- <担当授業>
- 経営学原理I
- 経営学原理Ⅱ
- 研究指導(ゼミ)
木田 世界准教授
KIDA Sekai
「ウェルビーイング」や「歴史的建造物の活用と保全」を研究テーマとしています。
私は主に2つのことを研究テーマとしています。1つ目は「 職場における従業員満足と顧客満足の両立、ウェルビーイングについて」です。働く人々が健全な状態でその潜在的な可能性を十分に発揮し、組織能力を高め顧客を中心とするステークホルダーに対してよい商品・サービスを提供していくためには何が必要か、そこにおいて障害となるものは何かということについて、自動車販売店舗やサービス業の組織を対象とした事例研究を行っています。ウェルビーイングと従業員満足の概念の共通性や違い、それらを高めるために必要なもの、妨げるもの(経営や環境に関連して)を分析しています。
2つ目のテーマは「企業の地域社会貢献の一環としての歴史的建造物の活用と保全について」で、小樽市、北海道の歴史的建造物の企業による活用事例の調査を行っています。保全活用の促進、阻害要因や、活用プロセスにおける従業員の心理の機能・影響に関心があります。業界は限定していませんが、歴史的建造物を活用したホテルや蒸溜所などを訪問しており、今後さらに様々な活用事例を見たいと考えています。企業と行政、NPOなど連携についても研究を深めたいと思います。
経営者の在り方に興味を持ち、経営学研究の道へ
大学時代に経営学部で多くの経営者の講演を聞く機会がありました。「常識とは異なるが本質をついている」と感じるようなお話をする方が多く、単純に面白いと思いました。また、そのような経営者の方々は、熱い想いや使命感を持ち、地域において関係者を大事にしながら経営をしている姿が印象的で、どのような経営が良い会社をつくるのか、良い会社を増やすにはどうすればいいのかという点に興味を持ったことが、経営学の研究の道に進んだきっかけの一つです。
特に現代は組織中心の社会であるとともに、企業が経済、文化に与える影響は大きく、現代社会を理解するための学問として経営学は面白く、かつ重要だと思います。企業活動の随伴的な結果として、ポジティブな側面とネガティブな側面の両方から大きな影響が生じており(たとえば便利で豊かな生活と、地球環境問題)、企業が社会的責任を果たすことは、現代社会が健全で持続可能なものになるうえで欠かせないことだと思います。
歴史的建造物の活用によって、地域への経済効果が期待できる
「組織論」と「企業と社会論」が専門です。「組織論」は企業のみならず、NPOや行政組織なども対象範囲であり、地域そのものもマネジメント対象と見ることができると思います。また、「企業と社会論」では、環境問題などグローバルな問題への貢献だけではなく、企業が地域に与えるポジティブな影響(例:地域活性化)やネガティブな影響(例:公害)も重要な分析対象となっています。
また、歴史的建造物の保全・活用は各地で問題となっており、未活用の歴史的建造物も多くあります。小樽市でも北海製缶第三倉庫をはじめとする歴史的建造物が豊富にあります。これらの歴史的建造物は、地域の象徴であり歴史的な価値があるとともに、活用に成功すれば地域への経済効果が少なくないと考えられます。
ゼミは教わるだけではない。議論の中から学ぶ場に
ゼミ生には、複数人が1冊の本について意見や解釈を議論する”輪読”をしてもらっていて、毎回、全員に1回以上発言してもらうことを条件としています。どのゼミ生も積極的に面白い意見を言ってくれるので、ゼミは一方的に教わるというより議論の中から学ぶ場になっていると思います。
2023年度時点で、私のゼミからは、まだ卒業生を輩出していません。このため、卒論のテーマや進路の傾向については未知数となっています。ゼミ1期生は、働き方や働く人々のウェルビーイング(≒幸福)について興味があるようで、健康経営や従業員満足に関するテキストを輪読しています。また、夏休みにはニセコで合宿を行い親睦を深めました。今後はインゼミなど対外的な発表に取り組む予定です。
私が皆様にできること
企業による歴史的建造物の保全と活用(もしくは企業が他の主体と連携して行う保全と活用)について研究しています。保全や活用に携わる企業のご担当の方、企業と連携を希望しているNPOや行政のご担当者などがいらっしゃいましたら、ぜひお話しを伺いたいと思います。当方が提供できるのは、組織論や働き方に関する研究や、北海道や他の地域における企業による歴史的建造物の保全、活用事例などです。
また、働く人々の満足、ウェルビーイング、健康に関する取り組みに興味がある方がいたらぜひ共同研究を実施したいと考えています。ストレスチェックの集団単位の結果の分析や対応、従業員満足、定着などに向けた取り組みを調査・支援したいと考えております。
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