが企業内部においてどのようなメカニズムでどのような作用を起こすのかを明らかにするとともに、それらが企業の戦略の形成・実行の中でどのような貢献を果たしどのような限界を持つのかを明らかにすることです。

人間的な要素と合理性の追求

会計という領域は非常に奥深くその面白さも非常に広範です。私自身そもそも会計が好きだということもあるのですが、おそらくどのような視点から切り込んでも会計は尽きない面白さを提供してくれるかと思います。そのような中で私が考える会計の面白さは、会計が「人間」を前提としていることにあります。会計は経済活動をより合理的に行うための仕組みと言えますが、実際に活動するのは利己的で間違いを犯し怠惰な側面を持つ能力の限られた一人一人の人間です。このような人間が集団となって活動しようとすると、全体の視点からするとこうするのが合理的であろうということが誰の目にも明らかな動きすら簡単には実現できません。会計は、こういった人間の性質を善悪の判断を挟まずそのまま認めた上で、現実の人間の集団が全体としてより合理的な動きするための仕組みの実現を徹底した合理性に基づいて追求しています。この二面性が会計を突き詰めて考えていく中で非常に魅力的な部分かと思います。

組織において変わらぬ課題に対する貢献

私自身の研究領域は特定の地域と結びつくものではありません。企業(部署)で行われていることを経営者(管理者)1人では把握することが難しくなる規模の組織全般において直面する課題を扱っていると言えます。

例えば「業務改善やコストダウンに成功したはずなのに業績が悪化した」「財務データの分析に基づき合理的な戦略を立案・実行したが状況は余計に悪くなった」というような状況は企業内部の会計システムの不適切な構築・運用から生じる典型的なものですが、これらは現代においても変わらず生じ続けています。こういった問題に適切に対処していくための知識は研究領域内に蓄積はされているのですが、これらを体系化し社会に伝達していくことも、我々の研究領域の重要な社会的意義と考えています。

多様なバックグラウンドがもたらす深い理解

本ビジネススクールの学生は業界も専門も所属先におけるポジションも非常に多様なのですが、全般にオープンで率直な議論を歓迎するという雰囲気があります。結果としてクラス内で同じ1つの事象を扱うにしても、複数の異なる視点からの議論を通じて、多角的により深い理解に繋がるという特徴があります。これは本ビジネススクールの得難い継承していくべき資産だと考えています。

会計が苦手な方にも得意な方にもお勧めです

私自身はビジネススクールでは、企業の戦略について会計データを用いて分析を行う授業とコストマネジメントのための会計情報の作成と活用についての授業を担当しています。ビジネススクールでの2年間を通じて、会計が苦手な方にも得意な方にもそれぞれ会計データの活用について着実な力を習得するカリキュラムを提供していますので、「会計データを使うこと」に関心のある方は是非とも本ビジネススクールを検討してみてください。


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