2021年入学の皆さんへ
緑丘会 事務局長 永井健夫
―同窓会「緑丘会」の紹介―
難関を突破された皆さん、ご入学誠におめでとうございます。
昨年はコロナウイルスの影響を受け、入学式が中止となりました。今年は感染対策を万全にしたうえ、2回に分け参列者も限定しての入学式でありましたが、挙行できたことは大変喜ばしいことです。皆さんは新しい大学生活に向けて、さぞ期待に胸を膨らませていらっしゃることと思います。是非この小樽という街と小樽商大での学生生活を大いに満喫して頂くよう願っております。
さて、同窓会である「緑丘会」について4点説明させて頂きます。
1点目は、「緑丘会」の会員についてです。
入学の際に、皆さんの大半は学生時代の4年間と卒業後の3年間の会費を納めて頂いているため、既に「緑丘会」の会員です。この会費は卒業生に納めて頂いた会費とともに現役学生の皆さんへの支援に使われています。先ずはこの事をご理解下さい。
2点目は、「緑丘会」が行っている様々な支援についてです。
私たちは主に現役の学生さんへの資金援助や講座の提供、就職支援をしています。
資金援助としては、留学生への奨学金授与や優秀な学生さんを対象とした奨励金の授与、TOEIC IPテストの受験費用などの援助を行っています。
講座の提供としては、皆さんが今後受講される「エバーグリーン講座」という講座があります。社会で活躍されている皆さんの先輩が講師となって社会経験を伝える場として行われており、学生の皆さんには好評を頂いています。30年以上も続いている伝統ある講座ですが、この講座も「緑丘会」が支援しており、登壇される講師を毎年選抜しております。
また、就職支援としては、皆さんが就職活動を始められる3年時に、250社程度の企業を大学へ招き、企業が説明会を行うセミナーを主催しています。前年度はコロナ禍のため全てオンラインでの開催となりました。この他、学内に「就職支援室」を設置し、就職に関する相談も受けています。
3点目は、「緑丘会」の活動についてです。
「緑丘会」は国内に24支部のほか、海外にも支部があり、OB社会人に有益な各種イベントを実施しています。転勤等で勤務地やお住まいが変わっても、その土地その土地で充実したネットワークに参加いただき、人脈の形成や生活の糧に生かして下さい。
また、東京や札幌では「緑丘ビジネス塾」などの名称で、若い社会人へ向けた活動も実施しております。社会で活躍されている卒業生が講師として登壇し、その後、参加者を交えての質疑応答や意見交換を行います。前年度はコロナ禍によりオンラインでの開催となりましたが毎回60名前後の方が参加しております。実社会の先輩の経験談などを学習する絶好の機会ですので会報やホームページで確認してみて下さい。
最後に、小樽商大は2021年7月に創立110周年を迎えます。
本学は1911年に官立小樽高等商業学校として開校し、国立では唯一の社会科学系単科大学であり、小規模ではありますが創立以来グローバルな人材を北海道はもとより全国に多く送り出してきました。このような伝統ある大学の同窓会として、学生のために資する目的で創立110周年記念募金活動をし、一昨年の3月から3か年計画で1億1千5百万円を目標に募金のお願いをして参りました。集まりました募金はコロナ禍における学生支援や大学のサークル会館補修、また、学生さんの留学支援等のために大学へ寄附します。
小樽商科大学は学生数が少ない大学だからこその良さがあると思っています。お互いの距離感が近く、深いつながりを育んでいく環境があると思っています。先輩諸氏も強いつながりを持ち続け、実社会で活躍し、太くて強いネットワークを構築してくれています。コロナ禍で対面のお付き合いや活動に制限がありますが、少しでも交友関係を拡げていただき、勉学にも勤しんで頂きたいと思います。
取材を受けた「週刊朝日」では「小さいけれど絆が固い同窓会」と紹介されました。私達はそういう「緑丘会」を誇りに思っています。緑丘会という組織を皆さんにもどんどん活用して頂くと共に、お力を貸していただければ大変嬉しい限りです。
以上をもちまして、皆さんへの「お祝いのメッセージ」と「同窓会の紹介」とさせて頂きます。
(一)
金鱗おどる渺々の
あけぼの称う浪の唄
エルムの花に若人の
涯なきのぞみ数々秘めて
夢うるわしの緑ケ丘よ
(二)
夕陽映える白樺の
梢をわたる風の唄
慈愛の山のふところに
銀翼みがき駿足秘めて
唄ほがらかの緑ケ丘よ
(三)
蒼穹はてず道つきず
はるかに仰ぐ北斗星
栄冠迎うこの胸に
飛躍の力ひととき秘めて
花咲き匂う緑ケ丘よ
(四)
健腕拓く五大洲
凱歌はあがる我母校
感激満てる若人の
血潮に清き教えを秘めて
春永遠の緑ケ丘よ
応援歌「若人逍遥の歌」は、1955年に札幌地検小樽支部長として着任した高島茂氏が作成した逍遥歌の歌詞が大学に献呈され、当時の学生の宮内泰氏が作曲し、今も歌い継がれています。
(口上)
春風颯々として山河をめぐり
百花繚乱の盛夏となりぬ
霧水来たりて百山紅を呈し
龍田の朔北(と)なれば暗雲天空を覆い嵐を呼び
紅山白山と化しその白雪の中に身を埋める
その厳しき天地のすべ我等が俗世と何の関わりが有ろうか
連山残雪に覆われし頃比の朔北の地に移りし我等なれば
何を悩み何をば求めん
俗世の安楽冥利とは大海に漂う塵の如し
我等その塵に何ぞ命を託さんや
今こそ悪夢より覚醒出でて
打ち寄する荒波の如き熱き血潮を持って杯をかかげん
春宵の暁にいざいざいざ歌わんかな我等が命を
(一)
琅玕融くる緑丘の
春曙を逍遥えば
浪漫の靄に街沈み
風悠久の言葉あり
瀾朶の桜花吹雪つつ
あわただしくも逝く春の
伝統古き学舎に
展ける海のはてしなき
(二)
夏白樺に囁やきて
ハイネの詩を口ずさむ
みめ美わしきまなざしの
又なき時の愛しさ
断崖落ちて波くだけ
オタモイ遠く帆走れば
オタルの嶺々の夕あかね
冴ゆる北斗にうそぶきぬ
(三)
秋簫条の思い濃き
ポプラにかかる雲消えぬ
流転の行旅夢に似て
悩みの思惟を誰か知る
感傷笑うことなかれ
桜ケ丘にたたずみて
泪滂沱と憂愁の
落葉の行方誓うかな
(四)
氷雪海に傾きて
月寒ければ翻とかん
晦冥行路遠けれど
われに港の乙女あり
流星落ちて影もなし
逝く青春の足音に
生命を惜しむ若人は
永却の杯酌まんとす